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小説:「アルジャーノンに花束を」感想もしくは読書感想文の書き方

2008-08-28-Thu
オリンピックも終わり、9月も間近です。うちのブログにも「読書感想文」をキーワードにして飛んでいらっしゃる方が幾人もいらっしゃいます。

読書感想文というのは思えば非常にすばらしいものです。本を選び、本を読み、感じたことや考えることを文章にまとめる--この過程はすばらしいものですね。しかし、今時、なんで読書限定なんでしょうか。観劇もあれば、映画もあるし、テレビドラマも、アニメも、いや、スポーツだって、ほら、感動のオリンピックがあった夏ではありませんか。この時代にどうして読書なのかと、宿題を出す側も、感想文を書かされる側も考えてみたらいいと思いますね。

ひょっとして読書感想文のことで悩み、今、このページにたどり着いた方へ、アドバイスというか、こんなふうに書いてみたらどうでしょうという提案です。

たとえば、そうですねオリンピックでも(映画でも、アニメでも、テレビゲームでも)、題材はなんでもいいのですが、この夏、自分が一番熱中したことについて、もう、書き出しから課題量の半分くらい、いや、それではちょっと多いと思うので、3分の1くらいまで、そのことを書くわけです。ここでは、オリンピックをテレビで見まくったことを書く。好きな種目でも、柔道が残念でも、ソフトがすごいでも……。とにかく、おもしろいと思うこと、すごいと思ったこと、素敵だと感じたこと、疑問に思ったことをなんでも書くんです。そして、課題量の3分の1くらい(3枚なら1枚くらい、5枚なら1枚半~2枚以内くらい)でやめます。

で、ここで一端やめて、本屋に行く。あるいは、公立図書館や学校の図書室に行く。今まで自分が話題にしていたことに関する本を探してきて読みます。書いてきたことに一番ぴったりくるような内容の本を選ぶんです。そして、それを読んでください。全部読めばそれはすばらしいでしょうが、半分くらい、いや、何章かあるうちの1章を読んだだけでも、自分がすでに書いている内容に関わるところが見つかるかもしれません。少なくとも、その部分は一生懸命読みましょう。目次を繰って、関係のある章だけでもいいでしょう。

そして、感想文の後半を書くのです。後半部分の書き出しはこうです。「そんなこを考えていたわたしは、読書感想文に、○○の書いた「××物語」を選んだ。この中の、第◎章 「□□って素敵」はわたしの考えていたことにぴったりだ……」っとして、あとは読んで感じたことを書いていけばいいです。びっくりしたところを抜き出してもいい--全部自分の言葉でなくて、本文を抜き出し(引用ですね)てもいいのですよ。本ではこうだった、知らなかったとか、思ったとおりだったとか書いてすすめていきます。

そして、最後にまとめをできるといいと思います。まとめは、残り4分の1くらいのところでします。前半で書いた点について、本ではこんなふうなっていたくらいを、ポイントをついて振り返ればいいのです。

この手法のメリットは、

1)書き手の生きた体験が書かれていて、本を選ぶ動機に直結している。
2)前半部分を好きなことで埋められるので、速く、また、抵抗感なく書ける。
3)感心のある本を選んでいるので、読むのに抵抗がないどころか、興味深く読める。
 (もしくは関連部分だけを集中的に読むこともできる)
4)すでに、課題量を3分の1書いているので、実際の感想は少なくてすむ。
5)動機付け、読書感想、まとめという、序破急三段構成が自然にできる。

などがあげられます。こんなサイト読んで丸写しするより、ずっといいです(丸写しでなく適当にリライトすることを推奨しているようですけれど……)。

さて、以下実例……というわけにはいきませんが、観劇記事→読書体験→読書感想記事という、まさにこの手法どおりに展開しています~(笑)。

わたしは、観劇の市民サークルに入っています。先日観劇会は劇団昴の「アルジャーノンに花束を」をでした。それを記事にした時に、「ぜひ、原作も~」とスゥ。さんに勧められて、読むことにしました。

家族に聞くと「あるから、貸してあげる」と言われたのはラッキーでした。
 → 過去記事:「観劇:「アルジャーノンに花束を」~劇団昴公演

※ちなみに過去記事とここまでが、第1の部分に該当するわけです。
 
アルジャーノンに花束を (ダニエル・キイス文庫)
ダニエル キイス
早川書房
売り上げランキング: 2008
おすすめ度の平均: 4.5
4 知は力、しかし、いつかは衰え、死んでゆく。アルジャーノンのように。
4 花束を
5 人として
5 検討
5 号泣しました


もちろん、芝居と小説は違っていました。小説を舞台にするというのは、こういう工夫が必要なんだということがよくわかりました。小説は主人公アルジャーノンの一人称で書かれています。というか、そもそも小説ではなくて、チャーリーの日誌(「経過報告書」という一種のレポートですので、日記と言うよりも日誌の方が近いでしょう)を読んでいくという形になります。経過報告という体裁をとっている小説ですね。

30代の愚鈍な青年チャーリーは手術によって、IQ70だった知能が改善され、どんどん進歩してIQ170の天才になってしまいます。その結果、いろんなことが見えてくるわけです。養護施設の先生が、子どもから見た大人、怖い先生的な存在だったのに対して、恋愛の対象になっていきます。雇ってもらっていたパン屋の仲間たちが、自分を守ってくれる大切な友だちだと思っていたのが、都合よくあしらい、からかっていた(同時に愛してくれてもいたのですが)ということに気づきます。そして、なによりおもしろいのは、自分に手術をしてくれた博士たちよりも、知識が豊富になって、自分がどういう理論にもとづいて手術をされ、現在どういう実験段階であるかも理解し、さらに、その理論や手法に対する疑問点についても知るようになってしまうのです。

先日まで、神にも等しい先生や、職場のいい仲間や、治療してくれた科学者たちよりも、利口になってしまうことで、人間関係まで壊れていく……、そんな体験をチャーリーはするわけですね。そして、クライマックスを迎えます。

ブログの記事にはネタバレを書きたくないのですが、読書感想文としてはネタバレはありなのですね。前の観劇記事にわたしはこのように書きました。

このことにチャーリーが気づくのはクライマックスにさしかかった場面です。チャーリーの最大の理解者であり、教師であり、恋人でもあるきキリアンが「追い出してよ。あなたの中からその子どもの部分を追い出してよ」というようなことを叫ぶところがあります。そう泣きながらすがりつかれて、「わかった、そうだったんだ!」と叫びます。何が、あそこでわかったのか……。わたしにはなかなかわからなかったんです。その後の芝居を見ていても、キリアンの言葉と何がどう結びついてくるのかもなかなかわからなかったのですが、寝ようと布団に入ってちょっとわかったと思いました。

それが、知性だけでは追いつかない情緒的発達というか(むしろ「未発達」というか)、トラウマの存在とか、その克服みたいなものなのかと思います。アキバの事件以来ちょっと気にしている「インナーマザー」というような言葉を思いついたりしながら、この作品の主題の一つには知性と情緒の発達のバランスということだろうと、ま、思います。

芝居と小説と比べて、どちらも、同じようにチャーリーは大事なことに気づくのですが、芝居ではキリアンにこんなふうに直接言われたときに気づいてますが、小説はそうではありません。自分でふっと気づきます。芝居の中から読み取れた、「知性だけでは追いつかない情緒的発達というか(むしろ「未発達」というか)、トラウマの存在とか、その克服みたいなもの」というようなことではなくて(こういう解釈もありうると思います。現代的ですし。)、キースが書きたかったのは、「変えようにもおいそれとは変えられない存在がある」ということだと思います。それは、幼児期に植えつけられてしまったもので、「トラウマ」もその一つではあるのでしょうが、それはトラウマだけではなくて、強い愛情による結びつきもそうでしょうし、信頼関係や、恐怖なんかもそうなんだと思いますが、ようするに、そうしたものすべてで人の精神はできているとういことになってくるんです。つまり、チャーリーが気づいたのは、そもそも知能なんてのは、その人の全人的な人格からすれば、ごく一部でしかないということなんです

たしかに知能は高い方がいいでしょうし、生きていくには学歴がものを言うことがあります。でもそれがすべてではないのです。知能だけでなく、心の面、身体の面、そうしたバランスが大切という平凡でありながらもおろそかにされがちな結論にたどりつくのですね。

久しぶりに読んだ長めの小説でした。ジャンルで言えばこんなものもSF小説になるんじゃないでしょうか。SFの何が悪い? おもしろかったですよ。



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COMMENT



読書感想文!

2008-08-29-Fri-12:22
 なつかしいです。
 「あとがき」だけ読んで読書感想文書いて、賞状をもらったりしていた嫌なガキでした(笑)。

 
 ・・・出人さん。
 愛知県が大雨で水浸しになっているニュースを見ました。
 心配です。
 こんな時に何をどう表現したら良いのか分からないのですが、心配です。
 あれだけの映像を見た後で「無事」なんて言葉を使うのもはばかられますが、被害が最小限で済みますようお祈り申し上げます。

☆フクフク丸さん

2008-08-29-Fri-12:31
こんにちわ~

お見舞いありがとうございます。

ニュースでは、日ごろ通ったり、あるいはそうでなくても、見覚えがあるようなところを見ましたけれども、幸いなことに、わたしの近所では大きな被害はありません。もっとも、直接に被害はなくても、仕事柄影響を受けているとうい人や、電車の不通などでとんだ目にあってる人はたくさんいるでしょうけれども。

わたしも、冠水した道路を走ったり、夜、わけもなく喜んで道一杯に飛び跳ねているカエルたちを、否応もなくクルマでひき殺したりしました……。パン、パンとカエルが破裂する音を聞くのは泣きそうで、だってしかたないじゃん、しかたないじゃんと叫びながら、一人ハンドルを握っていました。泣きそうでした……。

まだ、明日朝までは降るということで、悠長なことをいっていられるのは今のうちかもしれませんが。今のところ、大丈夫です。

2008-08-29-Fri-17:02
 あぁ良かった。
 良かった。

 カエルの群れ、轢いた事あります。私も・・・
 嫌ですよね~あと、バッタの群れとかも

 引き続き警戒が必要とのこと、ご注意ください。

豪雨お見舞い申し上げます。

2008-08-30-Sat-08:32

面白く読まれたようでオススメした甲斐がありました~

手術で急激に賢くなる設定はSFでも貧乏でカツカツの生活をしていた芸人やバンドマンが急に売れ出して収入が友達を何倍も引き離して上回り結果みたくないものを見てしまう…とかなら充分に有りそうな話。

そんな時も出人サンも感想にあるように“幼児期に植えつけられてしまった(略)強い愛情による結びつき(略)信頼関係”は残ると聞きます。
“変えようにもおいそれとは変えられない存在”大切にしたいものです。

さて今朝は大阪も大層な降りです。
折角の休日も被災の片付けに追われる岡崎方面の人たちの映像をニュースで見ました。

まだ出人サンの近くは大丈夫でしょうか?
云われるまでもないことだろうと分かっていますが…
ご用心なすって下さいませ。

☆フクフク丸さん

2008-08-30-Sat-09:25
おはようございます。

カエルの群れは、実際涙がにじみました。殺すつもりもないのに殺す、それも大量に……。気分のいいものではありません。止まって道を変えるくらいのゆとりがあったらよかったのかもしれませんね。

また、振り出しました。雨。

☆スゥ。さん

2008-08-30-Sat-09:40
おはようございます。

「まだ大丈夫?」の「まだ」に妙な響きを感じますが(笑)、ま、大丈夫です。洪水、冠水は低いところ、土砂災害は川沿い、高台、崖近く等々立地条件も関係するのでしょうし、そういう意味では、心配しておりません。

ただ、土、日はいいのですが、ウィークデーだと通勤が大変です。いつまで振るのでしょうか。また、カエルたちの挙動も気になるところです。

>“変えようにもおいそれとは変えられない存在”大切にしたいものです
このニュアンスは微妙です。親としては、あるいは、大人としては子どもに対してそういうことを踏まえて、愛情深く、慎重に関わることが大切なんですね。

子どもとしては、大人の立場や大人の理屈がわからないので、一方的に理不尽な叱り方をされることがあるのです。チャーリーは妹の件で、わけもわからずキツく怒られました。それが、妹への愛情からくる母としては全く正当な感情であっても、幼いチャーリーには理解できず、心の中では大きなトラウマとなって残っているのです。

序文だったかな、ダニエル・キイス自身が「わたしがチャーリーだったのです」と書いてますが、たぶん、みんながそれぞれチャーリーなんだと思います。それを自覚できたら、あるいは次に進めるのでしょうか。

2010-07-30-Fri-17:49
いつも楽しく観ております。
また遊びにきます。
ありがとうございます。

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