David the smart ass心のダイエット!~時には辛口メッセージを~ |
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映画:「どろろ」~コロナで
2007-02-16-Fri
もう公開から3週もたとうとしていて、見に行きたい見に行きたいと思いながらも行けずにいました。やっと、なんか行くことができました。
最悪
(映画)観る前に(DVD)見るべき!!
どろろんえん魔くん
ま、いろいろ感想はあります。主題歌はミスチルのあってもいいから、どこかにアニメの「ほげほげほげたら~」も入れて欲しかったかなとか、個人的には「やろうかぁ~ やろうかぁ~」っていう、あの大頭の妖怪(つりがね小僧だったかな?)も出して欲しかったとか(笑)。ま、そういう個人的に思い入れを書けばあるのですよ。ドロロはもうちょっとチビの方がとか、百鬼丸はもっと薄着だとか(笑)。土屋アンナは若すぎるとか~。ちょっと「ベルセルク」のパクリじゃないのか?とか(笑)。
でも、わたしはいい作品だと思いました。「キャシャーン」とか「デビルマン」「キューティ・ハニー」「鉄人28号」など、かつてのアニメを実写で撮るってのがここのところ続いていましたが、わたしは、テーマ的にも、時代的にも、もっとも優れていると思います。原作の「どろろ」にある、親子の葛藤や愛憎も作品の中でよく描けていると思いましたし。
これは、ネタバレというより設定なので書いてもいいと思いますが、百鬼丸(妻夫木)が母の胎内にいるときに、父の醍醐景光(中井貴一)は自らの野望と引き換えに、息子の身体の部分を48箇所を魔物に差し出すことを約束します。ひどい男です。そのとおり器官を失った身体で生まれた男の子を、母は殺すにしのびず川に流します。そして百鬼丸は科学者とも、魔術師とも、つかぬ人に拾われ、代わりの器官を与えられ、育てられます。
百鬼丸が成長するにしたがって、魔物に身体を奪われたらしいことを知り、魔物を倒すと自分の身体の器官が戻ってくることを知るわけです。百鬼丸は魔物を求め、また、どういうわけか魔物も百鬼丸を求めてくるようでさえあります。
以下、ちょっとネタバレします。そんな魔物退治の百鬼丸と、自称天下の大泥棒どろろ(柴咲コウ)が出くわします。どろろはどろぼうだけに、百鬼丸の左手に埋め込まれている刀身(この刀身の名前が実は「百鬼丸」)を狙うという設定になっているのですね。そして、どろろは親を醍醐景光に殺されています。
百鬼丸を我が父の仇の子と知らずに、いっしょに旅をするどろろ。また、百鬼丸は百鬼丸で、父の欲望のために自らの身体が生贄にされたとは知らないわけです。そんな二人が、そびえたつ醍醐の城のある城下町にやってくるわけですね。そしてもちろんクライマックスはこれからです。
もっと、もっとネタバレです。親が自らの欲望のために子どもをなにかに差し出すことって、こんなマンガのように、欲望が天下統一だったり、相手が魔物だったりしたら、ひじょうに珍しいですが、生きるためだったり、よりよく生きるためだったりしたら、それは、昔も今も珍しくないかもしれませんよね。差し出す相手が魔物でなく、工場だったり、塾だったりするだけで。
そんな薄ら寒い指摘をこの作品はしているんだと思いました。もっとネタバレしてます。読んでもかまわない人は、★ ★をドラッグしてください。反転させれば白い字が読めます。★そして、百鬼丸はその事実を知ることになります。自分の身体をこんなにしたのは、父親だったのだと……。そのとき果たして、百鬼丸はどうするのでしょうか。
また、どろろは叫ぶんですね。「もう復讐はあきらめよう。憎しみは捨てよう」って。どろろは自分の親の復讐をあきらめてでも、百鬼丸に親殺しをさせたくなかったのです。★
これは、親によって蝕まれた子どもたちが、親を許し、憎しみを捨て、そうして親を乗り越えて自立していく、そういった、愛憎と許しと勇気のファンタジーなんだと思いました。特撮も意外に良くできていて、妻夫木がカッコよく、柴咲コウもうまいのですが、ま、これはテーマを味わえる、そんな作品にできあがっていると思います。
「親殺し」という意味では「ゲド戦記」もあげられ、あれも現代の少年の抱えている孤独と葛藤みたいなものを描いているようでもあったのですが、わたしは「どろろ」の方を押します。
原作ファン必見
思い出の一品
『重いテーマ』と『可愛らしい主人公』
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ま、いろいろ感想はあります。主題歌はミスチルのあってもいいから、どこかにアニメの「ほげほげほげたら~」も入れて欲しかったかなとか、個人的には「やろうかぁ~ やろうかぁ~」っていう、あの大頭の妖怪(つりがね小僧だったかな?)も出して欲しかったとか(笑)。ま、そういう個人的に思い入れを書けばあるのですよ。ドロロはもうちょっとチビの方がとか、百鬼丸はもっと薄着だとか(笑)。土屋アンナは若すぎるとか~。ちょっと「ベルセルク」のパクリじゃないのか?とか(笑)。
でも、わたしはいい作品だと思いました。「キャシャーン」とか「デビルマン」「キューティ・ハニー」「鉄人28号」など、かつてのアニメを実写で撮るってのがここのところ続いていましたが、わたしは、テーマ的にも、時代的にも、もっとも優れていると思います。原作の「どろろ」にある、親子の葛藤や愛憎も作品の中でよく描けていると思いましたし。
これは、ネタバレというより設定なので書いてもいいと思いますが、百鬼丸(妻夫木)が母の胎内にいるときに、父の醍醐景光(中井貴一)は自らの野望と引き換えに、息子の身体の部分を48箇所を魔物に差し出すことを約束します。ひどい男です。そのとおり器官を失った身体で生まれた男の子を、母は殺すにしのびず川に流します。そして百鬼丸は科学者とも、魔術師とも、つかぬ人に拾われ、代わりの器官を与えられ、育てられます。
百鬼丸が成長するにしたがって、魔物に身体を奪われたらしいことを知り、魔物を倒すと自分の身体の器官が戻ってくることを知るわけです。百鬼丸は魔物を求め、また、どういうわけか魔物も百鬼丸を求めてくるようでさえあります。
以下、ちょっとネタバレします。そんな魔物退治の百鬼丸と、自称天下の大泥棒どろろ(柴咲コウ)が出くわします。どろろはどろぼうだけに、百鬼丸の左手に埋め込まれている刀身(この刀身の名前が実は「百鬼丸」)を狙うという設定になっているのですね。そして、どろろは親を醍醐景光に殺されています。
百鬼丸を我が父の仇の子と知らずに、いっしょに旅をするどろろ。また、百鬼丸は百鬼丸で、父の欲望のために自らの身体が生贄にされたとは知らないわけです。そんな二人が、そびえたつ醍醐の城のある城下町にやってくるわけですね。そしてもちろんクライマックスはこれからです。
もっと、もっとネタバレです。親が自らの欲望のために子どもをなにかに差し出すことって、こんなマンガのように、欲望が天下統一だったり、相手が魔物だったりしたら、ひじょうに珍しいですが、生きるためだったり、よりよく生きるためだったりしたら、それは、昔も今も珍しくないかもしれませんよね。差し出す相手が魔物でなく、工場だったり、塾だったりするだけで。
そんな薄ら寒い指摘をこの作品はしているんだと思いました。もっとネタバレしてます。読んでもかまわない人は、★ ★をドラッグしてください。反転させれば白い字が読めます。★そして、百鬼丸はその事実を知ることになります。自分の身体をこんなにしたのは、父親だったのだと……。そのとき果たして、百鬼丸はどうするのでしょうか。
また、どろろは叫ぶんですね。「もう復讐はあきらめよう。憎しみは捨てよう」って。どろろは自分の親の復讐をあきらめてでも、百鬼丸に親殺しをさせたくなかったのです。★
これは、親によって蝕まれた子どもたちが、親を許し、憎しみを捨て、そうして親を乗り越えて自立していく、そういった、愛憎と許しと勇気のファンタジーなんだと思いました。特撮も意外に良くできていて、妻夫木がカッコよく、柴咲コウもうまいのですが、ま、これはテーマを味わえる、そんな作品にできあがっていると思います。
「親殺し」という意味では「ゲド戦記」もあげられ、あれも現代の少年の抱えている孤独と葛藤みたいなものを描いているようでもあったのですが、わたしは「どろろ」の方を押します。
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COMMENT
2007-02-26-Mon-03:19
☆canさん
2007-02-26-Mon-11:09
コメント、トラバありがごうとございます。
わたしは感じられました。ああそうなんだなって。
現代の親たちと子どもたちの話なんだろうって。
「ゲド戦記」のとき原作者が怒ったようなんですが、
これを手塚が見たらなんというか……、
「特撮以外はこれでいい」じゃないかと思います。
わたしは感じられました。ああそうなんだなって。
現代の親たちと子どもたちの話なんだろうって。
「ゲド戦記」のとき原作者が怒ったようなんですが、
これを手塚が見たらなんというか……、
「特撮以外はこれでいい」じゃないかと思います。
2008-08-07-Thu-01:39
古い記事に今頃のコメントです、こないだ漸く地上波で観たもので。
モノクロのTVマンガの記憶が少しと確かに読んだのにマルッと忘却してる原作、とゆー状況での視聴。
魔物が女に化けて踊る最初の場面で「どこ?日本じゃないの?」と違和感を覚えましたが…(笑)
結論から云うと…イイ!
どろろは子供に演じて貰いたかったけど(柴咲コウをキャスティングした時点で“実は少女”という仕掛けは捨てたのだし)仕方ない。
最近この手の悪役が多い気がする中井貴一は堂々の貫禄だし妻夫木聡は何ヶ所か凄くイイ複雑な表情を見せてサスガと思わせたし柴咲コウの体を張った演技は頑張った感満載でした。
不満だったのは「なぜ母を切った!?」の答がないことカナ?
父子、兄弟の愛憎は伝わってきたけれど母は犬死な気がしました。
戦場に女は要らないっったってチョト酷い~(涙)
モノクロのTVマンガの記憶が少しと確かに読んだのにマルッと忘却してる原作、とゆー状況での視聴。
魔物が女に化けて踊る最初の場面で「どこ?日本じゃないの?」と違和感を覚えましたが…(笑)
結論から云うと…イイ!
どろろは子供に演じて貰いたかったけど(柴咲コウをキャスティングした時点で“実は少女”という仕掛けは捨てたのだし)仕方ない。
最近この手の悪役が多い気がする中井貴一は堂々の貫禄だし妻夫木聡は何ヶ所か凄くイイ複雑な表情を見せてサスガと思わせたし柴咲コウの体を張った演技は頑張った感満載でした。
不満だったのは「なぜ母を切った!?」の答がないことカナ?
父子、兄弟の愛憎は伝わってきたけれど母は犬死な気がしました。
戦場に女は要らないっったってチョト酷い~(涙)
☆スゥ。さん
2008-08-07-Thu-08:42
地上波の「どろろ」見てないので、感想を頼りに思い出してますが、なぜ母を切ったのかは、今ここでは書けません。忘れてますから。
1年半前の映画をこんなにきれいに忘れられて、幸せですわ(笑)
「親殺し」というか、世の中や世間に対する復讐の感情をどう克服するか……、今はそういうテーマの作品がほしいと思います。
1年半前の映画をこんなにきれいに忘れられて、幸せですわ(笑)
「親殺し」というか、世の中や世間に対する復讐の感情をどう克服するか……、今はそういうテーマの作品がほしいと思います。
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どろろ
★★★ なぜ今『どろろ』なんだろう。手塚治虫の原作といえ、もう40年前の少年マンガである。一体誰が観るのだろうか。そう考えながらも、結局何んとなく気になって観てしまった。 ロケ地は、あのロード・オブ・ザ・リングでお馴染みのニュージーランド。出演者の衣装
『どろろ』を観てきました(ネタばれ感想文)
プロフに映画好きと書いてるのに久しぶりにみました(多分デスノ以来)。そして本格的な感想を書くのは多分『ほしのこえ(新海誠さん)』以来ww 最近余りにも忙しくて映画観てなかったからなー、せめて月1で観るというペース
『どろろ』
失われた体と心を取り戻すために、今こそ運命に挑め ■監督 塩田明彦■原作 手塚治虫 ■キャスト 妻夫木聡、柴咲コウ、中井貴一、原田芳雄、中村嘉葎雄、原田美枝子、瑛太、杉本哲太、土屋アンナ、劇団ひとり□オフィシャルサイト 『どろろ』 戦乱の世で天下統
映画:「どろろ」は三部作に~続編決定~
現在公開中で好調の「どろろ」ですが(→関連記事)、続編、続々編の製作が決定したと先日発表されてました。しかも、妻夫木&柴咲コンビの続投で。「どろろ2&3」決定 妻夫木&柴咲コンビ続投 俳優、妻夫木聡(26)と
どろろ
みんながんばってたと思うオフィシャルサイト 妻夫木クンの百鬼丸は期待以上に良かった年齢設定からして、原作(14歳)より大分上、ということもあるけれど、私が頭の中で描いていた百鬼丸より随分クールでオトナ"少年"というより"青年"で、その分父親
"愛憎と許しと勇気のファンタジー"であることだと思うのです
それが、この映画からはあまり感じ取ることができなくて
ずっと違和感を拭うことができませんでした
(醍醐父子の悲劇に重きを置きすぎだったような・・・・・)
私の感性が鈍いのかも