David the smart ass心のダイエット!~時には辛口メッセージを~ |
教育偽装7~大学の対応と教育委員会の対応
2006-11-03-Fri
政府の軽減策が出ました。あくまで「今回限りの特例措置」で、
履修不足が70時間(2単位、1時間は50分)以内の大半ケースは、「実質50時間の補習と不足分(20時間分)のレポートなど」ということでよさそうです。50時間といっても大変だし、20時間分のレポートってのも大変ですけど、ま、70時間まるっとやるよりいいようです。
履修不足が70時間超(3単位以上)の場合は、70時間の補習を科目ごとに割り振り、それぞれの科目で補習を実施。科目ごとにリポートを提出させるなどして、授業の不足分を補わせる。つまり4単位の世界史Bならば、50時間の補習+230時間分のレポートってことなんですかね。
「既卒の未履修者については「卒業認定は取り消さない」「入試用の調査書には未履修科目を記載」「大学側は未履修科目があっても生徒が不利にならぬよう配慮」ということになっているようです。
伊吹文明文科相は同日、「どんな案でも批判を受ける。大変不公平だと思う方が多いと私も思う。現実の行政を預かる立場では、自分の考える筋は通せなかった」と話し、苦渋をにじませた。また「授業で増減する部分がどこか中教審で考えてもらう」と述べ、現在の学習指導要領の見直し作業に今回の問題を反映させる考えを示した。
よくも悪くもこの原則が出れば、次に進めます。「不公平」という批判はいたしかたないですが、だからといって、このまんま卒業不能なんてわけにはいかないのすよね。大学への調査書の配慮も触れられています。実際どう配慮するかは大学任せです(動くのは大学ですからね)。
その大学側の対応もまちまちでした。実際推薦入試のスケジュールがスタートしてしまっているという現実もあって、対応したくてもできないという事情もあるようですが、読売新聞は4つにわけていました。
1)「虚偽記載が発覚した場合は入学取り消し」
山形大、埼玉大、鳥取大など。
2)「一端願書を受付、後に再提出、再確認を求める」
早稲田大、慶応大、立教大、上智大など。
3)「高校の記載を信用する」
筑波大、神戸大、明治大、駒沢大など。
4)「文科省の支持待ち」
大阪大、千葉大、専修大、日本大、東海大、立命館大など。
※読売新聞「必修逃れ 「推薦」対応割れる大学」(11月1日)
ここでおそまきながら、文科省の「調査書には未履修科目を記載」ということで、現実的には対応されていくのでしょう。
ただ、いろいろネットをみていると、とんでもないところがあるんですね。島根県です。
どういうことでしょうか? 記事を読むと、島根県の教育長は「教員が生徒のために善意で行った。厳しいせんさくは教員の士気に影響し、島根の教育にとって良くない」と述べて、調査に否定的な見解を示したそうです。校長や関与した教員の処分については「責任を問うべきかどうかは、処分を検討するかどうかも含めて時間をかけて考えたい」とも述べたそうです。ま、時間をかけて検討するのはいいでしょうけど、調査はきちんとしないとダメだと思いますよ。
まるで、自身の責任問題としてに火の粉がかかってくるので、最初から調査も処分もしないかのように聞こえるんですけど。それまずいでしょう。こういうことがはびこってしまっている原因も、それぞれが調査し、対策しないといけませんよ。茨城県では、校長先生が自殺してるところまであるんですよ。その重さを考えるべきです。自らの立場保持とか保身とかを考えている場合じゃないんです。どうしたら、信頼を取り戻せるか、島根県の教育長、よく考えてほしいもんです。
また、石原都知事は「先生が点取り虫になって、子どもを商品化してしまっている。こういう事態を放置したのは文科省の責任だ」みたいなことを言っているようです。(→毎日新聞:「高校履修不足:「先生自身が点取り虫に」--石原知事が苦言 /東京」) 部分的にはあっているでしょう。でも、東京都だって見逃していたわけでしょう。東京都としても責任があるんじゃないでしょうか。過度な競争原理の導入が、知事自らが指摘する「子どもの商品化」や「子どものリストラ」に結びつかないよう注意して取り組んでほしいとも思います。
信賞必罰。今回の一連の必修科目未履修については、対策が一通り済んだ段階で、きちんと対応しなければいけないでしょうね。もちろん再発防止ということもあるのですけど、政府の対策に不公平感がただよっています。「やったもの勝ち」「正直者がバカを見る」的なムードになっていますよね。
→ ヤフー投票「履修不足の救済策、どう思う?」
わからないでもないです。でも、生徒は被害者なんです。今さら50時間の補習だなんて、学校の言われるようにとりくんできた生徒には厳しい処置だと思います。それもセンター直前のこの時期に。
森元首相の極論はともかくとして、責を負うべきは生徒ではなくて、教育委員会や学校、そして石原知事が言うように文科省なんです。救済策は甘めでいい、その分責任追及は厳しくてもいいのではないでしょうか。
静岡では処分の動きがあります。
◆関連サイト
→ "必修科目逃れ”Wiki~高校リスト
→ 奥村弁護士の見解「「必修逃れ」の刑事責任」
履修不足が70時間(2単位、1時間は50分)以内の大半ケースは、「実質50時間の補習と不足分(20時間分)のレポートなど」ということでよさそうです。50時間といっても大変だし、20時間分のレポートってのも大変ですけど、ま、70時間まるっとやるよりいいようです。
履修不足が70時間超(3単位以上)の場合は、70時間の補習を科目ごとに割り振り、それぞれの科目で補習を実施。科目ごとにリポートを提出させるなどして、授業の不足分を補わせる。つまり4単位の世界史Bならば、50時間の補習+230時間分のレポートってことなんですかね。
「既卒の未履修者については「卒業認定は取り消さない」「入試用の調査書には未履修科目を記載」「大学側は未履修科目があっても生徒が不利にならぬよう配慮」ということになっているようです。
伊吹文明文科相は同日、「どんな案でも批判を受ける。大変不公平だと思う方が多いと私も思う。現実の行政を預かる立場では、自分の考える筋は通せなかった」と話し、苦渋をにじませた。また「授業で増減する部分がどこか中教審で考えてもらう」と述べ、現在の学習指導要領の見直し作業に今回の問題を反映させる考えを示した。
よくも悪くもこの原則が出れば、次に進めます。「不公平」という批判はいたしかたないですが、だからといって、このまんま卒業不能なんてわけにはいかないのすよね。大学への調査書の配慮も触れられています。実際どう配慮するかは大学任せです(動くのは大学ですからね)。
その大学側の対応もまちまちでした。実際推薦入試のスケジュールがスタートしてしまっているという現実もあって、対応したくてもできないという事情もあるようですが、読売新聞は4つにわけていました。
1)「虚偽記載が発覚した場合は入学取り消し」
山形大、埼玉大、鳥取大など。
2)「一端願書を受付、後に再提出、再確認を求める」
早稲田大、慶応大、立教大、上智大など。
3)「高校の記載を信用する」
筑波大、神戸大、明治大、駒沢大など。
4)「文科省の支持待ち」
大阪大、千葉大、専修大、日本大、東海大、立命館大など。
※読売新聞「必修逃れ 「推薦」対応割れる大学」(11月1日)
ここでおそまきながら、文科省の「調査書には未履修科目を記載」ということで、現実的には対応されていくのでしょう。
ただ、いろいろネットをみていると、とんでもないところがあるんですね。島根県です。
必修科目未履修で調査、処分しない方針
島根県内の高校二十一校で発覚した必修科目の未履修問題について、同県教委の藤原義光教育長は三十日、原因究明や実態調査をする必要がないとの認識を明らかにした。責任問題や関係者の処分も当面は考えていないとした。
全文を読む……(山陰中央新報:10/31付け)
どういうことでしょうか? 記事を読むと、島根県の教育長は「教員が生徒のために善意で行った。厳しいせんさくは教員の士気に影響し、島根の教育にとって良くない」と述べて、調査に否定的な見解を示したそうです。校長や関与した教員の処分については「責任を問うべきかどうかは、処分を検討するかどうかも含めて時間をかけて考えたい」とも述べたそうです。ま、時間をかけて検討するのはいいでしょうけど、調査はきちんとしないとダメだと思いますよ。
まるで、自身の責任問題としてに火の粉がかかってくるので、最初から調査も処分もしないかのように聞こえるんですけど。それまずいでしょう。こういうことがはびこってしまっている原因も、それぞれが調査し、対策しないといけませんよ。茨城県では、校長先生が自殺してるところまであるんですよ。その重さを考えるべきです。自らの立場保持とか保身とかを考えている場合じゃないんです。どうしたら、信頼を取り戻せるか、島根県の教育長、よく考えてほしいもんです。
また、石原都知事は「先生が点取り虫になって、子どもを商品化してしまっている。こういう事態を放置したのは文科省の責任だ」みたいなことを言っているようです。(→毎日新聞:「高校履修不足:「先生自身が点取り虫に」--石原知事が苦言 /東京」) 部分的にはあっているでしょう。でも、東京都だって見逃していたわけでしょう。東京都としても責任があるんじゃないでしょうか。過度な競争原理の導入が、知事自らが指摘する「子どもの商品化」や「子どものリストラ」に結びつかないよう注意して取り組んでほしいとも思います。
信賞必罰。今回の一連の必修科目未履修については、対策が一通り済んだ段階で、きちんと対応しなければいけないでしょうね。もちろん再発防止ということもあるのですけど、政府の対策に不公平感がただよっています。「やったもの勝ち」「正直者がバカを見る」的なムードになっていますよね。
→ ヤフー投票「履修不足の救済策、どう思う?」
わからないでもないです。でも、生徒は被害者なんです。今さら50時間の補習だなんて、学校の言われるようにとりくんできた生徒には厳しい処置だと思います。それもセンター直前のこの時期に。
森元首相の極論はともかくとして、責を負うべきは生徒ではなくて、教育委員会や学校、そして石原知事が言うように文科省なんです。救済策は甘めでいい、その分責任追及は厳しくてもいいのではないでしょうか。
静岡では処分の動きがあります。
島根県の教育長とはえらい違いです。関係者の処分検討 静岡県教委
高校の履修単位不足問題で静岡県教委の安倍徹高校教育課長は2日の県議会決算特別委員会で、関係者の処分を検討していることを明らかにした。安倍課長によると、処分対象者は県教委や該当の公立校の管理職とする方針。処分時期については「未履修の生徒への対応を第一としたい」と明言を避けた。(毎日新聞の記事)
◆関連サイト
→ "必修科目逃れ”Wiki~高校リスト
→ 奥村弁護士の見解「「必修逃れ」の刑事責任」

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