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David the smart ass

心のダイエット!~時には辛口メッセージを~

【追悼】団鬼六の訃報に触れ、謹んで、むやみにソッチ系のページを検索する

2011-05-07-Sat
昨日仕事の帰りに、久々にマン喫によって、遅くに自宅に戻りました。最近連載を読み始めた「今日からヒットマン」の発端を知りたかったのです。30代半ばの普通の営業畑のサラリーマンが、行き当たりばったりにヒットマンの事件に遭遇し、あらがうこともできず、あっという間に、自分がヒットマンってことにされてしまう……、ってな展開でした。現在連載中(「漫画ゴラク」)のくだりがとても面白くて、どうも人物関係がよくわからなかったのですが、その点1巻を読むことでかなりすっきりしました。ちなみに今まで「ゴラク」を読むメインは「激マン」でしたが、最近はこの「今日からヒットマン」がお気に入りです。「激マン」というのは、永井豪のマンガ家生活の回顧録といった作品で、ま、「ハレンチ」「あばしり」「おもらい」「ダンテ」「デビルマン」「マジンガ」などをリアルで読んできた世代ですんで、虚虚実実なところがいっそう興味深くもあるわけです。
 → 「漫画ゴラク」のWebページ

父の看病のために通勤経路を変えていた時期に、ときどき息抜きに入った店に、この「ゴラク」がおいてあって、そのころは「SとM」なんてのも楽しみに読んでたわけなんですが、その「SとM」なんて言葉を日本に定着させた、日本人のリビドーの恩人とも言うべき団鬼六が亡くなったってことを、ま、マン喫で道草したおかげで、不覚にも深夜知ることになったのです。

花と蛇」などの官能小説の第一人者として知られる作家の団鬼六(だん・おにろく、本名・黒岩幸彦=くろいわ・ゆきひこ)さんが6日、胸部食道がんのため死去した。79歳。葬儀は未定。喪主は長男秀行(ひでゆき)さん。
 → 訃報:団鬼六さん79歳=作家 - 毎日jp(毎日新聞)(5月6日付け)


ショックでした。

twitterで団鬼六をフォローして、以前自分の書いた「「花と蛇」もしくは団鬼六の楽しみ方」って記事のURLをツイートして読んでもらってうれしかったことが忘れられません。

昨年の大河ドラマが竜馬で、同じく幕末維新期の境事件を扱った「最後の浅右衛門」の感想記事をアップして読んでもらおうと思っていたのですが、そう思うと、どんどん肩に力が入ってしまって、いつもの自分らしい軽い文章が書けなくて、ついつい延ばし延ばししていたところでした。ああ、なんだかまた先延ばししていて乗り遅れちゃったなぁと痛感しました。

もう少し早く知って、戻ってきていたら、その記事を完成させることができたのですが、ちとくたびれていて、それでも、団鬼六の記事や、ちとエロだったり、グロだったりする、あるいはノスタルジーだったりする記事やサイトを検索し、わたしなりの通夜が続いたのでありました。こういうことやるときりなくなるし、果てるまでやるから……。

謹んで、団鬼六先生のご冥福お祈りいたします。          合掌

最後に、twitteで公開されているサインをコピペしときます(左のラインはわたしがつけたもの)。

oniroku_signs.png



「朝右衛門」の記事、公開できるようにがんばろ。


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映画:「刺青 SI-SEI」~DVDで

2006-06-29-Thu
耽美派の文豪谷崎潤一郎の「刺青」はフェティシズムの文学です。「しせい」と読みます。「いれずみ」でも「刺青」と変換するのですが、「刺青」と「入れ墨」とは呼びます。tatooのことで、入れ墨とも言えるのですが、江戸時代中期に刑罰として左腕にぐるりと一回りする形でいれずみをしました。「いれずみ」と言った場合はこの刑罰を指し、飾りぼりというのか、背中などにする倶利迦羅紋紋(くりからもんもん)などは「ほりもの」と呼ばれていました。この「刺青」はそちらのほりもののことです。

彫り師にとっての理想の女の白い肌に、その女の魅力をいっそう引き立たせる女郎蜘蛛の絵を彫る……、それが、清吉の夢であり、そして清吉をそれを実行し、自ら求めた美によって破滅へと向かうのです。それは、女の肌に針をさすからサディズムとも言えますが、やはり、マゾヒズムですね。女に対するマゾヒズムというよりは、美に対するマゾヒズムです。
刺青・秘密
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谷崎 潤一郎
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4 谷崎の描くあやしい不思議な世界に耽る
4 読み返してみてびっくり
5 フェティシズムの王国

その谷崎の「刺青」の現代に置き換えて映画化したのが、「乱歩地獄」の佐藤寿保監督が撮った「刺青 SI-SEI」です。
乱歩地獄 デラックス版
ジェネオン エンタテインメント (2006/05/25)

途中で主人公の口から明かされるのですが、主人公来栖(弓削智久)は、谷崎の小説「刺青」の清吉を父に、背中に刺青の女郎蜘蛛を負った女を母に生まれた男の子ということになっています。その両親の因果か、自らも刺青の美しさにとりつかれ、理想の肌の女美妙(吉井怜)を拉致し、その背中に同じように刺青をしようというわけなのです。これ以上書くとネタバレになるので、このあたりまでにしておきます。
刺青 SI-SEI
刺青 SI-SEI
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アートポート (2006/03/24)

ヒロイン美妙(吉井怜)がカメラに追われるシーンや、背中に針を指されてその痛みに耐えながら、うっとりとするシーンなどはエロティックです。

耽美文学なので、そういうシーンを印象的に、綺麗に撮ってもらえるといいと思うのですが、やはり、現代の映画の需要と供給のバランスというか、サイコ・サスペンス的な味わいや、ミステリー的なタッチが好まれるのか、妙な、理屈というか、真相というか、深層心理というか、そうしたものを説明しているようで、わたしには、むしろそこが興ざめな感じもしました。ま、しかし、そういう、ある種散文的なわかりやすさも必要なのかもしれませんけれどね。

あと作中に出てくる芳年の無惨絵(wikipedia「月岡芳年」)や、現代の無惨絵作家とも言える丸尾末広(丸尾末廣)花輪和一の作品が出てきたのは、ま、ファンとしてはうれしいものがありました。

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「花と蛇」もしくは団鬼六の楽しみ方

2005-02-07-Mon
ツタヤに「ボーンアイデンティティ」を返却して、かわりに借りてきました。「花と蛇」です。公開当時劇場で見たいとおもっていたのですが、見そびれました。しばらく忘れかけていたのですが、なんと、第2作の予定があるみたいなんですね。そういえばなって、思って棚のぞいたらあったんで借りてきちゃったんです。

原作の団鬼六は、青春時代の作家の一人です。この文体のねちっこさは、江戸川乱歩の系列に位置します。倒錯とか、異常性愛とか言われていました。そういえば、かつては、耽美小説とかいう言い方もしましたね。近年では、すっかり同性愛的な同人誌系の小説をいうみたいなんですが、SM文学をそう呼んだこともあったんです。

団鬼六といえば、半自伝的エッセイ「SMに市民権を与えたのは私です」ってのがあります。出版された当時は話題で、毎日新聞などの書評欄にも紹介されて、わたしはそれ見て欲しいと思いました。名古屋駅前の地下の、割りあいと大きめの書店で何度も棚を見回したのですが見つかりませんでした。

レジで尋ねようと思ったのですが、純情なわたしは、女性店員に「SM……」などという言葉で始まる書名をとても言い出せませんでした。しばらく、ウジウジしていると(笑)、黒縁メガネでインテリ風の、いかにも頼りになりそうな中堅の店員が、レジのところにきたのです。

今だ。今しかない! わたしは決意を込めていいました。「すみません、本を探しているのですが、SMに市民権を与えたのは……」。毎日新聞の書評にとりあげてあるような、それも新刊本ですよ。まさか、その人が知らないとか、その大きな本屋にないとかそんなことは思ってもみませんでした。……ところが、そのどちらでもなかったんです……。

「え? 何? なんですか?」……この忙しいのにって感じのぞんざいな対応です。「ちょと、ここにはないようですんで、確認してみますね」……、お、やっぱ頼りになるじゃん。悪いなぁ、忙しいのに流石だわ。その店員は、レジの奥の柱にかかっているいかにも業務連絡用といった電話でどこかの部署に問い合わせてくれました。

「もしもし、今こっちにないのがあって、そっちで確かめてくれる? 新刊らしいんだけど、ええと、なんて本でしたっけ?」彼はこっちを見ます。え~ え~。「なんて本でしたか?」メガネの奥から上目遣いに睨むように見てきます。……うひょ~、ここからそこに聞こえるように言えっての……。みんないるじゃん。若いおねいさんの店員だけじゃなくて、お客さんまでいるじゃん……。

まさに……恥辱。さすが団鬼六。自伝的エッセイを買いにいったわたしに、こんな屈辱を味わわせてくれるなんて……。「え~と、SMに市民権を……」わたしはボソボソというと、「は? なに、エスエムに? 何?」……蛇のような目を持つ店員の執拗な責めです。まだ、言わないといかんのかよ……。わたしは公衆の面前で、赤面しながら書名を大声で言わされたのでありました。

そして……、その肝心の書籍はありませんでした。……おいこら、○○書店。客にこんなしうちしていいんか~!!大手新聞の書評にとりあげられたものくらいチェックしとけよ!!

蛇のみちは―団鬼六自伝
団 鬼六
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おすすめ度の平均: 5
5 こんな人生があるのか


ちなみに、その書籍は現在は加筆され『蛇の道は 団鬼六自伝』(幻冬舎アウトロー文庫)と改題されています。おもしろいです! ただ、どうせなら最初からこのタイトルで出してくれていたらと、少しうらめしく思ったりもしています。


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