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西尾の岩瀬文庫に落書きがあった件~愛知

2008-03-21-Fri
愛知県の西尾市に岩瀬文庫ってのがあります。簡単に言うと100年間続いている(私設)図書館なんですけれど、実際「私設」であったのは100年のうちのおよそ前半でして、1955年(昭和30年)に西尾市が蔵書を全て購入、また、建物や土地は「寄贈」と言う形式で移管されて、現在では西尾市の施設なんですね。
 → 西尾市岩瀬文庫の公式ページ

「私設」とういのはどういうことかというと、西尾市の実業家岩瀬弥助(いわせやすけ)が、本を通した社会貢献を志し て創設した岩瀬文庫のページ)ということなんです。「個人でコレクションしたい」というのではなくて、「社会貢献を志して」なんて、現代人が言おうものなら、売名行為と叩かれかねないフレーズですね。いや言葉がわるいのでなくて、すぐにそんな言葉を連想するわたしの品性が下劣なのでありましょう。しかし、もちろん岩瀬弥助は違います。本物です。

文庫設立の構想を持ち始めたのは、明治36年の頃と推定されています。一説では、数え年42歳の男の厄落としのため、私立図書館を設立することで社会に利益を還元し、地域文化の向上に役立ちたい、と思い立ったことが動機だといわれています。当時の日本では、日清日露戦争後の富国強兵政策、地方改良運動もあって、各地で公私立図書館の設立ラッシュが起こっていましたが、西尾ではなかなか町立図書館は実現しませんでした。学校教育にも多大な関心を寄せる弥助が独力で図書館を作ろうと考えたのはこんな理由もあったのでしょう。

 非常な愛書家でもある弥助にはすでに多くの蔵書があったと思われますが、こうして本格的な図書の収集が開始され、この頃のお金で毎月200円から300円ほどが当てられました。その多くは京都や東京の古書店を通じて購入したもので、貴覯本(珍しくて貴重な本)から近代の実用書まで、幅広い分野の本を集めました。
   → 同ページ


こういう経緯もあって所謂古書や貴覯本(きこうぼん)も収蔵していましてこちらのページに代表的なものがあげられているのですが、Wikipedia(岩瀬文庫)にもこんなリストが載ってます。

主な収蔵品
・後奈良天皇宸翰『般若心経』 - 国の重要文化財。
・『本草図説』 - 江戸時代の高木春山の自筆による彩色の博物図鑑195冊。
・『本草図譜』 - 江戸時代の岩崎潅園による彩色の植物図鑑の一部。
・柳原文庫本 - 京都の柳原伯爵家の旧蔵本1900点で、『枕草子』の写本などがある。
・寺津八幡書庫本 - 寺津八幡社の神官で国学者だった渡辺政香が書写、収集した寺津八幡書庫の旧蔵本。
・羽田文庫本 - 渡辺政香と交友のあった豊橋の羽田八幡宮の神官・羽田野敬雄が創設した羽田文庫の一部。

こう並べられても、わたしにもはっきりとした価値はわかりませんが、図書館というよりも、ちょっと博物館みたいな感じもするのですね。実際、昨年末(2007年12月7日)には博物館法に基づく博物館として登録を受けて、古書ミュージアムとしての一面も持つ、非常にすばらしい施設なんです。

岩瀬弥助も岩瀬文庫も、まさに、市民の誇り、県民の誇りではないですか。すばらしい。現在の活発な愛知の礎は、いや日本の発展は、まさにこの岩瀬弥助に代表されるような情熱というか、高い精神性によって支えられ、導かれてきたのだと思います。

ところが……、この記事です。

文化財に落書き 誰だ!/西尾の「岩瀬文庫書庫」(3/19)
18日午前8時45分ごろ、愛知県西尾市亀沢町の国の登録有形文化財「岩瀬文庫書庫」の壁面などに、落書きされているのを職員が見つけ、県警西尾署に届けた。

同署の調べでは、同書庫に3か所、隣接した同文庫収蔵庫と市立図書館の壁に計43か所にわたって、スプレーのようなもので落書きされていた。
 (以下略)

リンク先にはスプレーによる落書きの写真もあります。別に、ほかなら落書きをしていいとか言うつもりはありません。しかし、岩瀬文庫の設立の経緯や価値などを考えると、この罰当たりがと、思わずいいたくなります。ま、記事には「近くの民家6軒と駐車場の車5台にも、同じような落書きがあった」とあるので、岩瀬文庫の価値を知ってやったのではなくて、ガードしたとか、倉庫壁とか、シャッターとか、わけ隔てなく落書きしたら、岩瀬文庫だったということなんでしょうけれど(もっとも、たとえ文化財と知っていたとしても、お構いなしだったろうと想像します……)。

この件はとても残念なことですが、この際、これをきっかけに、わたしのブログを訪れてくれる人には愛知の岩瀬文庫の存在をしってもらおうと思って、記事にしました。そんな、いたずらされたことを宣伝に逆用する売名的な行為を、岩瀬弥助は怒るかもしれないのだけれど、わたしのブログは、虚虚実実、禍福は糾える縄の如しを旨にやってますので、平気でしてしまいます。

ちょっとした社会見学気分で、西尾市の岩瀬文庫に足を運んでみませんか~。
3月30日までは「こんな本があった!」と称して、「~岩瀬文庫平成悉皆調査中間報告展?~」ってのをやってます。ちなみに、「悉皆(しっかい)」というのは「すっかり、全部、残らず」というような意味でして、「悉皆調査(しっかいちょうさ)」というような用語があるようです。
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岩瀬文庫への交通案内のページ
・地図(MapFanWeb:「岩瀬文庫」


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