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David the smart ass

心のダイエット!~時には辛口メッセージを~

仮の名を持つ花よ

2005-09-28-Wed
花の名前は知らぬのだけど
わたしはその花が気に入った。

雨降る初夏の夕ぐれ時、
白く豊かな花びらと
芯のあたりのほのかな紅色が
やさしくわたしに微笑んだのだ。

ひっそりとした細道の軒下で
点ったばかりの外灯に
ぼぉっと浮かぶように開いて
その花びらの一面から
外灯の光が万華鏡のように
滴る雨つゆに輝いていたのだ。

その不思議な輝きは
わだかまるわたしの心に
やさしく温かく光を与えた。
かすかに光を。

その軒下の外灯の下
その名を知らぬ花を見るために
その夏散歩のコースを変えた。

夏の終わりは花の終わり。

誰がしたとはわからぬが、
花は無惨に踏みしだかれた
花びらの踏みにじられた白き色に
わたしはひざまづき
流れる水を結ぶように
花びらをすくいあげ、
悲しみにふるえ、
寂しさにふるえ、
怒りにふるえ、
わたしは唇を寄せずにいられなかった。

花よ。

荒らしし者どもよ。
寂しき者ども。
君らもまた
この花の名を知るはずはなかったろう。
名も知らぬ道ばたの花にすぎなかったのだろう。

おそらくは
君らもその花の薫りを知り、
そのかぐわしさゆえ、
思わず花を散らしたくなったに違いないのだ。

ゆかんとする夏。

崩れゆこうとするわたしの魂を救い、
わたしに命をよみがえらせた花よ。
わたしはその名も知らぬ花の
踏みにじられた白い花びらを拾い集めて、
愛する詩集のしおりにしよう。



ブルーなんです・・・ - 恋愛

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