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映画:「ひとごろし」~録画で
2013-04-06-Sat
松田優作が、臆病者の若侍双子六兵衛を演じる、山本周五郎の同名小説が原作の映画「ひとごろし」をBSの録画で見ました。


おもしろいです。全体的にコメディタッチで、こう都合良くはいくまいと思うのですが、松田優作の独特の人を食ったようなとぼけた感じがよく出ています。厳密には違うかもしれませんが、わたしは、落語を小説にしたような感じとでも言ったらどうかと思いました。
現代劇でこういう作品はありそうですが、時代劇、しもも仇討ちというか「上意討ち」でこういう趣向にしてしまうと、当時はともかく、今では観る側がそうとうげんていされてしまうような気がします。だから、最近ではこの手の作品は作られなくなったと思われ、そういう意味では、珍しい作品ということになるかもしれません。
では、ネタバレにならない程度にあらすじを少し。
主人公の六兵衛(松田優作)は、城下でも臆病で有名な若侍で、そのため本人はもちろん年ごろの妹にも縁談がありません。日頃から妹その点をチクリチクリと言われていたこともあって、六兵衛は一念発起、誰も引き受け手がないような「上意討ち」に立候補します。
相手は、丹波哲郎演じる、凄腕の武芸者仁藤昂軒です。腕はいいものの、傲慢で遠慮ない振る舞いが藩内の反感を買いトラブルに発展、火の粉を振り払っただけにしろ、謀反の人斬り事件ってな格好になってしまうのはいたしかたなく、仁藤昂軒は逃げるように旅立ちます。
その昂軒を探し出して討てというのが上意つまり藩主の命令であり、これが「上意討ち」ってわけですね。剣と槍の達人で、六兵衛が一人で立ち向かっても、100回やっても100回負けるだろうというほど、勝敗は誰が見てもわかっています。藩サイドも、殿様が「上意討ちだ」と言い出したものの、誰一人として引き受けるものはいませんでした。仁藤昂軒は武芸の腕を買われてお抱えになっていたほどの腕であり、誰であっても上意討ちを果たせるとは思われなかったからなのです。
上意討ちの命が出たものの、誰一人と適当な人材がいない。このままでは、臆病者と無能舎の集まりということで、藩のメンツは丸つぶれになってしまいます。藩内の一の臆病者の六兵衛が手を挙げても、最初は誰もとりあわなかったのですが、誰も追っ手として向かわないよりは、ダメでも行って討たれてきたほうがまだましと、六兵衛の申し出は受け入れられることになります。
しかし、いわば、藩内一の達人と藩内一の臆病者との戦いなのですから、勝敗は初めからわかっていることに間違いないのです。いざ、旅立つに当たって妹は、日ごろの兄の弱さに対する愚痴を謝罪し、上意討ちをあきらめてほしいと言い出すほどです。もちろん、そこで終わっては映画になりません。
どうしようもない腕前の差を、六兵衛が知恵を使ってどうやって補い、「上意討ち」をいかにして達成していくか(あるいは達成できないか)が、この映画のおもしろさになります。そして、それが、まっとうな剣術の勝負とは言えず、コミカルに、おどけたタッチで描かれています。
本格的な時代劇好みの人には、ちょっといや相当物足りないかもしれませんけれど、むしろ時代劇でなく現代ものが好きってな人でも楽しめる作品になっていると思います。
→動画サイト hulu:「ひとごろし」
おもしろいです。全体的にコメディタッチで、こう都合良くはいくまいと思うのですが、松田優作の独特の人を食ったようなとぼけた感じがよく出ています。厳密には違うかもしれませんが、わたしは、落語を小説にしたような感じとでも言ったらどうかと思いました。
現代劇でこういう作品はありそうですが、時代劇、しもも仇討ちというか「上意討ち」でこういう趣向にしてしまうと、当時はともかく、今では観る側がそうとうげんていされてしまうような気がします。だから、最近ではこの手の作品は作られなくなったと思われ、そういう意味では、珍しい作品ということになるかもしれません。
では、ネタバレにならない程度にあらすじを少し。
主人公の六兵衛(松田優作)は、城下でも臆病で有名な若侍で、そのため本人はもちろん年ごろの妹にも縁談がありません。日頃から妹その点をチクリチクリと言われていたこともあって、六兵衛は一念発起、誰も引き受け手がないような「上意討ち」に立候補します。
相手は、丹波哲郎演じる、凄腕の武芸者仁藤昂軒です。腕はいいものの、傲慢で遠慮ない振る舞いが藩内の反感を買いトラブルに発展、火の粉を振り払っただけにしろ、謀反の人斬り事件ってな格好になってしまうのはいたしかたなく、仁藤昂軒は逃げるように旅立ちます。
その昂軒を探し出して討てというのが上意つまり藩主の命令であり、これが「上意討ち」ってわけですね。剣と槍の達人で、六兵衛が一人で立ち向かっても、100回やっても100回負けるだろうというほど、勝敗は誰が見てもわかっています。藩サイドも、殿様が「上意討ちだ」と言い出したものの、誰一人として引き受けるものはいませんでした。仁藤昂軒は武芸の腕を買われてお抱えになっていたほどの腕であり、誰であっても上意討ちを果たせるとは思われなかったからなのです。
上意討ちの命が出たものの、誰一人と適当な人材がいない。このままでは、臆病者と無能舎の集まりということで、藩のメンツは丸つぶれになってしまいます。藩内の一の臆病者の六兵衛が手を挙げても、最初は誰もとりあわなかったのですが、誰も追っ手として向かわないよりは、ダメでも行って討たれてきたほうがまだましと、六兵衛の申し出は受け入れられることになります。
しかし、いわば、藩内一の達人と藩内一の臆病者との戦いなのですから、勝敗は初めからわかっていることに間違いないのです。いざ、旅立つに当たって妹は、日ごろの兄の弱さに対する愚痴を謝罪し、上意討ちをあきらめてほしいと言い出すほどです。もちろん、そこで終わっては映画になりません。
どうしようもない腕前の差を、六兵衛が知恵を使ってどうやって補い、「上意討ち」をいかにして達成していくか(あるいは達成できないか)が、この映画のおもしろさになります。そして、それが、まっとうな剣術の勝負とは言えず、コミカルに、おどけたタッチで描かれています。
本格的な時代劇好みの人には、ちょっといや相当物足りないかもしれませんけれど、むしろ時代劇でなく現代ものが好きってな人でも楽しめる作品になっていると思います。
→動画サイト hulu:「ひとごろし」
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