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「ピカソ展」に行く~岡崎市美術博物館

2007-09-09-Sun
この9月に始まった、ルートビッヒ美術館コレクション「ピカソ展」に行ってきました。

会場の岡崎市美術博物館はけっこう気に入っています。隣接の恩賜苑という公園も、なかなか落ち着いたムードで散策などに最適です(今回ここでケータイ電話を拾うというアクシデントがありました。岡崎市美術博物館のカウンターに届けておきました。幸か不幸か財布を拾ったときのようなドラマはありませんでした。ちょっと遠回りになったくらい~)。
 → 岡崎市美術博物館のページ

わたしが言うのもなんですが、ピカソってやっぱりうまいんですね(笑) ディテールを本当は気にしているのかもしれないし、細かな絵ももちろん描けるんでしょうけれど、やっぱりピカソのすばらしさは、構図とタッチと色使いなんだと思います。当たり前といえば当たり前ですけど。それが大きな絵になって本当に生きるんだなぁとしみじみと思いました。キュビズム自体がそもそもそうなんでしょうけれど、一枚の絵で、深いというか、多面的というか、重層的というのか、いろいろな表情、いろいろな感情、いろいろな部分を連想させて、それがとってもおもしろいと、しみじみと思いました。

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4 ピカソ初心者はこの本から。


会場のカウンターに置いてある「岡崎市美博ニュース/アルカディア」に「剽窃かオリジナルか」(学芸員千葉真智子)という文章があって、ピカソの作風の変化が「剽窃」という言葉で批判されてきたという紹介があります。「剽窃」とは簡単に言えば「人のものを盗む」ってことで、ピカソはいろんな作家の上っ面をほんとうに器用に真似て、しかも次々と取り入れているといころがあるようなんです。そういう影響関係を確かめられるほどわたしは美術史に関する力はないのですけれど、わかるのは、「ピカソ=キュビズム」なんて具合に一様ではないってことくらいでした。

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今回の「ピカソ展」の目玉というか、代表作としては、チケットやポスターになっていた「帽子をかぶった女の頭部」というのがあったのかもしれません。迫力があったのは「銃士とアモール」で、ずっと目に焼きついたの「緑色のガウンの女」の表情だったりするのですが、わたしが興味深く時間をかけて見たのは「ミノタウルス」のエッチングシリーズと、「牧神の頭部」という版画(リノリウム材を使ったもの)を段階的に並べてあるところでした。ついでに、欲しくなったのは「頬杖ついてる顔の水差し」(陶芸)だったりしました。

「ミノタウルス」のシリーズは解説によるとブルトンのシュールレアリズム関連の書籍(雑誌?)の表紙を飾るために作られた作品群のようです。そもそもミノタウルスの伝説はギリシャ神話にあります。頭が牛で体は人間という怪物です。クレタ島の王ミノスが、ポセイドン(海の神)との約束を果たさなかったことで怒りを買い、ポセイドンは牡牛を使わせてミノスの妻を誘惑させ、ミノタウルスが生まれることになるのですね。

王妃と牡牛とに生まれたハーフです。成長するにしたがって乱暴になったミノタウルスに困り、ミノスは迷宮の奥にミノタウルスを幽閉し、9年毎に7人の少年と7人の少女を生贄として差し出すことにしていたのです。ところが、あるとき、生け贄に紛れていたテセウスによって殺されてしまう
という話です。わたしはこんな話を聞くとひどくミノタウルスに同情的になるのですが、どうもピカソの作品を見ていると、そういう神話的なエピソードとは別に、なにか人間の奥底にある性的なエネルギーやその暴発、そしてそれへの罰というような、所謂「罪の意識」みたいなものさえ感じました。ミノタウルスの中に自分自身を見ているんだろうなと思ってみました。
 → ここにピカソのミノタウルスが貼ってあります。あるいはここで検索して表示できます

もう一つ、「牧神の頭部(→ここ)」というリノカット(→Art Words:「リノカット」)の多色刷りの製作段階を並べて展示してあるコーナーで、日本の浮世絵みたいな多色刷りというのは、色別にすり分けて最後に一枚の絵を作るっていうのは、なんとなくわかるのですが、こいつは、茶色の髪に黒インクで、4回くらい刷っておいて、最後に白インクを刷って完成させるってな手法をとっていて、なんというか天才的な手法というか、やっぱりここでもキュビズム?と思うような感じでした。それと、あと思ったのは、「牧神」って何? ってこと。

よくわからないのですけど、一応、ギリシア神話やローマ神話に出てくる半人半獣の神なんですね(→Wikipedia:「パーン」)ミノタウルスよりもはるかに健康的で、のびのびしたイメージがあるものの、やはりどこかに性的なイメージがするキャラクターなんです。そのにこやかな表情にピカソの自己肯定みたいな一面をみた感じがしました。

けっこうおもしろく、ああ、ピカソってやっぱり上手いんだなってしみじみよくわかります。



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