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David the smart ass

心のダイエット!~時には辛口メッセージを~

横須賀功光の写真展「光と鬼」

2005-11-22-Tue
横須賀功光って写真家がいました。2003年に65歳で亡くなったそうです。こないだですね。そもそもこの字が読めません。「よしみつ」なんてあて読みしてました。「のりあき」と読むのだそうです。

わたしはこの人別に知りませんでした。こないだ、名古屋市美術館に行って「ポップアート展」見に行った折に、11月19・20日の上京に際して何かいいイベントでもやってないかなと思って探したら、『横須賀功光の写真魔術「光と鬼」』ってのがあることを知って、お、なんか凄そうって思いました。「写真魔術」なんて題名つけられませんよ、はったりでも。これで陳腐なものだったら、立ち直れませんからね。で、出かけました。


凄いです(笑)。笑ってはいけません。笑ってしまうのは、わたしの無知を自嘲しているのです。おそらく横須賀功光の写真家としての歴史を全貌できるようにという視点からもつくられているので、もちろん初期の作品もあったのでしょうが、実験的な作品というのは、あれは「写真」ではありませんね。カメラとフィルムと印画紙と感光液をつかった美術作品です。だから、「写真魔術」と言ったのでしょう。


わたしはすぐに、マーベリングという言葉を思い出しました。写真の現像の過程を全く知らないわたしですので、どこでどうやったらそういうことができるものかわからないのですが、本来の写真の現像なら、ミスであったり、なにかが不足であったり、過剰であったりして、ぼけたり、にじんだり、色が出なかったり、白すぎたりしたものを、それをミスだと片づけずに、新しい写真の表現法だと感じとり、それを追究していったのでありましょう。それは写真の常識を覆されます。

これだけで、わたしの言いたいことは言ってしまったのですが、たぶん、見てない人には伝わらないのでもう少し書いてみると、「写真」の原点は「美しい景色なりなんなりをそのまんま残す」ということにあると思うのです。その名前の通り「ありのままに写す」というか。そもそもこれは固定観念なんですが。しかも、「写真」という言葉にとらわれすぎている感があります。

ただ、報道写真はこの姿勢が必要だと思うのですが、ポスターの写真とか、カレンダーの写真となるといくら演出してもいいわけです。たとえばモデルを使ってる撮る。写真家はモデルに注文をつけられます。気に入った背景を用意し、化粧やポーズを、光の効果などの演出までして、そして、ありのままを写すわけです。そんなものは、ありのままでもなんでもなく、報道であれば「やらせ」と攻撃されてしまいます。

また、見合い写真などでは、よく知らないのですが修正をほどこすということがあるそうです。フィルムを加工するのかどうするのか知りませんが、それでも「写真」という言葉のおかげで、真実を写したと思わせることができますよね。

さらに最近のデジカメの技術というか、フォトレタッチの技術では、色合いや明暗、シャープさなども調整できるし、コラージュなどもなんでも気軽にできるわけです。最近騒ぎになった「月とコウノトリ」とかもできちゃうわけです。

かくも自由に、自分のイメージや技術で編集できるわけです。そういうことはわかっていたのですが、それでも、なんというのでしょう、対象の美しさ(時には凄惨さ、寂しさその他いろいろ)を表現しようというのが写真だと思うのですが、横須賀功光はさらに別のレベルに行ったのだと思います。作品展のガイドで松岡正剛が「天才」だと書いてましたが、そのとおりと思いました。

写真の技術を全く知らないわたしが、これ以上書くのは大きな誤解を招き、間違ったことを伝えてしまいかねないのですが、それを承知であえて書くと、おそらく、横須賀功光は感光液と印画紙を工夫することで、「対象の美しさをそのまま伝達する」ということではなくて、「さらなるデフォルメを加えて表現する」ということを試みたのだと思います。横須賀功光の一部の作品群は、もはやあれは写真ではなくて、写真魔術というか、「カメラとフィルムと感光液と印画紙その他をつかった、美術作品」っことになるのではないかとわたしは思いました。

ただ、恥ずかしいのですが、わたしがここで感動して書いている「写真じゃない」といってる作品は、もう20年も前の作品なのです。つまり、写真に関わっている方たちは、すでにそういう体験をしていて、自分なりの評価やお考えもお持ちなのだろうということです。わたしはたまたま旅のつれづれに訪れた写真展で、びっくりして書いているに過ぎず、わたしの無知をさらけ出しているかもしれないのですね。

もちろん、そんな難しい写真ばかりではありません。横須賀功光は資生堂のポスターを撮ってました。資生堂の前田美波里のポスター山口小夜子のポスターなども代表作です。それはあまり展示されていませんけれど。

ちなみに、11月26日は横須賀功光の誕生日です。

●東京都写真美術館横須賀功光の写真魔術「光と鬼」のページ
asahi.comによる紹介記事
シブヤ経済新聞による紹介記事
博物館イベント検索システムの記事

==NOTE==
■会 場:東京都写真美術館 2階展示室
■会 期:2005年11月19日(土)~12月18日(日)
■休館日:毎週月曜日(休館日が祝日・振替休日の場合はその翌日)
■料 金:一般 800(640)円/学生 700(540)円/中高生・65歳以上 600(480)円

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dreamyの雑記帳「横須賀功光の写真魔術「光と鬼」 @東京都写真美術館」にトラックバックしました。会場の雰囲気がよく書かれています。

ちょっと高価ですが、出版されてます。
光と鬼―横須賀功光の写真魔術
横須賀 功光
PARCO出版 (2005/12)

COMMENT



イイですよね。。

2005-11-23-Wed-09:32
私も資生堂のポスターや小夜子のポスターは目にしていたのですが、全くニュアンスが違いますよね。
横須賀氏は亡くなる前に、本当に残したい写真以外は全部はさみを入れて処分したらしいのです。
今回の展示内容はその作品の中から、更に選りすぐったもののようです。

☆dreamyさん

2005-11-23-Wed-12:14
あ、コメントありがとうございました。
亡くなる前に処分しちゃうんですか。鬼ですね。

2005-11-29-Tue-19:05
コメントありがとうございました。私は横須賀コーミツだと思っていました(笑)
だって、みんなそうよんでないですか?

☆ウインバレーさん

2005-11-30-Wed-07:56
コメントありがとうございました。
みんなの読み方なんて知りませんです。(笑)

2006-01-07-Sat-23:44
昨年はお世話になりました。
今年もよろしくお願いします。

随分前にいただいていたのに、
年末の忙しさで今頃になってしまいました。
終わってしまってますね。。。
ごめんなさい。
また記事お願いします。

☆artimeさん

2006-01-08-Sun-10:28
おひさしぶり。
あの写真展とってもよかったですよ。
とりあげていただきたかったです。
また、今年も記事書いたらトラバしていきます。

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