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David the smart ass

心のダイエット!~時には辛口メッセージを~

映画:「グエムル」/DVD

2007-05-29-Tue
たしか、この映画が公開されていた頃、本当はそうでもないのに必要以上に日本では辛い評価になっている。それなりにいい映画なのに……みたいなことを聞いた気がします。いや、実際Amazonのレビューにもそんな指摘もあります。

しかし、わたしはそうは思いません。少なくとも怪物映画としても、パニックものとしてもおもしろくありません。「怪獣問題を元に家族の団結を描いた異色作」というくらいなら、ま、一応は評価できます。一応は評価できますが、だからおもしろいか? というと、やはりそうでもありませんでした。なぜなんでしょうか?

一つには、肝心の怪物自体がそれほど凶悪ではないということがあるのかもしれません。凄さがわからないというか? なんだって、「人質」をとっているのかも、今ひとつよくわかりません。モンスター映画、パニック映画として、もの足りないんです。

もう一つは、この家族とマスコミとの対決の話題の掘り下げができていません。他の犯罪捜査のドラマなどをみても、韓国では人権意識という点でかなり問題があるのはよくわかりますが、こんな感じに家族が追い込まれた場合、ほとんど誰もといっていいほど協力者や理解者が出ないのもひどい話です。で、映画ではその点を問題視することなく、当たり前のように通してしまっているのも、わたしには、なんというか、ちょっと不満でした。つまり、社会問題的な作品としてもかなり中途半端な印象なんですね。

グエムル-漢江の怪物- コレクターズ・エディション
ハピネット・ピクチャーズ (2007/01/26)
売り上げランキング: 26352
おすすめ度の平均: 4.5
4 エイリアンの韓国版
5 貴重な親日国も大切に
5 本意でないですがあえて低評価の識者に苦言を呈します そして日韓の友好を祈念します


というわけで、いささか辛めな評価になってしまいました。

何かこう、風刺なんだということなのかもしれませんが、というのも、わかったようなわからないような気分になります。

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映画:「力道山」~DVDで

2006-10-08-Sun
「力道山」の読み方が「りきどうさん」でなく「りきどうざん」であったことを、今さらながらに知ったという感じでした。耳から知ったのでなく、先に目で知っていて、あとで結びついた言葉にはときどきこういうものがあります。プロ野球選手などの「年俸」も、わたしは長く「ねんぼう」と読んでいました。実は「ねんぽう」が正しく、「ねんぼう」は誤読であると知ったのはずいぶんとあとのことです。もちろん、どっちだって文脈的には通じるのですけれど。

朝鮮人であった力道山は、当時の大相撲で関脇まで行きましたが、突然髷を切り廃業してしまいます。かなり強かったようです。映画の中では、朝鮮人であることを理由に、部屋でいじめと言っていいほどのしごきを受けていたことが一つの要因でもあったように描かれています。おそらくそれに類することはあったのでしょうね。また、当時の相撲界の慣習では、日本人以外は横綱になれないということになっていたようです。その点、力道山が不満を募らせていたようです。不満というか絶望ですね。これももしそうなら当然でしょう。そこに、気分屋で、破天荒で、負けず嫌いな性格も一つの要因であっただろうと思います。

実力がありながら、認められないどころか差別的な処遇を受けていることに我慢ができない力道山は、彼のすべてでもあった相撲を、激情に駆られる形で捨てることになります。幸福な家庭を営みつつあっただけに、妻の綾(中谷美紀)が気の毒でなりませんでした。

現在の相撲界では、外国人であろうと、横綱でも、大関でもなれます。でも、おそらくは、差別というほど歴然としたものは感じないけれど、「日本人力士贔屓」だけではすまされない、「相撲は日本のもので、外国人にいいようにされてたまるか」みたいな感覚はあると思いますね。それが切磋琢磨につながるのならかまわないわけですが、どうも、差別的に出たり、脚をひっぱったりするようなところもどこかに残っているのではないかと思います。

心情的にはわたしも日本人を応援していますけれど、あえて、こころの中の民族主義的な感覚を捨て、公平に見るように努力しています。そして、極力そうしたものを排除したいと思いながら、捨てきれないんだといことを知るのもまたおもしろいです。もっとも、当時、相撲界が外国人に寛容であったなら、日本のプロレスの誕生はもっと遅かったかもしれませんし、そういう意味では、馬場も猪木も間に合わなかったかもしれないわけだけれど。ちなみに、ひじょうに残念ですが映画には馬場も猪木も出てきません。キムイル大木金太郎は登場します。

いずれにしても、相撲界を去り、牢人生活となった力道山はプロレスと出逢うのです。彼をプロレス界へ導いたのはハロルド坂田でした。武藤敬司が演じています。当時なかったような技を出しています。また木村政彦(映画内では井村昌彦)を船木誠勝が演じ、実際リングでの試合シーンもあります。そのほかには遠藤幸吉を秋山準が、豊登をムハマド・ヨネが、そして東浪(モデルは東富士)を今はなき橋本真也が演じています。外国人レスラーも幾人か出ていますが、リック・スタイナーはよくわかります。(笑)

力道山のプロレスでの勝利に日本中がわきます。巨大な白人レスラーを、耐えに耐えた末に打ち破っていく姿は、まさに敗戦で全く自信を喪失していた日本人に勇気を与えるものだったのでしょう。力道山の勝利に沸く日本人たちを見ていると、敗戦によりアメリカ人に気兼ねして生きていた日本人が、公然とアメリカ人をたたきのめし、そしてその琴を声に出して喜んでいいということを、改めてみんなで確かめ合っているようにも見えます。国民の意識のレベルでの、敗戦そのもののショックからだけでなく、敗戦後の屈辱からの脱却みたいなものをそこに感じます。

こうして、相撲界で朝鮮人として辛酸を舐めた力道山は、日本人として国民的英雄になるのですが、頂点に登りつめたとき、再び人生は狂い始めます。それは、力道山の情熱であり、徹底してやらねば気が済まないという性格もあったでしょう。また、負けず嫌いでありすぎたことも悪かった。理解者や協力者を次々と失い、やがて、行き詰まっていき、そして、あの夜の悲劇が訪れるのです。

当時のプロレスファンはもちろん、現在のプロレスファンや相撲ファンにも楽しめる作品だと思います。

力道山 プロレス
ソニー・ピクチャーズエンタテインメント (2006/08/04)


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映画:「風のファイター」~DVDで

2006-10-07-Sat
極真空手の創始者・大山倍達の半生を描いた作品です。

原作のコミックは韓国では爆発的にヒットしたようです。その映画化さくひんです。わたしは「力道山」と合わせてみたのですが、ストーリーというか、構成というか、土台がよく似ていると思いました。それは、日本の「巨人の星」にも似た、一種のスポ根ものという点で、また、日本の社会に生きる韓国人ものという点で、韓国人好みの一つのパターンが見えるような気がしました。

いくらが強いが完全ではない若者が、日本人に「朝鮮人」と馬鹿にされ、差別的な扱いを受けています。時代的にも、日本が朝鮮半島を支配していて非常に不幸な境遇です。その中で自分の実力でのし上がろうとするわけですが、そこに日本人が立ちはだかるのです。そこで、また決死の努力をして切り抜けようとするわけですね。そういう基本構成。そこに「恋」の話や、スキャンダル話も絡んでくる。「力道山」とではもちろん、ストーリー展開も結末も違うのですが、なんだかよく似ている話に思われてしかたありませんでした。

ともに外国人ながら、方や相撲界、方や空手界で、国籍ゆえに冷遇された点。力道山は相撲界からプロレスへと転身し、大山倍達はあくまで自分の空手でのし上がる。そしてそれぞれが大成功をおさめるます。そこでの二人の共通点は、朝鮮人としてでなく、日本人として(日本人と誤解されて、もしくは朝鮮籍を隠して)認められていくのです。

また、実際の人生では(ということは映画でも)、頂点に登ってからは二人は幾分違っています。力道山は華やかに頂点に登り、短くして散ったのに対して、大山はじっくじっくりと組織を広げていくのです。大山の方が苦労が長く、また、力道山ほどの爆発的で派手な成功はなかったものの、その道では力道山よりも何倍も長期に栄華があったということでしょう。しかしながら、ともに一代で築き上げた組織は、死後、弟子達によって解体されるというところまで似ています。

両者が、同じ時期に映画化されたこともまた、おもしろいと思います。一方を見たらもう一つ見て、ぜひ、比べて見ましょう。
風のファイター 完全版
エスピーオー (2006/08/04)


力道山 デラックス・コレクターズ・エディション
ソニー・ピクチャーズエンタテインメント (2006/08/04)


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映画:「殺人の追憶」~DVDで

2006-10-06-Fri
映画というのは恐ろしいものだと今さらながらに思いました。

この映画で、なんと韓国人とは、暴力的、激情的で、単純で馬鹿なのかと思いました。しかも警察がこれではひどい……と。しかしながら、この考え方こそ単純で間違っています。そもそも、映画というのは、少なからず大げさに描くことがあるということです。監督は誇張して描くのでしょう。

もう一つは時代設定もあります。タイトルの通り「殺人の追憶」でして、これは20年近く前の話で、そのころの韓国の警察ってひょっとしたらこういうところがあったかもしれないんです。だからって、今もそうってことはないだろうし。

逆に思うのは、日本の映画が海外に紹介されたときに、映画故の誇張や抽出があったとして、それが日本であり、日本人だと考えられることはないだろうか? ということもあります。わたしがこの映画を見て「韓国人って暴力的で、激情的で、おまけに馬鹿だ」と感じてしまったように、日本のさまざまな映画を見て、同じように、「日本人て、拝金的で、刹那的で、変態的だ」とか、ま、思う人がいるんだろうなって。(笑) そういうことも思いました。

いや、そもそもが、古い警察の手法そのものを批判した作品かもしれないんですよ。わたしが「暴力的で、激情的で、馬鹿だ」と感じたのは正解で、制作側の意図は古い警察ってそんなもんだったと批判的に描きたかったとも考えられます。

ただ、わたしは、そういうお馬鹿な刑事たちのせいで、事件がちっとも解決の方向に向かわないのが不満で仕方がありませんでした。作品的にはそういうふうに撮ることができて成功しているのかもしれませんが、なんといか、見ていて、刑事たちに対してフラストレーションが溜まるというか、そんなんじゃダメだろうと思うというか。ま、そもそもが、迷宮入りした連続猟奇殺人の実話を元にした映画化なんで、なんというか、そもそも解決しないんですけどね。

日本にはちょっと違うけど「三億円事件」がありますよね。その犯人について、いろいろ言われています。テレビドラマや映画などでも、いろんな犯人像が語られています。最近では、宮崎あおいの「初恋」が、一つの解釈として話題になりました(見ていませんけれど)。見ないで言うのもなんですが、そうした解釈や描き方によって、同じ事件がおもしろくなったり、興味深くなったりすると思うんです。
初恋 プレミアム・エディション
ハピネット・ピクチャーズ (2006/11/24)

この「殺人の追憶」の元となった事件も、実際は容疑者として浮上した人がいて、決め手が得られず、また、さまざまな事情で解決に至らなかったということが当然あったわけで、そういう背景を知っていたなら、よくできた映画ということになったかもしれません。

ただ、わたしがこの映画を見て感じたのは、とにかく、韓国人って暴力的で、激情的で、おまけに馬鹿だということです。念のために書いておくと、充分ではないでしょうが他の作品もそれなりに見ているので、本当にそうだと思っているわけではありません。あくまでこの映画で思ったのです。だから、なんか、あんまりいい作品だとは思えませんでした。

殺人の追憶
殺人の追憶
posted with amazlet on 06.10.06
アミューズソフトエンタテインメント (2005/08/03)
売り上げランキング: 5,043
おすすめ度の平均: 3.6
5 解決しない事件 そして刑事は…
1 回し者諸君、ありがとう
2 もう、こういう画質のDVD、いいかげん止めたらいかがか


ちょっと、韓国映画が続きますが、まだこのあと、「風のファイター」とか、「力道山」とかのレビューを予定しています。

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