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「検閲」~映画「コドモのコドモ」で秋田県が……。

2008-09-29-Mon
映画「コドモのコドモ」は昨日(9/27)、予定通りに公開を迎え、主演の甘利はるな、麻生久美子、谷村美月、萩生田宏治監督による舞台挨拶が行われたようです。
 → CInemaCafe.net:「甘利はるなの言葉に奥田民生感激! 麻生久美子はDSで子供たちに完敗!

記事にはいろいろと書かれていますが、公開まで来たのですからよかったというべきでしょう。わたしのブログ記事にも執拗な公開反対意見が書かれたくらいでして、ネットでもちろん多くの公開反対の書き込みがあっただろうと思います。そして、その流れと思うのですが、匿名の手紙2通によって、秋田県ではとんでもないことが起ころうとしていました。秋田県による検閲です。

 → 「高評価のファンタジー作品だけど 小5妊娠映画に「検閲」」(2008年9月19日(金)0時0分配信 AERA)

記事によると、7月下旬に「小学生の子どもが県内のスーパーのトイレで出産する場面があるらしい」「県に上映禁止や年齢制限などの措置を求めたい」というような内容の匿名のメールが来ていたようです。この、2通の匿名メールに反応し、県は映画配給会社に対して、8月上旬の時点で、ビデオかDVDを送るよう文書で要請したということです。

「県青少年の健全育成と環境浄化に関する条例」が定める「有害興行」に該当するおそれがあり、「県の審議会にかけるかどうかを、まず我々が常識で審査する必要がある」(福原秀就県民文化政策課長)というのが理由だった。

県の立場をおさらいします。映画「コドモのコドモ」が条例に定める「有害興行」に該当するおそれがあったので下調しておきたかったということでしょうか。下調べというのは、メールだけではわからないので、正式に審議会に諮るかどうかを、実際見て確かめておきたかったということなのでしょうね。「見てから決めよう→送ってもらおう」というのは、伝聞だけで決めてしまうことよりは、それなりに誠実な態度だとは言えますけどね。

ただ、ここで「検閲」が問題になってきます。一般的に「公権力が外に発表されるべき思想の内容をあらかじめ審査し、不適当と認めるときは、その発表を禁止する行為(→はてなキーワード)」 を言います。これは、憲法21条で禁止されています。判例の中では

行政権が主体となって、思想内容等の表現物を対象とし、その全部又は一部の発表を目的として、対象とされる一定の表現物につき網羅的一般的に、発表前にその内容を審査した上、不適当と認められるものの発表を禁止すること

となっています。

「発表を禁止する」ところまではいかなかったのですが、「県が、公開前に作品を提出させる」というのは、それに製作側が応じたか、結果がセーフだったか、アウトだったかに関わらず、違憲行為である検閲(をしようとした)ということになるでしょう。AERAは有識者の声を載せています。

秋田県がしたことは、実質的な事前検閲。こうした無造作な動きが、表現活動をどんどん制限していく

というのは、服部孝章立教大教授(メディア法)の言葉であり、右崎正博獨協大法科大学院教授(憲法)は

行政は公開された作品に対して事後的に対応するのが原則。条例に定めがない今回の行為は、表現の自由において致命的

と述べています。憲法をおさらいしておきましょう。憲法第12条です。

 第12条 この憲法が国民に保障する自由及び権利は、国民の不断の努力によつて、これを保持しなければならない。又、国民は、これを濫用してはならないのであつて、常に公共の福祉のためにこれを利用する責任を負ふ。

わたしたちは、「表現の自由」という権利について、努力して保持していかねばならないと同時に、濫用してはいけないのです。濫用は規制を生み、それこそ検閲まがいのことが行われかねなくなります。

「コドモのコドモ」が、小学5年生が妊娠し、出産し、育児もするという設定で、どんな映画になっているかとても心配という声が、ネットにもたくさんありました。わたしのブログのコメント欄にも繰り返し投稿されました(その大多数は同一の方でしたけれど)。配給会社や上映予定の映画館、そして、能代市にも公開前から、さまざまな形での働きかけがあったようです。

こういう人たちが意見を言うことももちろん表現の自由ですので、構わないと思います。心配だったらそういう意見をぶつける自由はあるはずです(ただ、「児童ポルノだ」というような、事実を捻じ曲げてのまでの否定までやたらめったらするというのはひどかった。当時こちらはまだ見てないので的確に反論できませんでしたけれど、無事公開されたところを見ると、デタラメを強弁していたようにも受け取られます)。ただ、県が適切に応えて切れてないんですね。

映画業界の自主規制機関である映倫管理委員会(映倫)は、年齢制限の必要がない「一般」作品に分類。県は直接映倫に問い合わせ、そのことを確認している。さらに、ロケ協力者としてすでに試写を見ていた能代市職員にも電話をし、メールで指摘された場面が実際にはないことも聞いていた。

ここまでの情報があるのでしたら、「映倫もOK出してるし、すでに試写を見てる能代市職員も確認してる」という、まさにおなじみのお役所的な対応で充分だったはずで、いったい、何がどう作用してこんなことになったのか、不思議というか謎です。

迷惑な映画を作ってくれたものだ……と担当者は思っているかもしれませんけれど、こんな形で問題提起をすることになるとは、製作者サイドも想定外だったと思うのですが、どうなんでしょう。


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