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◆Date:2007年06月07日
- 06/07 「ゲドを読む。」を一応読む - ことば
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「ゲドを読む。」を一応読む
2007-06-07-Thu
ファーストガンダムのDVD3枚を返しにいったら、カウンターに「ゲドを読む」があるようなちっちゃなプレートがあったので、「これもらえますか?」って聞いたら、ごそごそと店員さん出してくれました。本屋じゃなくて、DVD店にも置いてあるんだと思ったんですが、ま、そもそもジブリのDVDの宣伝なんで当たり前って言えば当たり前なんですが。ま、わたしがもらったのは「青表紙」でした。
→ ゲド戦記DVD公式サイト『ゲドを読む。』
→ 「ゲドを読む」でググる
いちおう背景は、7月4日に発売予定のスタジオジブリ「ゲド戦記」(宮崎吾朗監督)の、宣伝企画で、「ゲド戦記」の魅力を伝えるために、文庫本「ゲドを読む。」を110万部制作して無料で配布するというものなんです。糸井重里によると、「文庫本のかたちのフリーペーパー」であって、広告予算で付くってあるんだそうです。広告なんで無料で配る。非売品ですね。
原作者のファンとして
原案 『シュナの旅』。
イタイわ・・
いちおう、最初の中沢新一の「『ゲド戦記』の愉しみ方」から読み始めてはみたのですが、DVDの宣伝にこれを読ませられるのはつらいという気もしました。そもそも、わたし自身は「ゲド戦記」を読んでいません。宮崎アニメとイギリスのTV映画版(?)を見ただけです。原作のファンはたくさんいて、宮崎版について辛い評価をしているようです。原作者も全く別の作品だとちょっと怒っているとか。原作者としては、忠実にアニメ化してほしかったのでしょうね。
そのことについては、中沢新一もこの「ゲドを読む。」の中で触れていまして、時代がル=グウィンに「ゲド」を書かせたというようなことを言っています。「白人の男性社会への異議申し立て」という視点です。中沢はアニメ版は「アジア的解釈の一つのヴァリエーション」ということを言っています。西欧社会とアジア社会(日本含む)では自然観が違う。西欧のような人間と対立する自然ではなくて「神話的な自然」、それが宮崎版を作らせたというような。
また、中盤には1978年に河合隼雄が「図書」に載せた「『ゲド戦記』と自己実現」が収録されています。年代からいって、当然アニメ版ができる前です。むしろ、この河合隼雄の見方でファンタジーの読み方ができてきていて、その後にジブリのアニメができてきているということも言えるわけです。作品ができてから、過去の文章を持ち出したところで、ま、そりゃそうだろうってなことになるわけですね。
この二つが長めの文章で、読むのがちょっとたいへんで、申し訳ないが他の方たちのは未読。そもそも自分が原作を読んでないので今ひとつ身が入らないというのもあります。ただ、巻末の河合隼雄と宮崎吾郎の対談は興味深かったです。
忠実なアニメ化でなくて、時代がル=グインに「ゲド」を書かせたように、現代人に求められる「ゲド」を作りたかったというような宮崎の考え方と、ま、それを支持する河合隼雄の対談です。「殺されるべき父親像」が興味深かったですね。続編というか、外伝を作るみたいなことも話されているのですが、ま、わたしは素直にそれも見てみたいと思いましたよ。
さて、最後に、本書で一番印象に残ったのは、誰の言葉か忘れてしまって申し訳ないのですが「英雄は早くに母を失うものだ」というような言葉です。中沢新一か、河合隼雄かどっちだったろうとパラパラとめくり返してもわかりません。でも、なにか納得しました。
関連過去記事
→ 映画:「ゲド戦記」
→ DVD:「ゲド~戦いのはじまり」
→ ゲド戦記DVD公式サイト『ゲドを読む。』
→ 「ゲドを読む」でググる
いちおう背景は、7月4日に発売予定のスタジオジブリ「ゲド戦記」(宮崎吾朗監督)の、宣伝企画で、「ゲド戦記」の魅力を伝えるために、文庫本「ゲドを読む。」を110万部制作して無料で配布するというものなんです。糸井重里によると、「文庫本のかたちのフリーペーパー」であって、広告予算で付くってあるんだそうです。広告なんで無料で配る。非売品ですね。
ゲド戦記 特別収録版
posted with amazlet on 07.06.07
ブエナ・ビスタ・ホーム・エンターテイメント (2007/07/04)
売り上げランキング: 148
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おすすめ度の平均: 




いちおう、最初の中沢新一の「『ゲド戦記』の愉しみ方」から読み始めてはみたのですが、DVDの宣伝にこれを読ませられるのはつらいという気もしました。そもそも、わたし自身は「ゲド戦記」を読んでいません。宮崎アニメとイギリスのTV映画版(?)を見ただけです。原作のファンはたくさんいて、宮崎版について辛い評価をしているようです。原作者も全く別の作品だとちょっと怒っているとか。原作者としては、忠実にアニメ化してほしかったのでしょうね。
そのことについては、中沢新一もこの「ゲドを読む。」の中で触れていまして、時代がル=グウィンに「ゲド」を書かせたというようなことを言っています。「白人の男性社会への異議申し立て」という視点です。中沢はアニメ版は「アジア的解釈の一つのヴァリエーション」ということを言っています。西欧社会とアジア社会(日本含む)では自然観が違う。西欧のような人間と対立する自然ではなくて「神話的な自然」、それが宮崎版を作らせたというような。
また、中盤には1978年に河合隼雄が「図書」に載せた「『ゲド戦記』と自己実現」が収録されています。年代からいって、当然アニメ版ができる前です。むしろ、この河合隼雄の見方でファンタジーの読み方ができてきていて、その後にジブリのアニメができてきているということも言えるわけです。作品ができてから、過去の文章を持ち出したところで、ま、そりゃそうだろうってなことになるわけですね。
この二つが長めの文章で、読むのがちょっとたいへんで、申し訳ないが他の方たちのは未読。そもそも自分が原作を読んでないので今ひとつ身が入らないというのもあります。ただ、巻末の河合隼雄と宮崎吾郎の対談は興味深かったです。
忠実なアニメ化でなくて、時代がル=グインに「ゲド」を書かせたように、現代人に求められる「ゲド」を作りたかったというような宮崎の考え方と、ま、それを支持する河合隼雄の対談です。「殺されるべき父親像」が興味深かったですね。続編というか、外伝を作るみたいなことも話されているのですが、ま、わたしは素直にそれも見てみたいと思いましたよ。
さて、最後に、本書で一番印象に残ったのは、誰の言葉か忘れてしまって申し訳ないのですが「英雄は早くに母を失うものだ」というような言葉です。中沢新一か、河合隼雄かどっちだったろうとパラパラとめくり返してもわかりません。でも、なにか納得しました。
関連過去記事
→ 映画:「ゲド戦記」
→ DVD:「ゲド~戦いのはじまり」

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