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映画:「イズ・エー [is A.] 」~DVDで

2009-10-13-Tue
この映画知りませんでした。

どこかでとりあげられてましたかしらん。2004年モントリオール国際映画祭正式出品作品だそうです。それがどういう意味があるだか、わたしは知りませんけれど。

少年法・少年犯罪が大きな話題になってました。重大事件を起こした犯人が少年法に守られて、わずかな刑期期間で更生したとされ、社会に復帰する……。果たしてそれでいいのだろうか? 被害者やその家族には、なんの救いの時もこない。命を奪われ直接の被害者は、言うまでもなく無念だが、残された家族は、その被害者を忘れずに愛し続けることこそが冥福を祈り、鎮魂につながると信じつつ、逆に、いつまでも、その残虐な死をひきずって生きていかねばならないという矛盾。加害者の少年には更生の道が残されようと、被害者や被害者の家族は、大きすぎる心の傷と、怨念と絶望と復讐心と悲哀と、そうした闇を抱えて生きなければならないこともあるのですね。

何人の被害者が出たのか忘れましたが、20人近くはなくなったと思う、渋谷のレストランの爆弾事件。その犯人少年Aを小栗旬が演じます。更生を信る少年Aの父(内藤剛志)。そのレストランで、ひさびさの家族団欒の時を過ごしていて、事件に巻き込まれ、愛する家族を失った刑事を津田寛治。メインはこの三人のドラマです。三者三様の苦悩と虚無、絶望が描かれます。

救いようのない現実の重み、真面目な大人たちが次々と壊れていくのに、現実からはじき出されたように、加害者の少年は、妙に軽く、薄っぺらで、虚無的です。人間味が全く感じられない、生きている実感が持てない、そうしたふわふわとした人生を、僕たちは(とここでは一人称で書いておきますね)知らず知らずに歩いているように感じますね。それは、デートクラブ嬢うさぎ(水川あさみ)も、少年Aのともだちのカツジも同じなんです。

生きているという実感というか手触りみたいなもの、どうしたらそれを感じることができるのか、たぶん、それは、「愛」によって感じるのが、一番幸福だと思います。自分は誰でもいい、誰かに愛されている、誰かを愛しているという実感ですね。しかし、それが得られないとき、残念ながら「愛」以外のもので、その生きてるという実感というか手触りみたいなものを感じるしかなくなるということでしょう。

時に、それは、復讐心であり、憎悪であり、あるいは性的快楽であり、破壊によって得られる達成感なのかもしれません。痛みやピアシング(→過去記事「蛇にピアス」)などもそうした、生きてる証や生きてる実感を得る手がかりになるのかもしれません。

少年犯罪は、あるいはそうした、未熟さゆえのリアル感の欠如から起きるものだから、厳罰にせず、更生させその後の人生にチャンスを与える……という少年法の精神は、たぶん間違ってないと思うのですが、ほんじゃぁ、被害者や被害者の家族は、ただ、顔の見えない少年Aに一方的にやられたというだけで、その突然の言われない不幸を、どう処理して、どう生きていったらいいのか、何もなかったように、生きられるはずがないのに……。ってなことを考えさせる映画でした。

わたしは、こういう、現代社会のどうしようもない闇を描く作品は、けっこう好きで、わたしにとっては、いい映画です。ただ、一言言えば、臭かろうとなんだろうと、何か希望を与えて終わって欲しいんです。それが、映画だと思います。

それと、津田寛治がとてもよかったので、ご本人はどう思ってるか知りませんが、わたしは津田寛治の代表作だと思います。


※映画の記事が続きますが、まだ、書きたい作品があります。

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