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映画:「海を飛ぶ夢」~DVDで

2007-01-28-Sun
おすすめの映画です。★★★★★

わたしはこの作品と偶然出会いました。そして、びっくりしました。なんだこれはと思いました。

先日「愛の流刑地」を見てきました(→関連記事)。女が男に抱かれながら、「わたしを本当に愛しているなら殺して」と言うのです。自分の愛する人が死を望んだらどうするか? 愛ルケで男は女を殺しました。作家は愛し合った人妻に「本当に愛しているなら殺して」と言われて、夢中で殺してしまい、殺人罪で裁判を受けることになったという映画でした。

で、先日DVDを借りに行ったら、「愛する人が死を望んだら」というようなキャッチコピーのものが見つかったので、ひょっとしたら比較できるのではと思って借りてきたのがこれです。
海を飛ぶ夢
海を飛ぶ夢
posted with amazlet on 07.01.28
ポニーキャニオン (2006/07/19)
売り上げランキング: 10879
おすすめ度の平均: 5.0
5 尊厳とは如何なものか?!
5 人間の尊厳
5 ただ、ただもう、素晴らしい。


全然違ってました! 誤解のないように言いますが、どちらがいいとか悪いとかいうことはありません。わたしは「愛の流刑地」もひじょうに素敵な作品だと思いました。そしてうっすらと涙して見ました。しかし、同時にこの愛はどの程度普遍的に理解されるものだろうと思いました。なるほど、すべての男も女も、一瞬、もしくは、一時期真剣にこの男女のような想いに囚われるかもしれない。しかし、それは一種のパッションであり、それにかくも忠実に実行に移すなどと言うのはフィクションであろうと。

しかし、「海を飛ぶ夢」はそうではありません。その是非はともかくとして、この主人公の思いは愛ルケの男女のものよりもはるかに普遍的に受け入れられ、理解される可能性が高かろうと思いました。もちろん、だからといってこれが正しいかどうかは別の問題なのですけれど。

主人公のラモンは聡明で快活、行動的な男でした。若き日、海の浅瀬に過って飛び込み頸椎を骨折、あやうく一命はとりとめたものの、首から下は全品麻痺という状態になりました。以来20数年、彼は他人の手を借りなければ、それこそ何もできないのです。彼の望みは死でした。自分一人では何もできない。ただ、兄たち家族の庇護の元に、足手まといであることを感じながら生きているわけです。誰かに助けられなければ、与えられた食事を口に運ぶことさえ出来ない。それは彼にとって屈辱でありました。自ら死を望んでも、それを実行することはできないのです。

ラモンの望みは自殺であり、安楽死であり、尊厳死です。それは苦悩からの逃避とか、そういう感じはありません。むしろ、よりよく生きるために彼は死を望んでいるという感じなわけですね。彼が足手まといだと書きましたが、家族から一方的に邪魔者扱いされていたわけではありません。

両親がなくなったあと、彼は兄夫婦の世話になっていたわけですが、時折、夜中に泣くのですね。「俺は死ぬ自由もない。どうして死ねないんだ」って。それを聞いた兄夫婦はその悲しみを理解します。そうして献身的な介護を続けるのですが、やはり人間です。感情が溜まってきます。こちらが介護を一生懸命しているのに、当の本人が「死にたい」などと訴えるのは、介護としてもまさに苦悩でしょう。「馬鹿野郎。俺たち家族はお前の奴隷なんだ。俺の妻はお前の奴隷だ。俺の息子もお前の奴隷だ~」と兄は寝たきりのラモンに怒鳴ってしまいます。憎くて行っているわけではありません。兄も非常にラモンを理解し愛しています。しかし、やはりお互いの感情が絡みあうと、なにかの拍子にそういう言葉をぶつけてしまうわけです。

もう、兄もラモンも若くありませんので、その言葉の真意を言われたラモンも知っています。実際どんなに兄嫁が献身的に尽くしてくれ、甥(兄の子)が協力的であるったかは、言われなくてもラモン自身がよくわかっているわけです。そうではありながら、独りではなにもできないわけです。なんというのでしょう、精神的には自立していても、肉体的には赤ん坊以下なわけなんです。そんな生活が20数年続いてるわけです。

自分で死ぬことはできません。首をしめてもらうか、ズブリとやってもらうか、一服もってもらうか、いずれにしろ、自分が死ぬためには誰かの手伝ってもらわねばならず、それは、そこまでしてくれた協力者を殺人犯にしてしまうことを意味するのです。それがこの映画の複雑なところです。「愛する人が尊厳死を望んだら、あなたは協力できますか?」というのが、この作品のテーマです。「愛ルケ」と同じであり、「愛ルケ」とは、またずいぶんと違います。

わたしは、実はこういう重いテーマの作品は借りる傾向にあるのですが、ついつい「愛ルケ」との比較がしたくて過って借りてしまったという感じです。しかし、見てみるととてもいい映画でした。

死を望む彼の周りには、献身的に面倒を見る兄一家以外にいろんな人が現れます。よくラモンのことを理解してくれるボランティアとか、ラモンの存在によって勇気を与えられた女性とか、法的に尊厳死を認めさせられないものかとラモンとともに闘う弁護士とか、あるいは逆に説得しようとする、やはり同じように全身麻痺の説教師(神父)とか、いろんな人が出てきてラモンと関わっていく。それがまた、おもしろいです。

実話を元にした映画のようです。見た人が必ずしも尊厳死を肯定するようになるとは思えませんが、尊厳死について、よりよい生について、愛について、夢についていろいろ考えさせてくれる作品であることは事実です。

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