David the smart ass心のダイエット!~時には辛口メッセージを~ |
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柳家権太楼独演会を聴く~ハートフルホール
2011-11-14-Mon
名古屋麺の噺をかいたばかりだが、今日(13日)、通りがかった豊川市の葵生庵で八丁味噌カレーをいただいていると、フロアーの一画にどこかで見た、人懐っこい顔の短髪のおっさんが、スーツ姿のビジネスマン風の二人連れとあんみつを食べていた。日曜なのでスーツ姿自体を珍しいが、三人ともスーツではなくて、おっさん一人が小奇麗な薄緑色のセーターなのが、また、アンバランスなので目にとまった。
盗み聴きするつもりななかったが、ときどき勢いのいい言葉が耳に入ってくる。
「作家的には……」
……作家? 地元の作家の研究者かなにかか? 杉浦民平のことをインタビューでもしているのか? 民平なら豊川でなくて、渥美だろうし。それに作家って言っても、小説家とは限らない。たとえば、陶芸家だって作家だろうし……。
「……ゆとりはなく、必死で……」
……おっさんの割に経営者のようなことを言ってるな。私服がスーツにこんなことを言うなんて、何かいっぱしの人なんだ。
「キンバが……」
……キンバ? 金馬? 金馬と言えば……、落語だな……などと思いめぐらすうちに、スーツの若い方が、
「師匠」
と呼びかけた。
思い出した。ああ、権太楼だ。そういえば、独演会があるというポスターを見た記憶があった。

ああ、権太楼だ、権太楼。そうか、権太楼の独演会は今日だったのか……。気になっていたが、行けると思ってなかったので、チェックしてなかったな。気にしていると、「二時半から開場です……」という言葉が耳に入った。ん? 行けるじゃん? 席さえあれば……。わたしはそのまんま車を走らせてホールまで行くと、まだ、わずかながら、切符が残っていた。ラッキー。
久しぶりに聞く生落語~。独演会だが、二人出演する。といっても、ま、一人目は二ツ目の柳家右太楼。落語の若手の普段の生活を枕に、会場を温めていく。ネタは「のめる」という噺だった。だいたいはこんな内容。
→ → 落語のあらすじ辞典 千字寄席:「のめる」
柳家右太楼の話が終わると、いよいよ真打権太楼の登場で、客席からは「待ってました!」の掛け声がとぶ。休憩を挟んで2題。前半は「井戸の茶碗」。あらすじはこんな噺。
→ 落語のあらすじ辞典 千字寄席:「井戸の茶碗(いどのちゃわん)」
ドおもしろい! チラシに「落語界の爆笑派」「寄席の王様」「爆笑王」なんて言葉が並んでいたが、その通り。表情がいい、迫力がある、擬音がおもしろい、身振りが大きく見栄えがする……。たっぷり聴かせてもらった。リンク先の「千字寄席」のページに「正直者同士の意地の張り合い。いい噺です」とあるが、本当にその通り。間に挟まった屑屋がまた、正直者で、おかしいやら、素晴らしいやら。面通しをされる屑屋仲間のゲスカンぶりが、ネットのわが身を見るようで情けない……。
休憩後の後半は、もちろん権太楼で、 「子別れ」の一席。
出てきた権太楼が「もう少しお付き合いを。そんなに心配しなくても短い間ですので大丈夫ですよ」みたいなことを言うと、客席から「たっぷり聴かせて」という声に、会場からも拍手が。普段の寄席ではとりは30分とってあるが、実際は20分。会場の都合とかアルバイトの都合とかあって、延長なんてできない。今日は、何時まで会場が押さえてあったのかはわからないが、1時間近くたっぷりと聴かせてくれた。
「子別れ」は人情噺ってことになるのだろう。権太楼の落語は迫力があって、酔っ払いがいろんな人に絡むところがあるのだが、酔っ払いの役が巧すぎて、恐くて笑う気にならない。前半は爆笑に次ぐ爆笑だったが、後半は、笑いはむしろ味付け程度で、メインは人情噺という気がする。
もっとうまくなったらきっと会場から泣く人が出てくるのではないかと思った。いや、すでに幾人かはホロリといっていたかもしれないなと思うほどだった。
また、権太楼を聴いてみたい……そう思った。
たまたま、昼飯に葵生庵に入って、権太楼を見かけて、独演会を見ちゃった。そんな一日だった。
……、それにしても、貧乏長屋の貧しさを表現するのに、脱北者を持ち出すとは、馬鹿馬鹿しいにもほどがあるって思いながら、くすくす笑えてしかたがなかった。おもしろい!
あっというまの3時間だった……。
盗み聴きするつもりななかったが、ときどき勢いのいい言葉が耳に入ってくる。
「作家的には……」
……作家? 地元の作家の研究者かなにかか? 杉浦民平のことをインタビューでもしているのか? 民平なら豊川でなくて、渥美だろうし。それに作家って言っても、小説家とは限らない。たとえば、陶芸家だって作家だろうし……。
「……ゆとりはなく、必死で……」
……おっさんの割に経営者のようなことを言ってるな。私服がスーツにこんなことを言うなんて、何かいっぱしの人なんだ。
「キンバが……」
……キンバ? 金馬? 金馬と言えば……、落語だな……などと思いめぐらすうちに、スーツの若い方が、
「師匠」
と呼びかけた。
思い出した。ああ、権太楼だ。そういえば、独演会があるというポスターを見た記憶があった。

ああ、権太楼だ、権太楼。そうか、権太楼の独演会は今日だったのか……。気になっていたが、行けると思ってなかったので、チェックしてなかったな。気にしていると、「二時半から開場です……」という言葉が耳に入った。ん? 行けるじゃん? 席さえあれば……。わたしはそのまんま車を走らせてホールまで行くと、まだ、わずかながら、切符が残っていた。ラッキー。
久しぶりに聞く生落語~。独演会だが、二人出演する。といっても、ま、一人目は二ツ目の柳家右太楼。落語の若手の普段の生活を枕に、会場を温めていく。ネタは「のめる」という噺だった。だいたいはこんな内容。
→ → 落語のあらすじ辞典 千字寄席:「のめる」
柳家右太楼の話が終わると、いよいよ真打権太楼の登場で、客席からは「待ってました!」の掛け声がとぶ。休憩を挟んで2題。前半は「井戸の茶碗」。あらすじはこんな噺。
→ 落語のあらすじ辞典 千字寄席:「井戸の茶碗(いどのちゃわん)」
ドおもしろい! チラシに「落語界の爆笑派」「寄席の王様」「爆笑王」なんて言葉が並んでいたが、その通り。表情がいい、迫力がある、擬音がおもしろい、身振りが大きく見栄えがする……。たっぷり聴かせてもらった。リンク先の「千字寄席」のページに「正直者同士の意地の張り合い。いい噺です」とあるが、本当にその通り。間に挟まった屑屋がまた、正直者で、おかしいやら、素晴らしいやら。面通しをされる屑屋仲間のゲスカンぶりが、ネットのわが身を見るようで情けない……。
休憩後の後半は、もちろん権太楼で、 「子別れ」の一席。
出てきた権太楼が「もう少しお付き合いを。そんなに心配しなくても短い間ですので大丈夫ですよ」みたいなことを言うと、客席から「たっぷり聴かせて」という声に、会場からも拍手が。普段の寄席ではとりは30分とってあるが、実際は20分。会場の都合とかアルバイトの都合とかあって、延長なんてできない。今日は、何時まで会場が押さえてあったのかはわからないが、1時間近くたっぷりと聴かせてくれた。
「子別れ」は人情噺ってことになるのだろう。権太楼の落語は迫力があって、酔っ払いがいろんな人に絡むところがあるのだが、酔っ払いの役が巧すぎて、恐くて笑う気にならない。前半は爆笑に次ぐ爆笑だったが、後半は、笑いはむしろ味付け程度で、メインは人情噺という気がする。
もっとうまくなったらきっと会場から泣く人が出てくるのではないかと思った。いや、すでに幾人かはホロリといっていたかもしれないなと思うほどだった。
また、権太楼を聴いてみたい……そう思った。
たまたま、昼飯に葵生庵に入って、権太楼を見かけて、独演会を見ちゃった。そんな一日だった。
……、それにしても、貧乏長屋の貧しさを表現するのに、脱北者を持ち出すとは、馬鹿馬鹿しいにもほどがあるって思いながら、くすくす笑えてしかたがなかった。おもしろい!
あっというまの3時間だった……。
COMMENT
2011-11-14-Mon-16:41
☆話を聞いていたおっさんさん
2011-11-14-Mon-16:48
コメントありがとうございます。
ああ、あんみつでなくて、コーヒーでしたか。よくご存知で……。
パワーあふれるおもしろい会でした。また、行きたいですね。
あ、うちのブログも、ご贔屓に~。
ああ、あんみつでなくて、コーヒーでしたか。よくご存知で……。
パワーあふれるおもしろい会でした。また、行きたいですね。
あ、うちのブログも、ご贔屓に~。
P.S.
2011-11-15-Tue-08:41
それにしても、あれがあんみつでなく、コーヒーだった……なんて、なんと豪華なコーヒーだったんだろ……
……じゃなくて、それと知ってる人って、あの3人以外にどんだけいるんだろ?
……じゃなくて、それと知ってる人って、あの3人以外にどんだけいるんだろ?
2011-11-16-Wed-09:30
突然のコメントをさせていただきます。
すみません。
私 この独演会見に行っていました。
子別れ 私 涙がでてしまいました。
私の斜め前にいた、
女性も目頭を押さえてみえたので、
もしかしたら泣いてみえたのかもしれないです。
勝手で申し訳ないのですが、
私は、
あまり上手にこの独演会のことを紹介できないので、
こちらのページを私のブログに紹介させていただいてしまいました。
問題があるようでしたら、
お知らせくださいね。
すみません。
私 この独演会見に行っていました。
子別れ 私 涙がでてしまいました。
私の斜め前にいた、
女性も目頭を押さえてみえたので、
もしかしたら泣いてみえたのかもしれないです。
勝手で申し訳ないのですが、
私は、
あまり上手にこの独演会のことを紹介できないので、
こちらのページを私のブログに紹介させていただいてしまいました。
問題があるようでしたら、
お知らせくださいね。
☆haumaさん
2011-11-16-Wed-10:11
コメントありがとうございます。
行かれたのですね。すばらしい高座でしたね。よかったです。ブログに書きたくなります。どうぞ、わたしの記事でよかったら紹介してくださってかまいませんよ。
今読み返すと、ああ、「もっとうまくなったら……」なんて書いたのはちょっと失礼だったかもしれないですね。ま、わたしの素朴な感想なんでいいですよ。あの、酔っ払いが迫力があって、ああいうのがいいという人もいらっしゃるだろうし、ちょっとこっちが圧倒されちゃってというのもあって、そのあたりの難しいバランスがどうかなとちょっと思ったりしたもので。
もちろん、きっちり感情移入できて、涙を流された方もいらっしゃったろうとは思います。ま、そのあたりは、男と女の違いもあるかもしれませんね。ご批判があればきちんと受ける覚悟ですので、その点もお気づかいなく、どうぞ~。
紹介していただいたら、どうぞトラックバックでも送ってください。
行かれたのですね。すばらしい高座でしたね。よかったです。ブログに書きたくなります。どうぞ、わたしの記事でよかったら紹介してくださってかまいませんよ。
今読み返すと、ああ、「もっとうまくなったら……」なんて書いたのはちょっと失礼だったかもしれないですね。ま、わたしの素朴な感想なんでいいですよ。あの、酔っ払いが迫力があって、ああいうのがいいという人もいらっしゃるだろうし、ちょっとこっちが圧倒されちゃってというのもあって、そのあたりの難しいバランスがどうかなとちょっと思ったりしたもので。
もちろん、きっちり感情移入できて、涙を流された方もいらっしゃったろうとは思います。ま、そのあたりは、男と女の違いもあるかもしれませんね。ご批判があればきちんと受ける覚悟ですので、その点もお気づかいなく、どうぞ~。
紹介していただいたら、どうぞトラックバックでも送ってください。
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いい高座でしたね。