David the smart ass

心のダイエット!~時には辛口メッセージを~

スポンサーサイト

-----------
上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

映画:「隠された記憶」~DVD

2008-02-05-Tue
最近DVDレンタル店に行くと「このディスクには日本語吹替版が入っていません」みたいなラベルがあるのが増えているような気がするのですが、そんなことはありませんか? 以前から(テープの時代から)もちろんあったのでしょうけれど、ま、最近目立つなぁと思います。そこまでしていろんな作品を紹介してくれるのはありがたいことだと思いますけれど。

さて、この「隠された記憶」には、そんなラベルが貼られていませんでしたが、どういうわけか、わたしの借りてきたものは日本語モードにできませんでした。こういうときはちと困ります。集中して字幕を追うのは、やはりちと、いろいろ疲れます(特に目が)。特にこの作品は、じっくり見ないとならないような気がしてくるので、よけい(笑)。

隠された記憶
隠された記憶
posted with amazlet on 08.02.05
タキコーポレーション (2006/10/06)
売り上げランキング: 29830
おすすめ度の平均: 3.5
4 面白かったけど
1 監督ありき
5 隠された記憶そして悪意

 → 公式ページ

パッケージに「全世界を震撼させた衝撃のラストシーン」みたいなことが書いてあったのです。「震撼」だったか「驚愕」だったか、「ラストシーン」だったか「ラストカット」だったか忘れましたが、とにかく、「最後のシーンは衝撃的」みたいなことがあったので借りてきました。2006年度のカンヌの監督賞ほか3部門の受賞作でもあるようなので。

ストーリーは大雑把に言えば、夫ジョルジュはテレビの人気キャスター、妻アンは出版関係の編集者かなにかで、ともに、ま、知的で責任ある仕事をして成功しています。息子ピエロは、素直でいい子。ま、そういう平凡というよりは、むしろ、幸福で「勝ち組」の家族なんですが、そこに、いたずらとも思えるあるビデオテープが届きます。

映っているのはある朝のジョルジュの家を前から撮ったシーンです。対面する道路のどこか見通せる位置から、ただずっと、延々2時間あまりに渡って撮り続けているだけのものです。早回ししても特に何もこれというものは映っていなくて、ジョルジュの出勤していく姿が映っています。もちろんそれは一時で、その前後合計2時間余りは、なんの変哲もない普通のどこにでもある街角を映したものと言っても言いすぎではありません。ただ、それが、本人のところに、差出人不明で届けられるから、ちと不気味なんですね。そして、一枚の絵が添えられています。

黒いクレヨンで、幼稚園児が描くような線だけで人の顔が描いてあって、赤いクレヨンで血を吐いているかのように塗りつけられている……。絵は幼稚なタッチの落書き的な絵なのですが、内容的には過激です。警察に行ってもとりあってもらえません。「何か被害があったら言って」と。ま、日本の警察も同じですね。


これだけで場面設定としては充分おもしろいと思いますが、役者の演技というか、監督の演出というのか、字幕なのか気にならないくらい(笑)、見入ってしまいます。おもしろいです。家族の仕事ぶりや生活を描きながら、この気味の悪いテープと落書きはなんだろうという不安を描きながら、また、別のテープが届く。そうして、やがて、ジョルジュは、自分の過去、それも少年時代にあるアルジェリア人の男マジットとかかわったことを思い出すのです。それにはある時テープとともに送られてきた一枚の決定的な絵がその記憶に直結しているわけです。

マジットへの疑惑が一気に膨らみます。犯人はマジットで、成功したジョルジュを妬み、あのときのことをお前は忘れているのかと、一種脅かされているような追いつめられた気持ちになるわけですね。ネタバレの可能性ありたぶん、それがこの邦題の「隠された記憶」ってことなんだと思います。今では成功した男の、過去の、ちょっとした子供じみた素朴な感情からついたウソというか、裏切りというか、罠が、ま、子供じみた素朴な感情からのものだけれど、やられた側には大きな痛手になることがあるというか。いわゆるイジメ問題や「差別」もそんなところがあるかもしれません。無知というか、無邪気というか、素朴というか、その瞬間には別の事情から相手に対して腹を立てたり、妬んだりしたのだけれど、でも相手に向けて責める言葉はその事情ではなくて、最も相手が嫌がる弱点だったりすることもありますよね。また、ほんとうに子どもっぽい無理からぬ衝動からおきた振る舞いが、弱者にとってはたった一筋の光明を奪ってしまうってこともあるわけです。ジョルジュがマジットに過去にしてしまったことはこういう類のことだったわけです。ジョルジュにとっては後味の悪い、ちょっとしたウソが、マジットにとっては一生を左右するようなできごと

そして、おそらくそれが根底にあって、今回の「嫌がらせテープの送付事件」は起きているだろうことは、観客にもわかります。ジョルジュはマジットのアパートを訪ねて行き、マジットと直接対峙しますがマジットは自分がやったとは白状しません。むしろこのことが、もっとジョルジュを驚かせる結果につながっていくわけです。

いろんな要素を絡ませながら、謎が謎を呼ぶ展開になるわけですが、けっきょく、このテープによって、ジョルジュは成功の陰で忘れようとしていたマジットへの仕打ちには向かい合うことになります。たぶん、それがテープ送り主の目的だったんでしょう。今ではテレビで人気キャスターになっている彼に、つまり、社会に対していっぱしの意見が言える立場になったジョルジュにこそ思い出してもらいたいという気持ちだったのだと思います。自らの過去、そうして、謝罪や懺悔を求めたのかもしれません。しかしそうではなくて、あるいは、今の彼の力で、マイノリティを救ってもらいたいというメッセージだったのではないかとも、わたしには思えます。

ジョルジュがそうであったように、軽はずみな言動は予想外の結末を招く場合があります。テープの送り主にしたところで、どこまで計画通りに運ぶのか、それはわかりません。どこまでが意図されたもので、どこが計算違いで、プラスアルファ(マイナスアルファ?)だったのかもわかりません。どちらが主犯格だったのかはわかりませんが、ある二人が関係者で、おそらく協議の上でテープを撮り、テープを送ったのだろうということは、「衝撃のラストシーン」で一応はわかります。

この作品からメッセージがあるとすれば、成功者よ、自分の胸に手を当てて過去を振り返れ。懺悔せよ。そして、その自分の今の力を使って、その償いを社会に対してなせということなのだと解釈したいと思います。けっして、人を呪わば穴二つなんてレベルじゃなくて。

ま、結末のスッキリ感じはありますが、見ていて席を立てなくなる作品です。



にほんブログ村 映画ブログへ

COMMENT



日本語モード

2008-02-05-Tue-19:59
TBありがとう。
吹き替え版の話ですね。
お子様向けの作品や、大衆娯楽モノ以外には、字幕対応だけのものは結構、多いと思います。
吹き替えはコストも時間もかかりますからね。
僕は、いっさい吹き替えは、見ない人です。
なんか、必要以上に、声優のイメージが強くなります。
テレビ連続番組の場合は、逆に、吹き替えのほうが愉しい場合もありますけどね。

☆kimionさん

2008-02-05-Tue-22:19
コメントありがとうございます。

ちと、ベッドルームのテレビが小さく、字幕が読みづらいということもあります。居間のなら気にならないのですけど。

ま、それでも、冬ソナはわたしは吹き替えがよかったなぁ~。

コメントの投稿












※スパム対策のため、半角英数字のみのコメントは禁止設定してあります。
また、半角「-」の5文字以上連続もコメント内に書き込めません。



秘密にする

TRACKBACK

※この記事のトラックバックURL(コピーしてお使い下さい)
  
http://smartass.blog10.fc2.com/tb.php/1924-26acc3a6

※管理人が承認したトラックバックのみ表示します(12時間以内には表示処理をするつもりです)。

mini review 07232「隠された記憶」★★★★★★☆☆☆☆

テレビ局の人気キャスター・ジョルジュは、編集者の妻アンと一人息子ピエロの三人で平穏に暮らしていた。そんなある日、一本のビデオテープと不気味な絵が何者かによって送りつけられる。テープには、ジョルジュの家の前の風景が延々... 続き ヨーロッパ知識人の「罪」
HOME
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。