David the smart ass

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「すべての道はローマに通ず」~ベルニーニまとめ作りました!

2014-06-06-Fri
先日、こんなTLが……。


この質感、この肉感、この重量感……。

これ見たい、これ触りたい、この手になりたい、こうやって抱きたい……とさえ思ったのです。こういう気持ちにさせるのは、それは、当方の事情や体調もあるのでしょうが、作品もまた素晴らしいのです!

これが大理石……とはとても思われない。石のような素材を削って、滑らかに、そして柔らかで、生きているようにさえ感じさせる、まさに、芸術とはこういうことです。

もう、すっかり気に入って、NAVER【まとめ】作っちゃいました。



このまとめを作るまで、ベルニーニの名前をほとんど知りませんでした。まとめの中に引用しましたが、たぶんCMやカレンダー、ポスターなどで何度も見て知っているはずなのに、作者の名前を覚えていなかったのです。

ローマに行った観光客で、ベルニーニの名を知っている人は全くいなかった。 ヴァチカン、サンピエトロ広場の巨大な柱廊、サンピエトロ聖堂の巨大な天蓋、そして聖ペテロの司教座。 これらを見ない観光客はいない。 全て説明を聞かされている。 CMでよく見るサンタンジェロ橋の聖人巨像、ナボーナ広場の2つの噴水、スペイン広場の噴水、トリトーネの噴水。 みんな見たはずだ。 名前の説明を聞かされたはずだ。 でも彼の名を観光客は誰も知らない。
 → ジャン・ロレンツォ・ベルニーニ 彫刻



それどころか、「ダ・ヴィンチ・コード」シリーズの「天使と悪魔」の中ではいくつもいくつものベルニーニが登場しながらも、訳もわからないし、ベルニーニの作品に興味も持てずにいました。それは私自身の無知でもあったのです。ベルニーニを巡っては、こんな言葉もあるくらいなのですから。

「ベルニーニはローマのために生まれ、ローマはベルニーニのためにつくられた」

「ミスター・ローマ」という感じです。でも、なぜだかそんなに有名って感じはありませんよね。すくなくとも、日本では。映画「天使と悪魔」の原作はダン・ブラウンの小説ですが、彼にとってはダ・ビンチとベルニーニは同格だったのかもしれません。しかし、日本での知名度は全然違います。わたしの同僚が「なんで日本人はあんなにモナリザが好きなのか?」と言っていましたが、ベルニーニは、その作品をみんな見たことがあるだろうに、なぜだか知らていないと思うのです。

自分の無知を弁解するなと叱られそうですが、言い訳もないわけではないけど、実態じゃないかと思いますよ。

そんなわけで、ベルニーニやバロックについて、簡単にまとめてありますんで、よかったら見てみてください。



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映画レビュー:「舟を編む」

2014-06-03-Tue
石井裕也監督の映画「舟を編む」は三浦しおん原作の小説の映画化である。出版社で国語辞典を編集する人たちの物語だ。辞書の名前は「ダイトカイ」、編集にあたる主人公は「マジメくん」。私には「大都会」を編集する「真面目くん」に聞こえて仕方がないのだが、そんなくだらいない突っ込みを入れる人は作中にはどこにも登場しない。

辞書「大渡海」の文字はたびたび画面に映し出される。「辞書は言葉の海を渡る舟、編集者はその海を渡る舟を編んでいく」……、辞書の名前の由来であり、作品の「舟を編む」の由縁でもある。

一方、松田龍平演じるところの「マジメくん」がどんな字なのか、映画なのでなかなかお目にかかれない。そこが小説と異なるところである。見逃したのかしれないが、はっきりと「馬締」の文字を確認できたのはエンドロールであった。ま、マジメくんのキャラクターは「馬締」よりも「真面目」の方がいかにもピッタリなのだけれども。マジメで内気で堅物で、しかし、粘り強く、誠実で、心が強い……。辞書作りはきっとこんな人物がなくてはならない、そんな性格である。彼は不器用ながらも辞書作りの道に入り、着実にノウハウを覚え、やがてなくてはならない中心人物へと成長していく。一人の青年が、自らの役割を見出し、困難に打ち勝ち、大きく成長していく、これは、辞書作りのファンタジーである。

ファンタジーにはヒロインが欠かせない。目的のためにはすべてを犠牲にしかねない主人公を、癒し、ケアする存在である。マジメくんの下宿先の孫娘である。タケ婆さんの娘の名前はカグヤ(これもエンドロールで知るが「香具矢」と書く)。ちなみに下宿先は「早雲荘」……。早雲荘のタケ婆さんの孫娘はかぐや姫……。ファンタジーである。

このマジメくんがカグヤ姫に恋をする……。その恋を実らせるのも一つの試練であるが、そこにもう一つ、その経験を生かして、「恋」の語釈をつけることになる。もちろん、ファンタジーなのだから、恋は実り、語釈もまた素晴らしいものができあがる。怪物も強敵も出てこないが、辞書作りファンタジーの一つのクライマックスなのだ。

辞書作りは実際は十年も二十年も係る一大プロジェクトで、映画では2時間ばかりでその長い旅路を見通すことになる。好天もあれば、荒天もある。それどころか、嵐で難破寸前の時もある。クルーが命がけで舟を守るときも……。一方で、ミスは許されない、神経を擦り減らす作業の連続である。また、電子辞書やインターネットの全盛期に、他の部門同様に購入者を減らし、儲けの出ない部門となりつつある。出版社も企業である以上、辞書の出版自体が問題となるのだ……。そんな12年を超える長旅の果てに、「大渡海」は完成を見る。

どことなくふわふわした、辞書つくりファンタジーの一面を持ちながら、その一方で、大袈裟にならず日々を淡々と描き、現実的な日常性を忘れない。働く喜びと、身近な幸福とを知らせてくれる、良作である。

ちなみに、原作は2012年本屋大賞で第1位を獲得した。また、映画は第86回アカデミー外国語映画賞の日本代表作品に選出された。第37回日本アカデミー賞では最優秀作品賞、最優秀監督賞ほか6冠となった。

                                            以上
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