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心神喪失か心神耗弱かなんてわかりますか?
2007-10-19-Fri
裁判員制度導入に関わる模擬裁判は、今回はこんなケースを扱っています。
そして、続報というか、18日の結果はこんな感じです。
その見極めを、裁判員になると求められちゃうわけですよね。
まず、事件の全体的な理解や、関係する法律、法令などは当然知らねばならないでしょうね。判例なども知らないといけないんでしょうか。そして今回のケースでは、「心神喪失」と「心神耗弱」について知らなければならなくなるのです。心神喪失と心神耗弱の違いってことについて、たとえば、日ごろから身近にそういう人がいらっしゃるような人(たとえばこのブログの方)ならば、あるいはその差異についてはわかるかもしれませんが、そもそもどんな状態をさすのかわからないのですから、たとえば目の前で何人かの実例(芝居でもいい)を見せてもらって、やっとイメージ化できるというくらいではないかと思うのです。
しかし、それだけではダメなんですよ。心神喪失と心神耗弱を理解しただけでは裁判の入り口にさえ立っていないのです。
上で例にあげたこのブログ主の奥さんがそのようなのですが、状態が変化するわけです。心神喪失の状態、心神耗弱の状態、普通の状態と。わたしは専門ではないのですが想像ですが、こういうのって信号機のように、緑、黄色、赤とデジタルな変化ではないと思うんですね。つまり、心神喪失とはっきりといえる状態と心神耗弱といえる状態の間にグレーな状態があると思うんです(というか、そもそも心神喪失とそうでないの間のグレーな状態を「心神耗弱」と言ってるのではないかという気がします(想像です))。
で、このケースの場合では、統合失調症の男がレンタカー会社員を刺殺したその時点で、「心神喪失」であったか、「心神耗弱」であったか、「責任能力を問える状況」であったかということがもっとも大切なんです。アナログに状態が変化するのが前提で、犯行時にどうだったのかってことなんです。で、
無理じゃないでしょうか? 実際のその説明を聞いてないのでわかりませんが、論理的に無理なことを要求されているような気がしてなりません。幾人かの専門家が違う主張をしていることを、なんの専門性もないものが決めるなんて……。それは裁判官だって同じなんでしょうけれど、実際、「なんとなくこっちのような気がする」なんてことで決めるわけにもいかないし……。もしそういうことだと、どっちかわからないから、事件の全体的な構図から見て「被害者の遺族がとっても気の毒だ」とか、「加害者の境遇が同情に値する」だとか、そういう結果の方から遡って「心神候弱にしよう(心神喪失にしよう)」という判断をして、判決、量刑などにつなげるということになりかねませんね。
アメリカの映画などで「評決のとき」なんてのがありまして、フィクションとしてはもちろんいいわけですが、現実的にはどうなのよって思ったりします。
無罪?有罪?
勝ちさえすれば正義という展開にちょっと引くものがあるのですが
正義とは。陪審員制度とは。
ちなみに、19日(今日)、模擬裁判は判決を出すようです。
つまり、「精神鑑定を含むケース」をモデルにしているのですね。模擬裁判で審理されるのは、レンタカー返却を巡るトラブルから統合失調症の男がレンタカー会社員を刺殺した架空の事件。協力企業の女性社員や無職男性ら6人の裁判員が、青柳勤裁判長ら3裁判官と法廷に臨んだ。17日は起訴事実の認否が行われ、被告人質問も予定される。鑑定書が裁判員に配布され、鑑定医の尋問が行われるのは18日。19日午後に判決を言い渡す。
→ <裁判員制度>精神鑑定絡む模擬裁判、東京地裁で始まる
そして、続報というか、18日の結果はこんな感じです。
あ~、それはわかりませんよね。専門用語を避けて証言したといっても、「心神耗弱」自体が専門用語でしょうから。「耗弱」単体ではgoo辞書でヒットせず(MS-IMEでは変換さえしない(笑))、「心神耗弱」は新語としてgoo辞書に載ってます。裁判員制度の実施に向け、精神鑑定をテーマに東京地裁で開かれている模擬裁判は18日、2日目の審理が行われた。この日は、弁護側の請求で精神鑑定を行った鑑定医役として本物の精神科医が証人出廷。精神科医は裁判員に分かるように、専門用語を避けて証言したが、裁判員からは「心神喪失と心神耗弱との違いがよく分からない」との声も出ていた。
→ iza:「やはり分かりにくい」精神鑑定テーマの模擬裁判
心神耗弱 【しんしんこうじゃく】
心神喪失には至らないが,精神機能の障害により行為の是非を判断する能力や行動を制御する能力がいちじるしく減弱した状態。刑法上は刑が減軽され,民法上は準禁治産宣告の原因となる。
→心神喪失
その見極めを、裁判員になると求められちゃうわけですよね。
まず、事件の全体的な理解や、関係する法律、法令などは当然知らねばならないでしょうね。判例なども知らないといけないんでしょうか。そして今回のケースでは、「心神喪失」と「心神耗弱」について知らなければならなくなるのです。心神喪失と心神耗弱の違いってことについて、たとえば、日ごろから身近にそういう人がいらっしゃるような人(たとえばこのブログの方)ならば、あるいはその差異についてはわかるかもしれませんが、そもそもどんな状態をさすのかわからないのですから、たとえば目の前で何人かの実例(芝居でもいい)を見せてもらって、やっとイメージ化できるというくらいではないかと思うのです。
しかし、それだけではダメなんですよ。心神喪失と心神耗弱を理解しただけでは裁判の入り口にさえ立っていないのです。
上で例にあげたこのブログ主の奥さんがそのようなのですが、状態が変化するわけです。心神喪失の状態、心神耗弱の状態、普通の状態と。わたしは専門ではないのですが想像ですが、こういうのって信号機のように、緑、黄色、赤とデジタルな変化ではないと思うんですね。つまり、心神喪失とはっきりといえる状態と心神耗弱といえる状態の間にグレーな状態があると思うんです(というか、そもそも心神喪失とそうでないの間のグレーな状態を「心神耗弱」と言ってるのではないかという気がします(想像です))。
で、このケースの場合では、統合失調症の男がレンタカー会社員を刺殺したその時点で、「心神喪失」であったか、「心神耗弱」であったか、「責任能力を問える状況」であったかということがもっとも大切なんです。アナログに状態が変化するのが前提で、犯行時にどうだったのかってことなんです。で、
というわけで、ま、そこが裁判の重要な争点の一つになってくるので、裁判員がそこを見極めなければならないというわけですね。検察側の捜査段階での簡易鑑定は「責任能力は失われていない」としたが、公判前整理手続きでの精神鑑定は「善悪を判断する力や行動を制御する能力を欠いていた」との結論が出ている。
→ iza:「やはり分かりにくい」精神鑑定テーマの模擬裁判
無理じゃないでしょうか? 実際のその説明を聞いてないのでわかりませんが、論理的に無理なことを要求されているような気がしてなりません。幾人かの専門家が違う主張をしていることを、なんの専門性もないものが決めるなんて……。それは裁判官だって同じなんでしょうけれど、実際、「なんとなくこっちのような気がする」なんてことで決めるわけにもいかないし……。もしそういうことだと、どっちかわからないから、事件の全体的な構図から見て「被害者の遺族がとっても気の毒だ」とか、「加害者の境遇が同情に値する」だとか、そういう結果の方から遡って「心神候弱にしよう(心神喪失にしよう)」という判断をして、判決、量刑などにつなげるということになりかねませんね。
アメリカの映画などで「評決のとき」なんてのがありまして、フィクションとしてはもちろんいいわけですが、現実的にはどうなのよって思ったりします。
日本ヘラルド映画(PCH) (2003/11/19)
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ちなみに、19日(今日)、模擬裁判は判決を出すようです。

COMMENT
2007-10-19-Fri-20:08
☆れっとらかさん
2007-10-19-Fri-21:10
はじめまして。
コメントありがとうございます。
そうですか、意外にデジタルなもんなんですか。
でも、いずれにしても、犯行当時のことが、逮捕後にわかるとは思えないんですけどね。
コメントありがとうございます。
そうですか、意外にデジタルなもんなんですか。
でも、いずれにしても、犯行当時のことが、逮捕後にわかるとは思えないんですけどね。
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参考ですけれど 私の妻の場合は 閾値があって
結構 デジタルに 精神状態が変化している気がします
もちろん アナログな人もいらっしゃると思いますが