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David the smart ass

心のダイエット!~時には辛口メッセージを~

映画:「レディ・ジョーカー」~DVD

2006-04-01-Sat
かい人21面相」とか「キツネ目の男」などの言葉も有名になったグリコ・森永事件に着想した高村薫の同名の原作小説の映画化です。

この作品ではお菓子の会社じゃんくてビールの会社にしたのですね。瓶ビールに無毒の食紅を注入して、栓抜きであけたばかりなのに、瓶から出るのはワインのような赤いビールっていう、ちょっと驚きの製品。こんなものが市場に出もしたら、ビール会社は大打撃です。

このネタを使って、「レディ・ジョーカー」を名乗る一味はまず、大手ビール会社の社長(長塚京三)を拉致監禁した後で、「人質はビールだ。身代金は20億円だ」と告げて解放するのですね。

「社長誘拐」は警察で事件になり、マスコミも大々的に取り上げるわけですが、それが、社長が無事保護されると、いったいどういう取引があったのか? 目的はなんだったのか? などと、ますますマスコミは騒ぐばかりです。

そんな状況で、企業を守らねばならない会社、誘拐の背景に個人的な恋愛・縁談話が絡む社長家族、事件解決犯人逮捕を目指す警察、そして、さまざまな背景から集まった5人の犯人グループ。それぞれの思惑の中で、金ばかりでない動機、差別問題などの社会的な背景、警察組織の矛盾、企業の論理、障害者を持つ家族の問題、在日の問題などさまざまな現代的な問題がかかわってきます。

ネット上の評価は分かれているのですが、わたしにはいい作品でした。閉塞という、どうしようもない結論になりそうなんですが、それが現実的で好きでした。映画というのはもう少し痛快な面を出して作るほうがおもしろくなるというのはわかります。

ただ、高村薫は『照柿』でもそうだと思うのですが、抑圧された感覚というか、閉塞している社会という、そうしたものを描き出す力のある作家だと思います。この高村薫の世界を映画化するというのは難しいと思うんですね。文体の持つ圧力みたいなもの、全体の香りみたいなものを映画に入れようとすると、どうも、なんか全編にいやな重さが出てしまうような気がします。

どこか痛快に作るところがあったほうが、映画としてはおもしろくなるんじゃないかと、ま、思うのですよね。

DVDはこちら。
レディ・ジョーカー
レディ・ジョーカー
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おすすめ度の平均: 2.4
3 これは単なる“映像化”
4 原作の重さを残した映画。
1 時間の無駄


原作はこちら。
レディ・ジョーカー〈上〉
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5 これこそ
5 淡々とした長い長い物語
5 高村薫のマスターピース


邦画全般 - 映画


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