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「新かな」と「正かな」のはざま~同人誌発刊を記念して原稿公開!

2011-11-03-Thu
本日11月3日は、文学フリマにて、わたしも執筆に参加した「正かな」(歴史的仮名遣い)だけの同人誌、『正かなづかい 理論と実践』が初頒布されます。つまり、今日が発刊日です。発刊を記念して、わたしの原稿を公開しておきますね。
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 → 「文学フリマ」公式ページ


おそらく、「正かな」(旧かなづかい)や「正字」(旧字体)になじんでいない人が読んだとしても、最も抵抗なく読める文章の一つであり、なおかつ、「正かな」によせる人たちの思いの一端が伝わりやすいと、自負しています。

「文学フリマ」に行けなかった人は、発行元のはなごよみでも購入できますので、こちらからどうぞ、注文なさってください。
はなごよみ:刊行物の紹介ページへ
 → 正かな同人誌:「正かなづかい 理論と実践」
 → はなごよみ:注文のページ

では、以下がわたしのエッセイ『「正かな」と「新かな」のはざま』であります。この記事をプライベートモードにして提供していたため、追記部分に、メールでやりとりした推敲の結果が一部残っていてお見苦しいですが、ま、これも記念に残しておきます。では、よろしく。

TTTTTTTTTTTTTTTTTTTTTTTTTTTTTTTTTT


 雑文系のブログを書いてます。中断した時期もありましたが、それなりに続いてます。先日twitterのTLに「正かな同人誌」発刊の計画が流れ、わたしは過去記事の掲載を希望しました。平成十九年六月二日付けの、『【追悼】小西甚一~「古文の読解」』と題した一文です。
 楽屋裏の話ですが、当初は「新かな」の原稿も許容するムードが感じられたのですが、後に「正かな」原稿限定の運びとなり、当該記事を同人誌向けに加筆訂正するのと同時に仮名遣の面からも見直す必要性が生じました。それでできあがったのが本文です。ただし、引用部分(すべて平成十九年六月一日読売新聞のコラム「編集手帳」からの引用)は「新かな」表記を残してあります。

      ◇   ◇   ◇

    【追悼】小西甚一~『古文の読解』

 本日(六月一日)付の読売新聞のコラム「編集手帳」はこんなクイズで始まる。

次の漢字に音読みのふりがなを付けよ。
 「欧」「桜」「押」「横」「翁」…。


う~ん、どんなものか。 「音読み」はみんな同じ「おう」でいいではないかと、ま、多くの人が決めつけがちだが、さほど簡単にはいかないと「編集手帳」は続ける。

お茶の子さいさい、すべて「おう」で満点さ――というのは現代かなづかい(新かな)の場合で、昔の人は大変だった◆歴史的かなづかい(旧かな)では、上から順に、「おう」「あう」「あふ」「わう」「をう」となる。


ああ、なるほど。こんな具合になるんだ~。全く知識がないわけではないが、実際これにはかなり驚いた。「おう」と発音する仮名遣が、むかしはこんなに存在したなんて。
 終戦の翌年、一九四六年(昭和二十一年)十一月、政府は告示により旧かなを新かなに改めた。ま、「おう」の書き方がこんなに存在してはたいへんなので(もちろん「おう」だけの問題ではないのだが)、少しでも発音に近い形に整理する方針となり、仮名遣の見直しが具体化したのだ。しかし、そんな動きに反対する人たちも現れた。ただの利便性だけを追及し、言葉の歴史を軽視した態度に疑問を感じたのだ。
 当たり前だ。例をあげると、「妻」の訓読みは「つま」で、「新妻」「人妻」と書くときは「にいづま」「ひとづま」だが、「稲妻」のときは「いなずま」と書くことになる。なんとも不合理なことだ。では、「妻」の字に「ずま」の読みを認めるのか、いや、そこまでは認めない。あくまで表記の問題である。
 「妻」の訓読みは「つま」しかない。これは「傘」の訓読みが「かさ」であり、「がさ」を認定しないのと同じ理由である。「傘」が「雨傘」のときは「あまがさ」となる。これは国語学的には「連濁(れんだく)」と呼ぶ現象で、わざわざ読み方を認定しないのが普通なのだ。「海原(うなばら)」や「子狐(こぎつね)」などもみな連濁で、珍しいものでもない、いくらでも出てくる。そして、「新妻」も「稲妻」も連濁である。しかし、「にいづま」と「いなずま」と書き分けたのでは、日本語の性質である連濁現象が見えにくくなるではないか。
  そんなお粗末なものだから、認めない人たちが、むしろ有識者の中に少なからず存在した。

旧かなを深く愛惜する人は新かなを使いたくない。なかには、新旧で表記が異なる言葉は用いず、新旧共通の表記となる言葉だけで文章を書く軽業師のような達人もいた


 わたしはこれを読んで驚嘆した。そんなすごい抵抗の仕方を発想する人が実在したのかと。法と個人。「悪法も法である」とソクラテスは毒杯を仰いだ。その態度が必ずしも正しかどうか、抵抗するにしても、あるいは命までなくしてはと躊躇されるが、文章ならそこまではない。不本意ながら「新かな」に妥協した人も少なくあるまい。そんな中で、仮名遣の制約を受けない言葉を選んで文章を書くなんて、なかなかやるではないかと、ま、その着眼点と実力に感動した。そして、それが、先日訃報を新聞で見た小西甚一だと知り、わたしは、また唸ることとなるのである。コラムは続ける。

「いる」(ゐる)も「であろう」(であらう)も「考える」(考へる)も使えない。不自由極まる制約のなかで1冊の本を書き上げた人に、日本文学史の研究者で筑波大の名誉教授、小西甚一さんがいる◆講談社学術文庫に収められた「俳句の世界」は、全編、流れるような筆の運びで、読む人に制約の窮屈さを少しも感じさせない。中国文学者、高島俊男さんの評言を借りれば、「奇跡の名文」である


へえ、そいつはすごい。流石だな。

 振り返ると、小西甚一はわたしの恩人の一人である。少し大げさだが。高校生当時のわたしは、古文が少しもおもしろく感じられず、文法の暗記や語釈が多く興味が持てない状態が続いた。読書は大好きで、小説や物語を読むことは子どものころからクラスで一二の多読に入るはずなのだが、どうも、古典の授業自体が好きになれないままで、苦手の英語がさらに一つ増えたのに近い感覚まで抱いた。そして、英語同様、大学受験に必要なので勉強しなければならないわけだ。
 なんとか投げ出さずにすんだのは、小西甚一の受験参考書「古文の読解」のおかげが大きい。今でもあるかとアマゾンで検索してみると出てこない。検索をしてみると、復刊ドットコムのリストにあるのを見つけた。絶版書をもう一度読みたい人がリクエストしたものだ。単なる古典文法のテキストでも、古文の読解参考書でもない、古文の世界を現代の若者にわかりやすく解説しながら、同時に読解文法のポイントは落とさない。「俳句の世界」とは別の意味で「魔法の一冊」と呼べるかもしれない。
 そんな小西甚一の訃報を聞いた。享年九十一歳。正直なところ、むしろ存命に驚いた。高校時代の参考書の筆者である。自分よりも相当に年上で故人だと勝手な決めつけがなされても、大変失礼な話ではあるが、不自然ではあるまい。
 「編集手帳」の筆者は結ぶ。

「編集手帳」は文字数の制約がきついものだから、どうも言葉足らずになってしまい…と、日ごろ言い訳ばかりの身である。碩学(せきがく)の名文を読み返しては、心ひそかに恥じ入る。


 なかなかどうして、この日の「編集手帳」はすばらしいではないか。今朝、わたしは朝刊を手に「うわ」と吠え、家族に「今日のコラムはぜひ読め」といつにもなく命じたほどである(一応、わたしの家族はわたしの言葉に反応し、読む姿勢を見せてくれるのでありがたい)。

 小西甚一さんのご冥福をお祈りします。ささやかな感謝の気持ちを込めて……。

      ◇   ◇   ◇

 及ばずながら、小西甚一先生の手法に挑戦してみたしだいです。



※「俳句の世界」(小西甚一著 講談社学術文庫)
※「古文の読解」(小西甚一著 ちくま学芸文庫)
※拙ブログ:David the smart ass↓http://smartass.blog10.fc2.com/
※元記事:『【追悼】小西甚一~「古文の読解」』↓http://smartass.blog10.fc2.com/blog-entry-1585.html
※アマゾン↓http://www.amazon.co.jp/
※復刊ドットコム↓http://www.fukkan.com/



LLLLLLLLLLLLLLLLLLLLLLLLLLLL

以上が原稿です。




【同人誌連絡事項やメモ】

見落としはないでしょうか? 

パスワード記事であってもコメントが書けます。

疑問やご指摘、アドバイスがあればコメントに書いていただいて構いません。

その際メルアドなどは投稿に必須ではありません。

よろしくお願いします。

可能なら、俳句の世界と古文の読解の書影(表紙)を入れたいです。引用扱いで問題ないと思いますけど。

あと、URLは他の記事でも書かれる方がいらっしゃれば足並みを揃えますのでね。




蛇足部分(え? 「正かな同人誌」に邪道? とんでもない。「正かな」の知識がなくてはできませんよ。一度お試しあれ。
)を削除。ご指摘いただいた2、3の仮名遣いを訂正しました。あと、書影やURL、段落などの校正。




・さらに加筆訂正。
・タイトルを考えた。
 「新かな」と「正かな」のはざま 
くらいでいけないだろうか。決定した。



編集担当の押井さんからいつくかの指摘があった。
・仮名遣いの「見落とし」が見つかった。表現を見直して対応した。
・質問した「年月の表記」についてはの表記の件、また誤りの訂正をした。
・「鳥肌した」という言葉づかいの件。やめた。
・アマゾンのアソシエイトコードを原稿からはずし、挿絵についてあきらめることとするか。
・URLについて、編集者の意図を汲み対応した。



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