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映画:「劔岳 点の記」~劇場で

2009-06-28-Sun
地図。日本地図。子どもの頃からあるのが当たり前でした。地球儀だってありました。ナビはまだありませんでしたが……。現代人にとって、それはあるのが当たり前ですが、自然にあったものを誰かが発見したわけではありません。誰かが作ったのですね。「作った」というか、描いたですよね。あの日本地図を。あの海岸線や川の形を、そして、山の高さや等高線を……。どうやって?

映画:「劔岳 点の記」は、明治末、全国唯一の未踏峰(「まだ誰も山頂に達した者がない」という意味です)の劔岳(つるぎだけ)に実際に登り、測量に使うポイント(「三角点」と呼ぶようです。副題になっている「点の記」の「点」はこの三角点のことを言っています)を設置し、日本の地図を完成させるのに命がけの活躍をしたチームの話です。


 → 公式サイト

地図の完成には陸軍のメンツがかかっていました。日露戦争に大勝利を収めた後で、日本の地図に計測記録のない白紙のエリアがあるのは、国際的にも恥だというのです。実際、過去にたびたび劔岳に調査隊を送りながら頂上に到達できませんでした。中には命を落としてしまった隊もありました。それほど、危険な山です。地元では「立山信仰(たてやましんこう)」というのがあって、立山は「神の山」と崇められているのに対して、劔岳は逆に「死の山」と恐れられているほどだったのです。陸軍がそう毎度毎度失敗するわけにはいかないのです。

もう一つ、陸軍が後には引けない理由がありました。それは、アマチュア登山家たちが最近めざましく進歩している西洋式の登山技術や道具などを輸入して、日本各地の困難な登頂に成功し、前人未踏峰の劔岳については、陸軍よりも先に征服すると息巻いているからです。マスコミは陸軍対アマチュア登山家という感じで書き立てます。また、日本の登山技術は陸軍式だとプライドをもっている陸軍はどうしても負けるわけにはいかなったのです(今なら官民の協力というか、産官学の協力というか、そういう感じになったのかもしれませんが、日露戦争に勝って意気が上がっているときです。西洋の技術の素人になんぞ、負けるわけにはいかないのですね。

安全なところならばともかく、危険な環境でレースをやるのは得てして不幸な結末につながりかねません。画竜点睛を欠く状態の日本地図に、まさに龍の瞳を入れるべく、芝崎たちは任に着くのです。

しかし、陸軍のプライドは余分で邪魔もののような形で描かれますが、測量スタッフも、登山応援を頼まれた地元の村人たちも、そしてアマチュア登山家も、誰でもプライドを持っていることには間違いありません。自分たちは安全な部屋の机の前にいて、理不尽で無理な欲求を上からぶつけてくるだけの軍の幹部たちのプライドは醜いものですが、危険を覚悟で劔岳に挑んでいる男たちのプライドは決して陳腐ではありません。むしろ、任務に関しての誠実さ、家族や仲間への信頼とそれに応える責任感、そして、この一点に自身の存在証明を託しているかのようで、それは快く感じます。

映画:「劔岳 点の記」は劔岳登山を巡る、人間たちのプライドの戦いであり、信念、家族愛、仲間への信頼、そして人間愛、自然愛のドラマです。点の記録を残そうとする人間たちが主人公であると同時に、四季折々の過酷で美しい自然を画面いっぱいにさらしている劔岳そのものが主人公でもあります。ぜひ、スクリーンでどうぞ!

映画館の心地よい椅子に居ながらにして、はるかな劔岳やその周辺の山々に何度も登山して、その美しさと恐ろしさを十分に味わったという感じになる作品です。トリッキーで派手なシーンはなく、むしろ淡々と、対峙する自然と人間とを映し出しているという感じで、なんというか、こしらえものでない静かな感動を覚えました。いい映画です。

ただ、一点。ちょっと映画中気になって仕方がなかったのは、役者全員が「天幕」を「てんまく」と読んでいったことです。個人的は「テント」だろうと思うのですが、帰ってからネットで調べてみると、「てんまく」という読みがあり、「てんまくけむし(天幕毛虫)」という虫までいて、「天幕」が「てんまく」であっては誤りだということはできないのですが、この時代の人は全員が「てんまく」と呼んでいたのだろうかと気になってしかたがありませんでした。

ちなみに、検索したら、こんなぺージがありました。内容はともかく、PC-VANのログだったのがとっても懐かしく感じられたのでした~。雲散霧消してしまったPCVANの仲間たちも、SIG歴史への招待はこんな形で残っています。珍しいケースですね。
 → SIG歴史への招待



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