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心のダイエット!~時には辛口メッセージを~

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映画:「蝉しぐれ」~DVDで

2007-01-03-Wed
藤沢文学の映画化といえば、現在大ヒット上映中の「武士の一分」が代表作となりそうな勢いなのです(→記事)が、「たそがれ清兵衛」(→記事)、「隠し剣 鬼の爪」(→記事)この三作品はいずれも山田洋二監督の作品で、非常に好評でした。武士の生き方であると同時に、人間の生き方を、そして、現代の企業社会と個人の関わり方、プライド、愛、勇気、信頼など、それぞれの作品の中に時代劇の設定ながら、現代に通じるテーマがあって、それぞれに見る者の心に染みるものばかりでした。

もうほかにないのかなとレンタル店の棚をさがしていて見つけたのが、この「蝉しぐれ」でした。解説など読むと、「蝉しぐれ」は藤沢周平の代表作といっていい長編小説で、その点短編を元にした上記3作品とは違っています。
蝉しぐれ
蝉しぐれ
posted with amazlet on 07.01.03
藤沢 周平
文芸春秋
売り上げランキング: 3862
おすすめ度の平均: 5.0
5 深いなぁー
5 内容や描写,全てが秀逸.
4 剣戟小説の名作


また、NHKで7回ものの時代劇として放送され、人気を博し、また、非常に高い評価を得て、時代劇でありながら、モンテカルロ国際テレビ祭で最優秀作品賞、最優秀主演男優賞にあたる「ゴールドニンフ賞」を受賞のだそうです。
蝉しぐれ
蝉しぐれ
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NHKエンタープライズ (2004/02/20)
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おすすめ度の平均: 4.5
4 死にゆく者の気持ちとは
5 涙が止まらない!!
5 「金賞」受賞作品にふさわしい名作


そのNHKドラマ版の脚本を書いた黒土三男が監督し、映画化したのが、ま、本作、映画「蝉しぐれ」ということになります。
蝉しぐれ プレミアム・エディション
ジェネオン エンタテインメント (2006/04/14)
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おすすめ度の平均: 4.0
3 もっといい映画になるはずなのに惜しい。何が問題なのか。
5 映像が美しい!
2 残念・・・。

Amazonなどの評価を見ると、NHKドラマ版の方が好評で、映画版は辛口の批判が並んでいます。わたしは、幸か不幸かNHKドラマ版を見ておりませんので、とてもいいなぁと思って見せていただきました。

主役をやった七代目染五郎と木村佳乃には悪いのですが、子役というか少年少女時代を演じた石田卓也と佐津川愛美の方が印象に残ってしまいました。少年少女時代のギラギラした感じが消えて、垢抜けてしまった感じがして、そこがちょっともの足らないのかなと思いました。

内容は、簡単に言えば、主家のお家騒動の余波で、一家の主人を失った下級武士と、その初恋の相手との悲恋と家族の物語ということになるのかもしれません。もちろん、それだけでなく、武士の生き方とか、友情とか、信念とか、これまたやはり現代社会に共通する、勤務先の大事が家族の幸福に大きく関わるという、宮仕えの切なさというようなところも描かれています。

「蝉しぐれ」という象徴的なタイトルなんで、「蝉の声」がどんなふうに描かれいるかを注目していたのですが、ああ、この蝉しぐれなんだなと思ったのは、文四郎が父の遺体を載せて大八車を引くシーンですね。罪を問われ自害した父の遺体を引き取り、一人大八車を引く文四郎が、林の中の急な坂道に坂道にさしかかります。折から夏の昼下がり蝉がぐわんぐわん鳴いています。蝉しぐれですね。汗まみれになり、草履の緒を切りながら踏ん張っても進まなくなってしまいます。ただでさえ父を失いながら、絶望的な心境でくじけそうになっているところに、坂の上から駆けてくる一人の少女がありました。これまた額に汗をして、無言のまま大八車の後押しをするおふく(佐津川)です。

この印象的なシーンの間中、ずっと蝉しぐれなんですね。このシーンは非常にいい感じで撮られています。この時の、まるで世の中の辛さ、冷たさを立った一人で引き受けようとするかのような、若き文四郎と、誰に言われるでもなく、もちろん文四郎が望もうと望むまいと、一緒にそれを支えていきたいという強く思うおふく、無言の中に展開される、二人の悲しみや怒りや思いやりが、その二人の目によく表れていると思って見ていました。

そして、エンディング。二人は成長し、この映画のメインの事件は、とりあえず片がついた形になっています。遠くの空を薄く夕焼けが染め出す頃、籠に揺られて去っていくおふくと、見送るように船に一人横たわる文四郎。そこに聞こえるのは、若く暑い日の蝉しぐれではなく、秋蝉の声へと変わっているのでした。二人の一生と季節とをうまく蝉で表している、ま、そんなことを考えて見ていました。
 → 映画「蝉しぐれ」公式サイト



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