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David the smart ass

心のダイエット!~時には辛口メッセージを~

「女性器の3Dプリンターデータ」作成の自称芸術家逮捕事件雑感

2014-07-20-Sun
いまさらか紹介する必要もないが、ブログ記事は残るものなので、後で読み返すためにもすこしだけ紹介しておきます。あとで、興味を持てば、検索すればよいことではあるのですけど。

一言で言えば、こんな事件です。

3Dプリンタで女性器の造形を出力できるデータを頒布したとして、「ろくでなし子」の名前で活動している女性漫画家を警視庁が逮捕。 各社の報道によると、警視庁は7月14日、3Dプリンタで女性器の造形を出力できるデータを頒布したとして、「ろくでなし子」の名前で活動している女性漫画家をわいせつ電磁的記録頒布容疑で逮捕した。漫画家は「わいせつ物とは思わない」と容疑を否認しているという。
 → 3Dプリンタで性器の造形を出力できるデータ配布 漫画家「ろくでなし子」逮捕 - ITmedia ニュース


これは、すごいことだと思いました。3Dプリンターのさまざまな利用法の、豊かで、恐ろしい未来を想像させると思いました。ひょっとしたら、わたしが知らないだけで、外見だけの3Dのコピーなんてすごく身近になっているのかも知れないと思ったりもしました(たぶん、実用ベース、生産ベースにならないだけで、実存していますよね)。

このろくでなし子さんがこんなことをした背景はこんな感じです。

昨年6月、クラウドファンディングサイト「CAMPFIRE」で「わたしの『まん中』を3Dスキャンして、世界初の夢のマンボートを作る計画に支援を!」という企画を実施。3Dスキャンした性器をかたどったボートを作成するための資金を募る内容で、3000円以上の支援者には3Dデータを配布するとしていた。
 → 3Dプリンタで性器の造形を出力できるデータ配布 漫画家「ろくでなし子」逮捕 - ITmedia ニュース


この記事では「漫画家」として紹介していますが、別の記事などでは「自称芸術家」というような紹介をしたところがありました。彼女の作品を見たことがないので、その芸術性については、残念ながらよくわからないのですが、この思考方法は漫画家ではなくて、まさしく現代芸術家のものであって、「自称芸術家」というのは素敵なネーミングだと感じました。

で、この3Dデータ配布が「わいせつ電磁的記録頒布」に当たるとして逮捕されてしまったようなのですね。

あまりにもいろいろなものが詰まっていて、なかなか整理ができなかったのですが、この「3Dデータ」が「わいせつ電磁的記録」になるんですね。なるほどね。

たとえば、AVでもポルノ写真でもモザイクとかしてればOKなんですよね。「わいせつ電磁的記録」ってなら、あの薄っぺらなDVDに入ったエッチなデータなんてそうなんですよね。これが、「わいせつ」に当たるかどうかはそれを見てチェックしないといけないわけですよね。AVで言えば、モザイクの仕方がダメだからアウト! ってことになるはず(だとわたしは思っているのですが、ここのところで事実誤認があればご指摘いただきたいです)です。

当然ながら警察は、このろくでなし子さんが頒布した「女性器の3Dプリンターデータ」を再生した上で「わいせつ」と判定したのだと思うのですが、それを見た警察官に「わいせつ」だと考えさせたのは、相当の出来栄えだったのだなと……想像したところであります。色や質感はどんなものだったのだろうと、そんな余分なことまで考えました。色調は、質感までほんとうにリアルに再現されたのならば、そりゃ「わいせつ」かもしれないなと。



さて、逃亡や証拠隠滅のおそれがないとして、釈放されたろくでなし子さんはこんなコメントをしました。

「自分の身体がわいせつかどうかを考えたときに、わたしの身体はわたしのものだし、男性目線からみたわいせつ性を付加してほしくないなと思った」
 → 「私の身体はわいせつじゃない」釈放された「ろくでなし子」さんが会見【動画あり】|弁護士ドットコムトピックス


そうですね。実際、わたしは今回の「わいせつ物(作品?)」の色や形、大きさなどを全く知らないので、なんとも判定できないのですが、たとえば、子どものヌード写真だって「児童ポルノ」とそうでないものがあるように、女性器にしろ、男性器にしろ、「わいせつ」なものとそうでないもはありますね。

小便小僧は人前で放尿(?)していても、児童ボルノともわいせつとは言われないし、ミケランジェロのダビデ像ほテレビ放送するのにモザイクかけるのはおかしなことという共通認識はあるようなんですね(→ 国営ニュースが「ダビデ像」の男性器にモザイク → 苦情殺到:キニ速

だから、ろくでなし子さんが、「自分の身体はわいせつじゃない」というのもそうだし、あれはミケランジェロのダビデ像と同じなんだといったとしても、その主張はわからないでもありません。--ただし、今のところ「ダビデ」と同じとは言ってないみたいなんだけど、ま、なかなか自分自身でミケランジェロと同じとは言いづらいだろうけど……。

ただ、今回の場合は「作品」自体を見ていないので、その点はなんとも言いかねる部分もあるのですけど。

ところで、これと並んで、ちょっと前に起きた、3Dプリンターによる銃の問題について、ついでにちょっと考えたことがあるので書いておきたいと思います。

今回の「女性器3Dデータ」が出た件でちょっと考えたことがあります。「わいせつ」であても「モザイク」すればOKってのは、ま、AVなどの常識なんですけど、同じ理屈が3Dプリンタデータに使えるのかどうかという話です。もちろん、自称芸術家は、自らの作品にモザイクをしようなんて思わないのでしょうけれど、あるいは、反対の意思表示としてモザイクをテーマとした作品を作るかもしれませんけれど、そういうことは置いておきます。

もっと、別の、まさにアングラ商売として、「美女◯◯の3Dお☓☓こデータ」なんてものを作って販売するとして、モザイクしてないと、「わいせつ」として摘発されれてしまうので、「モザイク処理済みの3Dデータ」を流通させるわけですね。これならOKです。問題ありませんね。3Dプリンターで「プリントアウト」されたものは、肝心の部分に前張りのされた「美女◯◯のお☓☓こ」なわけです。

銃で言ったら、現実の銃がプリントアウトされたら大問題なんですけど、銃口が塞がれ、引き金がロックされてるみたいな「モデルガン」がプリントアウトされるのであれば、全く問題ないわけですよね。だってモデルガンは普通に店頭で売ってるじゃないですか。

ところが、今回のは「3Dプリンタのデータ」なんですよね。あるプログラムでその「3Dプリンタ」のデータにパッチをあててやると、「モザイク」を消して元の状態に戻すことができてしまうわけなんですね……。

そんなのダメだろう! 常識で考えて! そんな話が通用しないのは、「合法ハーブ」「脱法ドラッグ」の問題でよくわかっているじゃないですか。似ているってことは違うってことなんですから。

3Dプリンターの進歩は、わたしたちに、どんなに素敵で夢のような未来をもたらしてくれるのでしょうか。薔薇色だなぁ。

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