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今年の漢字「変」はブロガーが選んだものと同じ。
2008-12-12-Fri
今年の世相を表す漢字一字が、漢字の日の今日(いい字一字で12月12日)、清水寺で発表されました。
記事にもありますが、株価暴落や円高ドル安など金融情勢の変動、異物混入に代表される食の安全性に対する意識の変化、日本の首相や米大統領の交代など、政治的な変革などが理由などとあります。「ノーベル賞受賞や北京五輪など、日本人の活躍に良い変化があった」というようなことも書かれていますけれど、やっぱり地球温暖化の影響か異常気象というか気象の異変もあって、わたしにはいい意味ではあまり受け取られませんでした。
今年は過去最多の11万1208通の応募がありって、「変」は6031票(5・42%)で1位。続いて「金」「落」「食」「乱」などが多かったということですが、選ばれた「変」は先日発表になった、ブロガーが選ぶ今年の漢字と同じ結果でした。
→ 過去記事:「「ブロガーが考える今年の漢字」は「変」~ブロガーイベント」
同じように書道によって、大きく表されたのですが、実際の字体はちょっと違ってました。
そうです。今日の発表の写真(下)は「変」なのに対して、上の写真(先日の「ブロガー……」)は「變」、旧字体です。どっちがいいとかいうこともないのでしょうけれど、「變」と書いた書道家の森大衛はブログ「書道家 森大衛の“書道神経を磨け”」の中で、
そこで、「變」の字義について、ちょっと調べてみます。
「變」の上半分は「糸」と「言」と「糸」からなっています。「糸言糸」ですね。これは、「恋」の旧字体「戀」や「野蛮」の「蛮」の旧字体「蠻」も同じです。「痙攣(けいれん)」の「攣」にも使われています。また、「湾」の旧字体も「灣」で「糸言糸」が一部と使われているのです。「攣」を除いては、新字体の採用の時に画数を減らした簡易な字体になったというわけです。
では、この「糸言糸」はどういう意味なのでしょう。組み合わせているもので、「もつれた糸」と「言葉ではっきりと言う」ということの組み合わせで、「もつれた糸にけじめをつけようとしても容易に分けられないこと」、「容易で言葉では断ち切れない様子」を表しているようです。「恋」はそういう心だし、「痙攣」の「攣」は「絡んで引きつっているような手」ということなのでありましょう。
また「變」の下半分「夂」は「足」を表しています。それも着実に歩むような力強い足ではなくて、ひきずって歩くような、所謂「足ずり」です。「憂鬱」の「憂」にも「恋愛」の「愛」にも、辛さやせつなさから足をずるほど悄然としているという様子がうかがえるわけです。
「變」は、そうした「はっきりと断ち切ることができず、絡み合って引きつっている」という意味と、「重い気分、辛い気分で足取りが上手く進まず、足を引きずっている」という意味とが重なり合ってできている字ということのようです。そういわれると、今年一年の世相を表す字として、いかにもピッタリという感じがしますね。
◆参考
・語句楽散歩ブログ:「糸言糸」
・漢字質問箱:「愛 恋」
書きたいことは書きましたが、上記の新聞記事に過去の「今年の漢字」も載ってましたので、参考までに引用しておきます。
平成20年の世相を表す漢字は「変」-。日本漢字能力検定協会が公募で選ぶ「今年の漢字」に「変」が選ばれ、12日、京都市東山区の清水寺で、森清範貫主が縦約1・5メートル、横約1・3メートルの和紙に文字を大きく揮毫(きごう)した。
→ iza:「今年の漢字は「変」 金融危機、食の安全、日米トップ交代…」
記事にもありますが、株価暴落や円高ドル安など金融情勢の変動、異物混入に代表される食の安全性に対する意識の変化、日本の首相や米大統領の交代など、政治的な変革などが理由などとあります。「ノーベル賞受賞や北京五輪など、日本人の活躍に良い変化があった」というようなことも書かれていますけれど、やっぱり地球温暖化の影響か異常気象というか気象の異変もあって、わたしにはいい意味ではあまり受け取られませんでした。
今年は過去最多の11万1208通の応募がありって、「変」は6031票(5・42%)で1位。続いて「金」「落」「食」「乱」などが多かったということですが、選ばれた「変」は先日発表になった、ブロガーが選ぶ今年の漢字と同じ結果でした。
→ 過去記事:「「ブロガーが考える今年の漢字」は「変」~ブロガーイベント」
同じように書道によって、大きく表されたのですが、実際の字体はちょっと違ってました。
▲ブロガーが選んだ「今年の漢字」の発表写真(シブヤ経済新聞より)
▲日本漢字検定協会が公募して選んだ「今年の漢字」の発表写真(時事通信より)
そうです。今日の発表の写真(下)は「変」なのに対して、上の写真(先日の「ブロガー……」)は「變」、旧字体です。どっちがいいとかいうこともないのでしょうけれど、「變」と書いた書道家の森大衛はブログ「書道家 森大衛の“書道神経を磨け”」の中で、
と書いています(→「變(変)」)。どっちがより変なのかはわかりませんが、旧字の「變」の方が本来の形ですので、そもそもの字義をよく表しているということは確かでしょう。「変」と書こうか「變」と書こうか悩んだ森大衛ですが、
「変」っぽいのは「變」だろうと「變」と書きました。
そこで、「變」の字義について、ちょっと調べてみます。
「變」の上半分は「糸」と「言」と「糸」からなっています。「糸言糸」ですね。これは、「恋」の旧字体「戀」や「野蛮」の「蛮」の旧字体「蠻」も同じです。「痙攣(けいれん)」の「攣」にも使われています。また、「湾」の旧字体も「灣」で「糸言糸」が一部と使われているのです。「攣」を除いては、新字体の採用の時に画数を減らした簡易な字体になったというわけです。
では、この「糸言糸」はどういう意味なのでしょう。組み合わせているもので、「もつれた糸」と「言葉ではっきりと言う」ということの組み合わせで、「もつれた糸にけじめをつけようとしても容易に分けられないこと」、「容易で言葉では断ち切れない様子」を表しているようです。「恋」はそういう心だし、「痙攣」の「攣」は「絡んで引きつっているような手」ということなのでありましょう。
また「變」の下半分「夂」は「足」を表しています。それも着実に歩むような力強い足ではなくて、ひきずって歩くような、所謂「足ずり」です。「憂鬱」の「憂」にも「恋愛」の「愛」にも、辛さやせつなさから足をずるほど悄然としているという様子がうかがえるわけです。
「變」は、そうした「はっきりと断ち切ることができず、絡み合って引きつっている」という意味と、「重い気分、辛い気分で足取りが上手く進まず、足を引きずっている」という意味とが重なり合ってできている字ということのようです。そういわれると、今年一年の世相を表す字として、いかにもピッタリという感じがしますね。
◆参考
・語句楽散歩ブログ:「糸言糸」
・漢字質問箱:「愛 恋」
書きたいことは書きましたが、上記の新聞記事に過去の「今年の漢字」も載ってましたので、参考までに引用しておきます。
いい意味の字というのは「金」「帰」「虎」(いい意味の字とは言えないが悪い意味ではないと思うので)「愛」「命」で、一応3分の1くらいはあるんですね。1995年 「震」/1996年 「食」/1997年 「倒」/1998年 「毒」/1999年 「末」/2000年 「金」/2001年 「戦」/2002年 「帰」/2003年 「虎」/2004年 「災」/2005年 「愛」/2006年 「命」/2007年 「偽」

COMMENT
「変」
2008-12-14-Sun-09:15
☆sugarさん
2008-12-15-Mon-10:06
おはようございます。
ま、日本漢字検定協会ですから、現在の公式の字体でというで新字体と思います。以前どこかで、「恋」の旧字体の上部(「糸言糸」)がや「痙攣」の「攣」や「變」と同じ、心が震える感じなんて言ったような覚えがあるのですが、ちょっとロマンを感じますね。
来年の感じは「恋」にならないでしょうかねぇ~
ま、日本漢字検定協会ですから、現在の公式の字体でというで新字体と思います。以前どこかで、「恋」の旧字体の上部(「糸言糸」)がや「痙攣」の「攣」や「變」と同じ、心が震える感じなんて言ったような覚えがあるのですが、ちょっとロマンを感じますね。
来年の感じは「恋」にならないでしょうかねぇ~

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誰にでも分かる・新聞などの活字メディアで紹介しやすい・というような理由から新字体だったのかもしれませんね。
「はっきりと断ち切ることができず、絡み合って引きつっている」
世相もそうなら、自分自身の状態もまさにこれで、私の今年の漢字もまた、「變」ということになりそうです。