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映画:「アシュラ」が完成公開してた!

2012-10-11-Thu
先日、朝生(朝まで生テレビ)の録画を見ていたら、とんでもないものが映ってました!


→ 映画「アシュラ」公式サイト

こんなの作ってたんだ……。先日、「銭ゲバ」がテレビドラマ(→公式サイト)になって、ちょっとびっくりしたのですが、まさか、「アシュラ」がアニメとは……。見たいです!

「アシュラ」の舞台は応仁の乱の時代だったかと思います。ひどい干ばつ、疫病、飢饉で日本は荒れ放題、餓死者で出るありありさまです。一人の女が一人の男の子を出産します。しかし、女は食べていけません。食べなければお乳が出ません……。女は母として生きるために、ついに人間の死骸を口にします。そうしなければ、自分も子どもも死んでしまうのです。空腹が満たされると、人肉を食ったという意識は罪の意識に変わります。しかし、それ以外に食べ物がないとなると、再び禁断の糧を口にすることになります……。それはこの世の地獄でしょう。連載当時、この悲惨な干ばつと飢餓、人肉食のシーンが延々と続き、PTAの抗議によって連載中止に追い込まれたというような話を、単行本のあとがきで読んだことがあります。

そして、その時、作者(映画化された今からみれば原作者なんですけど)のジョージ秋山がしたコメントが、確か、「作品の評価は最後まで読んでからにしてほしい」というようなものだったと思います。はい、おっしゃるとおりです。わたしは作品批判は、実際に見てから、そして、最後まで読んでからというあたりまえの原則を知ったのです。

そんな、ま、思い出のアシュラが見てきました!




映画館のどこにもアシュラのポスターさえありません。子ども向けファミリー映画とか、ミステリー系の邦画とか、007の新作などの派手目な洋画の宣伝パネルはあるものの、「アシュラ」のポスターひとつなし。グッズ売り場にもパンフレットがあるだけど、ピンバッジやストラップみたいなものも全くありませんでした……。地味……。そもそもが1日に1度しか上映しないスケジュールになっているのですから、劇場も期待していないに違いありません。発券カウンターで「アシュラ」と言った時に、売り子のおばちゃんが「おっ」っと言ったくらいですから(笑)

10分前に客席についたときにも、他の客は誰もいませんでした。ま、わたしも満員になるとは思っていませんでしたが、まさか、日曜に見に行って貸切状態は想像していなかったので、思わず引きました。ところが、わずか10分の間に、意外に次々とお客さんが現れました。マンガ「アシュラ」をリアルタイムで知っている世代は、たぶん40代以上だろうと思うのですが、意外に高校生やどうかすると中学生かと思われる女子もいました。簡単に言うと、20~30代の客はほとんどいませんでした。もっとも、ざっと見渡して20人前後、おそらく30人はいないだろうという感じでした。それでも、正直こんなに「アシュラ」を見る若いアニメファンがいるのは驚きでした。オリジナルを知ってる世代はそれなりにいるだろうとは思っていましたが。

では、映画の感想です。

「アシュラ」ってこういう話だったのだって、よくわかりました。最近読み直してないので分析的には書けないのですが、コミックスの三分の二くらいのところで終わってしまったという印象です。しかしながら、「アシュラ」のエッセンスってのはよく伝わっていたと思います。

怖さと悲しさと辛さと切なさと、哀しさと優しさ……それはよく伝わってきました。生き地獄のような世界に生まれて、マンガアシュラの主人公は「生まれこない方がよかったのに」と度々繰り返していたのを思い出しました。大人でさえ生きていけないような過酷な干ばつの世界。その中では、家族でさえ売り飛ばし、見捨てなければならない世の中に、アシュラは生まれます。当初は母に愛されますが、母は食うために赤ん坊のアシュラを焼いて食べようとさえします。

人が人たる所以、理性と心を忘れてしまうような世界で、アシュラが生きていくためには当然のように人を殺すことしかありませんでした。とりあえず、今の日本ではそこまでやらなくて生きていけそうではあるが……。しかしながら、心を殺すようなことはいくらでもありそうです。お互いか傷つけ合わねば生き抜いていけないような壮絶な社会があるのかもしれません。ひょっとしてイジメの耐えることのない学校なんて……ところ。

アシュラはまさにそういうサバイバルを生き抜きます。同じような境遇にいながら協力して生きる「サンジョ(字がわからないな)」の子どもたち。そのリーダー七郎は自らの愛と将来の夢、そして仲間の子どもたちを守る責任のうちに苦悩します。また、七郎の恋人で、貧しい父と二人暮らしで最後まで気高くあろうとする娘若狭(わかさ)も、飢餓と愛そして根源的な良心の中で苦しみます。そして、彼らの世界とは無関係に豊かな生活を送る地頭(じとう)。本当は搾取する階級のはずなのですが、まるで無関係であり、生まれつきの贅沢を享受するのが当然のように振る舞っています。

それは、一見現代とは無関係な遠い昔の怖い話のようでありながら、現代のうつし絵です。そんな絶望的な世をアシュラは生き抜くわけです。

しかし、あのラストは……。意外でした。タイトルからしてそもそもが宗教的な匂いがしないでもない。ですから、仏教の考え方が根底にあるとは思いますけれど、ま、特定の宗教というよりはむしろ宗教の力というか、信仰の力というか、心の救済ということがラストにくるのは、価格万能の時代に育ったわたしには正直意外でもありました。大切さはわかるのですけれど。

アニメにというと偏見っぽいですが、アニメになるまでに新しい時代が来ているのかとふっと思いました。

あと、エンディングの「希望」の歌は、とってつけたようだけど、とてもいい!

ところで、シネマトゥデイに、監督の舞台挨拶の記事が載っています。ま、わたしは、原作の一人のファンとして、また、ジョージ秋山の一ファンとしてみたのですが、そんなこととは無関係に、海外のアニメーション映画祭では高評価のようです。

 すでに、世界三大アニメーション映画祭の一つである仏・アヌシー国際アニメーションフェスティバルでは最優秀長編映画賞にノミネートされ、カナダ・モントリオールのファンタジア国際映画祭では観客賞を受賞と評判は上々。歴史あるサンセバスチャンでアニメ作品が上映されるのは異例だが、3回の上映チケットがすべて完売となった。
 → アニメ『アシュラ』が世界から高い評価!人肉を食べた少年が人の心を取り戻す姿に感涙者続出 - シネマトゥデイ

で、さとう監督はこんなふうに語っています。

 「なぜこのようなサバイバルストーリーを描いたのか?」の質問に対し、さとう監督は「日本では昨年、東日本大震災で多くの人が亡くなり、また世界でも同様の不幸が相次いでいる。それを他人事のように見ているのはつらい。なので作り手として、どんな困難があっても強く生きていくという、前向きになれるような作品を描きたかった」と真摯に答えた。

 また、「制作で最も困難だったことは?」という問いには、「ハードな描写を加えることで人の残酷さや心の痛みを表現した。(子どもも観る)アニメーションですから、人間はきれい事だけでは生きていけないということを描くのは、覚悟のいることでした」と苦悩した制作過程を振り返った。
 → アニメ『アシュラ』が世界から高い評価!人肉を食べた少年が人の心を取り戻す姿に感涙者続出 - シネマトゥデイ


 確かに、東日本大震災は壮絶なサバイバルであったと思います。そして、被災しなかった日本人の中には、もちろん救援支援に奔走した人も、いや、今でもそれを続けている人もだろうし、いくらかの一時的な善意や協力で終わってしまった人もいるだろうし、どこか完全な他人事に終わってしまっているのではないかと創造します。そういう意味では、映画「アシュラ」に描かれている、飢饉に苦しみ苦悩する庶民と、平然と楽な生活を続けている支配層という対比は、まさに平成の今の世にあるなと思いますね。

 それだけに、やっぱりエンディングはああいうまとまりでいいの? と思ってしまいます。もちろん十数年の後日談があってアシュラはあそこに行ったのでしょうけれどもね。

★映画「アシュラ」プチリンク集
秋山命氏に聞く「『アシュラ』への思いと、父親としてのジョージ秋山」 | 映画・エンタメガイド インタビュー
アニメ『アシュラ』が世界から高い評価!人肉を食べた少年が人の心を取り戻す姿に感涙者続出 - シネマトゥデイ
映画『アシュラ』 - シネマトゥデイ
発禁の問題作に込められた愛!原作者ジョージ秋山の子息の名はアシュラのものだった - シネマトゥデイ
映画『アシュラ』感想まとめ 2ちゃんねるコメントNEWS/ウェブリブログ

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