David the smart ass心のダイエット!~時には辛口メッセージを~ |
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変な日本語:「この商品には非時が含まれています」って。
2011-06-08-Wed
先日知人の葬儀告別式に参列することがありました。まだ50歳代でした。死因は癌がリンパ節に転移したとのことでした。手術、放射線、抗癌剤などできる限りの治療を重ね、入退院を繰り返しましたが、とうとう力尽きたという感じです。わたしの父の場合は手術の向かないタイプの肺癌でしたし、心臓と高血圧、動脈硬化などの持病もありましたし、そもそも父は80を過ぎていましたし、何歳になっても死んでいいなんてことはないのですが、それでも、所謂平均寿命を超えていますので、まぁ、持病が多いわりにはよく生き延びたというような言い方もできなくもなかったのですが、50代で鬼籍に入るとは、流石に早い気がします。
ただ、父の一周忌を控えたりしていると、そういう葬儀の辛さ、悲しみもさることながら、ついつい、式場はどんな風だとか、演出はどうだとか、段取りはどうだとか、ま、そういう視点で見てしまうのは、失礼なことかもしれません。別に粗探しをするわけではないのですが、時々、あれ? 変じゃないか? なんて思うところに気づいてしまうのは、悪い趣味です。おまけに、そいつを自慢げにブログの記事に書いたりなんぞするので、手に負えません。相すみません、うちのブログはそういうのをネタにしてますので、引いたらどうぞ、素通りなさってくださいまし~。
さて、前置きが長くなりました。
その知人の葬儀告別式に出席したところ、香典返しの袋をいただきまして、その袋にきちんとした礼状とともに、次のようなフレーズの、葉書サイズのカードを入っていたのです。
これどうですか?
ひと様の葬儀に文句をつけるなんていい趣味ではありません。天に唾する行為でしょう。ですが、どうしても揚げ足とりがしたいことが一つあります。喪主名義で書かれた文章が「この商品には……」って。これはないでしょう。「商品」というのは、市場や店頭、カタログなどに売り買いするのを前提として並んでいるもののことを言います。喪主が、会葬者に渡す香典返しの品物を「この商品には……」ってのはない。あくまで、葬儀屋というかビジネスで葬儀関連品を扱っている側が視点であって、舞台裏の用語です。
葬儀なんて慣れるものではないので、喪主の責任というよりは、この葬儀屋がおかしいんじゃないかなぁと感じました。
しかし、ま、そんなことでわざわざ記事にしません。もう一つ謎の言葉があったのです。
「非時」。「非時が含まれています」って、どういうことですか?
いっしょに参列した友人A(
)と、その「非時」をめぐって、なんとも頓珍漢な話になりました。
:「この『非時』って知ってる? はじめて見たんだけど。」
:「塩がないってことじゃないんですか? お清めの……。」
:「『含まれています』だよ。入ってるってことでしょう?」
:「『非』で含まれてますを打ち消して……」
:「いや……。賞味期限が早いものがあるってことを丁寧に言ってるのかな?」
:「特にそんなものはありませんね。お菓子とか、お茶とか、ゴマとか、海苔とか……」
:「う~む」
と、ま、論より証拠その場で調べればよかったのですが、サボってしまってそのまんまでした。
さて、最近、わたしはyahoo!知恵袋に出入りして、時々回答をつけたりしています。もうずいぶん前の話ですが、知識plusという、同じようなQ&Aサービスがあって、そこでずいぶん楽しく参加していた記憶もありまして、ちと、懐古的な気分でやってるんですが、そこに同じような質問がありました。
あ、そら見ろ、「この商品」でなく「返礼品」と書いてある、こっちのセンスの方が正解なんだと思って、回答を読みましたが、これが、このヤフー知恵袋のレベルの低さを感じさせる……なんていうと回答者に悪いんですが、辞書からコピペしたも同然の回答でした。
この質問に対する回答は、こんな感じです。
間違ってるってわけではありません。
「香典返し」(返礼品)にそういう葉書をわざわざつけるのはどういうことなんでしょうか? 少なくとも、わたしが喪主を勤めた、父の葬儀ではそんなカードはつけませんでした。一連の葬儀の流れの中で、「非時」なんて言葉、出てきませんでした。わたしに落ち度があったのかと思わないでもありません。
やっぱりこれでは見過ごせません。文字通り解釈すれば「返礼品に食事が含まれる」というのです。「非時」が「食事」というのならば、「会葬していただいた方には、非時(食事)を差し上げるのが本来だが、略式で失礼します」ということになりますね。それならば一応納得しますが、別に丁寧な礼状もあるのにわざわざそれを言うのはどういうことなんでしょうか? なんで、わたしは言わなくてもよかったのでしょうか?
そこで、最近リニューアルなった、「人力検索はてな」に質問をあげることにしました。なにせ、リニューアルキャンペーン期間中に質問など登録すると MacBook Air がもらえる(当たれば)らしいし~。(※キャンペーンは~6月12日)
わたしの質問はこちらです。
→ 人力検索はてな:「「この商品には非時が含まれています 喪主」についての質問です。」
現在1名の方の回答を得ていて、それで相当すっきりしています。この回答によれば、「三重県の松阪市に「非時料」という風習があって、非時料をなくした代わりにこの挨拶状をいれることとなった」ということのようです。実際は、回答で紹介されていたこちらのブログの記事が詳しいです。
→ 松阪ウォーカー:「非時料」
知恵袋の回答のように、なるほど「非時」の本来の意味は「会葬者に出す食事」という意味かもしれませんが、松阪ウォーカーでは「非時料」というものがあって、ご近所に配っていたのが本来だと書いてあります。それは、熨斗袋のような封筒に「非時料」と表書きして、裏面に故人の名前や年齢、通夜と葬儀の日時などを書き、葬儀の通知状として近所に配るというものでした。近所というのは、うちのエリアでは「組」ということになりますね。
わたしの「組」では、葬儀ホールや便利な仕出し弁当がなかったころ、葬儀は近所の人というか「組」の人が手伝いに来て、自宅を式場にしてとり行い、隣の家で炊き出しをして、喪主の家族や親戚、そして自分たちも頂きました。まさに「非時(会葬者の食事)」の場があったわけです。この時、非時(食事)を作るのは手伝いに来た組の人でも、その材料費は喪主から出ていたわけです。
ところが、松坂ではちょっと違っていて、葬儀の案内というか、近所に渡すという意味では、会葬というよりは、お手伝いの依頼のためだったと思うのですが、「非時料」というのを配っていたのですね。同封のお金は「食事代」というふうに考えれば、辞書の説明にも合致します。本来はご近所にしか渡さなかったが、次第に、会葬者への食事代、遠方からの参列者への車代のような意味合いが加わり、全ての会葬者に香典返しと一緒に渡すという形式になっていったと説明されています。
松坂以外にもそういうことがあるかもしれないので、回答を締め切らないでもう少し待つことにしますが、南東のでしょう、葬儀ホールも葬儀社もこんなにビジネスになってなくて、ご近所の人が仕事を休んで葬儀一般をとりしきっていた時代のしきたりが元になっているということは言えそうです。今では、通信手段も交通手段も発達しています。多くの人が葬儀の手伝いのために仕事を休まなくても、金さえ出せば葬儀をいくらでも取り仕切ってくれるビジネスがなりたっています。そうして、もう必要はなくなったようなものにも目をつけて、こういういわれがありますとか、ああいうしきたりがありますなどと言って、ちゃっかり、オプションを増やしていくって感じさえします。
結婚式でもよく似たことを感じるのですが、そういうビジネス的な葬儀が見直されて、個性的でさっぱりとした葬儀が今後増えていくのではないかと思います。少子高齢社会は、不況も加わって、葬儀の曲がり角だと思いますね。
ただ、父の一周忌を控えたりしていると、そういう葬儀の辛さ、悲しみもさることながら、ついつい、式場はどんな風だとか、演出はどうだとか、段取りはどうだとか、ま、そういう視点で見てしまうのは、失礼なことかもしれません。別に粗探しをするわけではないのですが、時々、あれ? 変じゃないか? なんて思うところに気づいてしまうのは、悪い趣味です。おまけに、そいつを自慢げにブログの記事に書いたりなんぞするので、手に負えません。相すみません、うちのブログはそういうのをネタにしてますので、引いたらどうぞ、素通りなさってくださいまし~。
さて、前置きが長くなりました。
その知人の葬儀告別式に出席したところ、香典返しの袋をいただきまして、その袋にきちんとした礼状とともに、次のようなフレーズの、葉書サイズのカードを入っていたのです。
この商品には
非時が含まれています 喪主
これどうですか?
ひと様の葬儀に文句をつけるなんていい趣味ではありません。天に唾する行為でしょう。ですが、どうしても揚げ足とりがしたいことが一つあります。喪主名義で書かれた文章が「この商品には……」って。これはないでしょう。「商品」というのは、市場や店頭、カタログなどに売り買いするのを前提として並んでいるもののことを言います。喪主が、会葬者に渡す香典返しの品物を「この商品には……」ってのはない。あくまで、葬儀屋というかビジネスで葬儀関連品を扱っている側が視点であって、舞台裏の用語です。
葬儀なんて慣れるものではないので、喪主の責任というよりは、この葬儀屋がおかしいんじゃないかなぁと感じました。
しかし、ま、そんなことでわざわざ記事にしません。もう一つ謎の言葉があったのです。
「非時」。「非時が含まれています」って、どういうことですか?
いっしょに参列した友人A(








と、ま、論より証拠その場で調べればよかったのですが、サボってしまってそのまんまでした。
さて、最近、わたしはyahoo!知恵袋に出入りして、時々回答をつけたりしています。もうずいぶん前の話ですが、知識plusという、同じようなQ&Aサービスがあって、そこでずいぶん楽しく参加していた記憶もありまして、ちと、懐古的な気分でやってるんですが、そこに同じような質問がありました。
御会葬のお礼(香典返し)にカードがついていて「この返礼品にはお非時が含まれております」と書かれていました。この「お非時」というのはどういう意味なんでしょうか?初めて聞いた言葉ですが葬祭以外でも使うことはありますか?
→ yahoo知恵袋:「御会葬のお礼(香典返し)にカードがついていて「この返礼品にはお非時が含まれて...」
あ、そら見ろ、「この商品」でなく「返礼品」と書いてある、こっちのセンスの方が正解なんだと思って、回答を読みましたが、これが、このヤフー知恵袋のレベルの低さを感じさせる……なんていうと回答者に悪いんですが、辞書からコピペしたも同然の回答でした。
この質問に対する回答は、こんな感じです。
葬礼以外ではまず使わないでしょうね。
会葬者に出す食事のことを言います。
間違ってるってわけではありません。
仏教関係の用語で、「会葬者に出す食事」と言ったら、葬儀のときしかほとんど用いないでしょう。言葉的にはそうだろうと思います。だから、間違いではないが、わたしなら納得できません。ひじ1 【非時】
〔専門〕 仏
[1] 戒律によって僧が食事をとるべきではないと定められた正午過ぎから翌朝までの間。また、その時間に食事をとること。また、その食事。非時食(ひじじき)。非食(ひじき)。
⇔斎(とき)
[2] 会葬者に出す食事。しのぎ。
→ yahoo!辞書:「非時」(「大辞林」)
「香典返し」(返礼品)にそういう葉書をわざわざつけるのはどういうことなんでしょうか? 少なくとも、わたしが喪主を勤めた、父の葬儀ではそんなカードはつけませんでした。一連の葬儀の流れの中で、「非時」なんて言葉、出てきませんでした。わたしに落ち度があったのかと思わないでもありません。
やっぱりこれでは見過ごせません。文字通り解釈すれば「返礼品に食事が含まれる」というのです。「非時」が「食事」というのならば、「会葬していただいた方には、非時(食事)を差し上げるのが本来だが、略式で失礼します」ということになりますね。それならば一応納得しますが、別に丁寧な礼状もあるのにわざわざそれを言うのはどういうことなんでしょうか? なんで、わたしは言わなくてもよかったのでしょうか?
そこで、最近リニューアルなった、「人力検索はてな」に質問をあげることにしました。なにせ、リニューアルキャンペーン期間中に質問など登録すると MacBook Air がもらえる(当たれば)らしいし~。(※キャンペーンは~6月12日)
わたしの質問はこちらです。
→ 人力検索はてな:「「この商品には非時が含まれています 喪主」についての質問です。」
現在1名の方の回答を得ていて、それで相当すっきりしています。この回答によれば、「三重県の松阪市に「非時料」という風習があって、非時料をなくした代わりにこの挨拶状をいれることとなった」ということのようです。実際は、回答で紹介されていたこちらのブログの記事が詳しいです。
→ 松阪ウォーカー:「非時料」
知恵袋の回答のように、なるほど「非時」の本来の意味は「会葬者に出す食事」という意味かもしれませんが、松阪ウォーカーでは「非時料」というものがあって、ご近所に配っていたのが本来だと書いてあります。それは、熨斗袋のような封筒に「非時料」と表書きして、裏面に故人の名前や年齢、通夜と葬儀の日時などを書き、葬儀の通知状として近所に配るというものでした。近所というのは、うちのエリアでは「組」ということになりますね。
わたしの「組」では、葬儀ホールや便利な仕出し弁当がなかったころ、葬儀は近所の人というか「組」の人が手伝いに来て、自宅を式場にしてとり行い、隣の家で炊き出しをして、喪主の家族や親戚、そして自分たちも頂きました。まさに「非時(会葬者の食事)」の場があったわけです。この時、非時(食事)を作るのは手伝いに来た組の人でも、その材料費は喪主から出ていたわけです。
ところが、松坂ではちょっと違っていて、葬儀の案内というか、近所に渡すという意味では、会葬というよりは、お手伝いの依頼のためだったと思うのですが、「非時料」というのを配っていたのですね。同封のお金は「食事代」というふうに考えれば、辞書の説明にも合致します。本来はご近所にしか渡さなかったが、次第に、会葬者への食事代、遠方からの参列者への車代のような意味合いが加わり、全ての会葬者に香典返しと一緒に渡すという形式になっていったと説明されています。
松坂以外にもそういうことがあるかもしれないので、回答を締め切らないでもう少し待つことにしますが、南東のでしょう、葬儀ホールも葬儀社もこんなにビジネスになってなくて、ご近所の人が仕事を休んで葬儀一般をとりしきっていた時代のしきたりが元になっているということは言えそうです。今では、通信手段も交通手段も発達しています。多くの人が葬儀の手伝いのために仕事を休まなくても、金さえ出せば葬儀をいくらでも取り仕切ってくれるビジネスがなりたっています。そうして、もう必要はなくなったようなものにも目をつけて、こういういわれがありますとか、ああいうしきたりがありますなどと言って、ちゃっかり、オプションを増やしていくって感じさえします。
結婚式でもよく似たことを感じるのですが、そういうビジネス的な葬儀が見直されて、個性的でさっぱりとした葬儀が今後増えていくのではないかと思います。少子高齢社会は、不況も加わって、葬儀の曲がり角だと思いますね。
COMMENT
非時について
2011-06-30-Thu-16:33
☆しんさん
2011-06-30-Thu-18:10
はじめまして
情報ありがとうございます。伊勢ですか。同じ三重ですね。
「代非時」ということは、非時に代えるということですね。本文の例は「非時を含む」だったのですが。
こういうのって、どういういわれやしきたりがあるのかわからないので、なかなかすっぱりと切り替えられず、形式ばかりが残るのですね。ま、文化の継承という点では全く無意味ということはないのでしょうが。
情報ありがとうございます。伊勢ですか。同じ三重ですね。
「代非時」ということは、非時に代えるということですね。本文の例は「非時を含む」だったのですが。
こういうのって、どういういわれやしきたりがあるのかわからないので、なかなかすっぱりと切り替えられず、形式ばかりが残るのですね。ま、文化の継承という点では全く無意味ということはないのでしょうが。
2011-07-05-Tue-23:26
ステキな情報ありがとうございました。
また覗かせて頂きますね(*^.^*)
また覗かせて頂きますね(*^.^*)
☆1meさん
2011-07-06-Wed-00:05
ん?
この記事が素敵な情報でしたか~? そですか?
この記事が素敵な情報でしたか~? そですか?
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たまたま見させてもらいました。
私が働く伊勢市では,≪代非時≫といって香典のお返しの商品として改葬者にお渡ししますが、意味としてはその場返し(つまり香典¥3000~5000位のかたはそのお返しをもって終わりですと言う意味で使っています。)
なにやら、余計意味不明ではありますが・・・
詳しく知りたいのであればまたメールください^^でわでわ