David the smart ass心のダイエット!~時には辛口メッセージを~ |
爺さんにケータイを貸して10円もらった話。
2009-05-22-Fri
先日、路傍に倒れていた老人を丸投げした話を書いたのですが、今回は、丸投げではありません。
あれは、もう10日ほど前の、5月上旬とは言え、真夏のように暑い日の午後のことでした。その日は休日で、クルマでコンビニに寄ったときのことです。小腹が空いたので、フランクフルトでも食べようかと思ったのです。わたしがドアを開けて店内に入ると、続いて、この暑いのにスーツを来た、70を過ぎた老人が入ってきて、大きい声で言いました。
:「すみません、この辺りに公衆電話ありませんかぁ」
片手に手土産らしい紙袋を提げ、ハンカチで顔の汗を拭いています。店員はレジの対応の手を一瞬止めて、老人の方を見たかと思うと「ありませんね」と一言答えて、自分の仕事に戻ってしまいました。
このときの店員の対応を、わたしは見ていて、ちょっと不親切だと感じました。この老人
は、この炎天下に法事かなにかのために歩いてやってきたのです。わたしが駐車する時に歩道を一人で歩いている姿を見ていたのです。何か連絡をしたいのだが、電話が見つからず、困っているのだろう……。前の話でも書きましたが、離れて暮らしている父が最近とても弱くなり、この年代の男に特に優しくしたい心理状態になっていたのかもしれません。
ただ、この場面で、店員に老人
に優しくゆとりを持って対応するのを求めるのは、いささか酷な話だとも思いました。まず、目の前にお客が並んでいます。急いでいる人もいるかもしれません。サービスを受けるなら並んで待つのは、この老人
にとってはわかりにくいかもしれませんが、現代人の一種のルールなのでしょうから。そして、もう一つ。わたしは老人
が炎天下を歩いて来たこと、つまり、老人
がおかれている大変さ(言ってみれば「困り度」みたいなもの)をそれなりに理解していたのですが、店員は快適な店内で目の前の仕事に追われていて、外の暑さを実感できないし、老人
が徒歩で来たことを想像する余裕もなかったと思います。だから、ちょっと不親切とは思いましたが、店員を責めることはできないと感じました。
「ない」という素っ気無い返事に老人
は、そのままま入ってきたドアから出て行ってしまいました。これだけのことがわかったわたしが、この老人を助けない手はない……。わたしは瞬間的にそう思いました。老人
を追いかけて店を出ました。老人
は、トラックでも2~3台は駐められそうな、この辺りには比較的広い駐車場を横切って、また、この炎天下を公衆電話を求めて歩いて行こうとしています。
:「ちょっと。もしもし、ちょっと」
やや人見知り傾向にあるわたしは、こういうときに、「お爺さん」とか呼びかけることに慣れていません。
:「……」
老人
は不思議そうに振り返りました。後で考えれば、「今電話をお探しでしたね」くらいつけて、「お困りでしょう、見てましたよ」くらいの前置きをしたらよかったのですね。そういうことがとっさに頭に回らなくて、いきなり用件をいってしまいまいた。
:「よければ、僕のケータイを使いませんか?」
でも、老人
には、説明なしでも状況は理解できたと思います。
:「お。貸してくれる?」
:「はい。番号を教えてくれたら僕が掛けますよ」
は手帳を出し、番号を調べてわたしに告げました。わたしはその番号をプッシュすると、「今、呼び出していますから……」と言って、老人
にわたしのケータイを手渡しました。老人
は「道に迷ったから迎えに来て欲しい」ということを告げていました。場所を特定するのに、近くの信号機の名称と、コンビニの名前を教えてあげると、それをそのまんま相手先に告げ、用は足りたようでした。
:「ありがとう。これ」
電話が終わると、老人は10円を取り出して、わたしにくれました。
:「え。別にいいですよ……」
:「でも」
確かにそうです。わたしは親切で電話を貸したのですから別にいいのですが、老人にしたら、公衆電話に払うくらいの対価はわたしに払ってもいいと思ったのでしょう。
:「じゃ、いただきますね」
わたしは10円を受け取りました。
は特別な感謝を示すことなく、そのまんま駐車場を横切ると、目印に告げた信号の方に歩いていきました。わたしはコンビニに戻り、フランクフルトとコカ・コーラzeroを買って、車に戻りました。その時に、まだ、炎天下で信号機の柱に片手でもたせ掛ける立つ老人
のスーツ姿が目に映りました。
年齢とメガネ、頭のハゲ具合は父に似ていましたが、話し方も背格好も全然違っていました。父ならば「ご親切にありがとうね」と人懐っこく笑いながら、「暑くて、電話がなくて困っていたんだ」と言いながら、もっと労ってくれたかもしれないと思いました。
--その後、車を走らせながら、暑い中待っているのなら、お茶の1本も買って水分を採るように言ってあげられるようなゆとりがあったらよかったか、お茶を買って「電話がない?」と尋ねたら店員の対応は変わっていたのか、などと思っていました。
あれは、もう10日ほど前の、5月上旬とは言え、真夏のように暑い日の午後のことでした。その日は休日で、クルマでコンビニに寄ったときのことです。小腹が空いたので、フランクフルトでも食べようかと思ったのです。わたしがドアを開けて店内に入ると、続いて、この暑いのにスーツを来た、70を過ぎた老人が入ってきて、大きい声で言いました。

片手に手土産らしい紙袋を提げ、ハンカチで顔の汗を拭いています。店員はレジの対応の手を一瞬止めて、老人の方を見たかと思うと「ありませんね」と一言答えて、自分の仕事に戻ってしまいました。
このときの店員の対応を、わたしは見ていて、ちょっと不親切だと感じました。この老人

ただ、この場面で、店員に老人





「ない」という素っ気無い返事に老人




やや人見知り傾向にあるわたしは、こういうときに、「お爺さん」とか呼びかけることに慣れていません。

老人


でも、老人







電話が終わると、老人は10円を取り出して、わたしにくれました。


確かにそうです。わたしは親切で電話を貸したのですから別にいいのですが、老人にしたら、公衆電話に払うくらいの対価はわたしに払ってもいいと思ったのでしょう。

わたしは10円を受け取りました。


年齢とメガネ、頭のハゲ具合は父に似ていましたが、話し方も背格好も全然違っていました。父ならば「ご親切にありがとうね」と人懐っこく笑いながら、「暑くて、電話がなくて困っていたんだ」と言いながら、もっと労ってくれたかもしれないと思いました。
--その後、車を走らせながら、暑い中待っているのなら、お茶の1本も買って水分を採るように言ってあげられるようなゆとりがあったらよかったか、お茶を買って「電話がない?」と尋ねたら店員の対応は変わっていたのか、などと思っていました。

COMMENT
ありがとうございます。
2009-05-25-Mon-08:36
☆フクフク丸さん
2009-05-25-Mon-08:53
お久しぶり。
フクフク丸さんがなにか、傷ついて挫けていらっしゃったのですか……。……そいつは似合わない(笑)。
わたしはカッコよくありませんよ。わたしにしたら、「丸投げ」の話も、「携帯で10円」の話も、もう消化不良なんです。「丸投げ」の方はその後どうなったか知りたくてしょうがないし、「携帯で10円」の方は、どういう用件でそこにいて、わたしが助けてどのくらい助かったのかを知りたくてしょうがないのです。
要するに、もの足りなさから書いている……。全然カッコよくなんかありません。
ついでに書くと、「拍手コメント」で「たまにはお父さんに電話して差し上げてネ」というのを、匿名さんにいただいたのが、とってもありがたかったです。
フクフク丸さんがなにか、傷ついて挫けていらっしゃったのですか……。……そいつは似合わない(笑)。
わたしはカッコよくありませんよ。わたしにしたら、「丸投げ」の話も、「携帯で10円」の話も、もう消化不良なんです。「丸投げ」の方はその後どうなったか知りたくてしょうがないし、「携帯で10円」の方は、どういう用件でそこにいて、わたしが助けてどのくらい助かったのかを知りたくてしょうがないのです。
要するに、もの足りなさから書いている……。全然カッコよくなんかありません。
ついでに書くと、「拍手コメント」で「たまにはお父さんに電話して差し上げてネ」というのを、匿名さんにいただいたのが、とってもありがたかったです。
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「ここで行くべきか、行かざるべきか」
「自分がしなくても誰かがやってくれるだろう」
「やってあげたいけど、これが精一杯」
いろんな選択肢があると思います。
出人さん、めっちゃカッコいいです!
ちょっといろんなことがあって、挫けてました。
やる気が出ました。ありがとうございます。