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David the smart ass

心のダイエット!~時には辛口メッセージを~

観劇:「三人吉三巴白浪」~前進座公演

2006-04-09-Sun
観劇の市民サークルに入っています。今回の例会(公演)は前進座の「三人吉三巴白浪(さんにんきちざともえのしらなみ)」でした。
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歌舞伎ですね。この前進座ってのは、なんというか、歌舞伎の新結社みたいなものでして、といってもすでに75年の歴史があるわけですが、ま、400年を超えようという歌舞伎界の歴史から見れば、ま、まだまだ新しいわけなんですね。

前進座の公式サイト「劇団の歴史」のページをざっと読むと、なんというか、「戦いの歴史」といえなくもありません。別に詳しく書く必要は感じないのですが、ちらっと見るとなんだか興味深かったので、まとめてみました。

昭和初期の世界的経済恐慌の時代にまで話はさかのぼります。わが国でも企業倒産やリストラが広がり、労働争議や小作争議が頻発しました。同時に、労働組合、農民組合、無産政党などが結成されていったわけです。こうした流れは、歌舞伎界も同じで、俳優や劇場従業員も含めたリストラが起きたわけです。

そこで俳優協会の有志たちや、大部屋俳優の相互扶助の会などが集まって、共同歩調をとっていこうということになったわけですね。これは、いわば生活のために。

いっぽうで、演劇上の革新もあったわけです。旧来の歌舞伎劇の上演だけではあきたらず、新作を上演していこううという人々がいて、その人たちが集まっていったんです。

そういう不況下での生活レベルでの闘争と演劇上で革新の流れ、この二つを核に、もちろんいろんな紆余曲折があって、前進座は誕生したのです。時はあたかも満州事変勃発の四ヶ月前でした。


ま、これが前進座の発足なんです。以後、さまざまなとりくみを試みて、現在に至るのでしょうが、これ以上ここに書くのなんですので、興味のある方は公式webページをどうぞ。

さて、今回の「三人吉三巴白浪(さんにんきちざともえのしらなみ)」ですが、「白浪もの(=盗人もの)」として有名な作品なんですが、わたしは、始めてみました。わたしのように定期的に観劇をしているものでも初めてみるのですから、ほとんど観劇しない人には、なにか特別の世界のように感じられるのではないかと思います。

しかし、歌舞伎はそもそもとても身近な大衆娯楽だったのです。映画ができる前ならば、おそらく演劇というのはとても身近だったにちがいありません。今ではそこのテレビが入り込んできて、その映画でさえ、レンタルして家でも見るという形では身近になりましたが、劇場(映画館)で見るということは、なにか特別な感じがするのかもしれませんね(一時期に比べれば、DVDなどの普及から逆に映画がまた身近になっていると感じますけれど)。

だから、歌舞伎を中心に言えば、新劇に食われ、映画に食われ、テレビやビデオに食われ、どんどんと大衆娯楽から追われ、なにか、特別の世界、芸術性の高い古典芸能というようなところに、祭り上げられていったような印象があります。しかし、そもそもが、大衆娯楽の世界のものでした。

この「三人吉三巴白浪」は、江戸末期の代表的な歌舞伎作者である河竹黙阿弥の作品で、江戸時代の人たちがみたものですから、話はいろいろからみあってはいますけれど、ぜんぜん複雑ってことはありません。ご都合主義といってしまっていいのかどうかわかりませんが、入り組んだ因果因縁が偶然が偶然を呼び、うまくオチがつくという、逆に言うと、ストーリー的にはリアリティなんてほとんどない、話のできすぎた娯楽作品です。

ただ、それでいいと思うんです。リアリティがないとかいうのは、現代人の感性であって、おそらく江戸時代の人たちは、「こんなうまい話、あったらおもしろいね~」と純粋に、その臭さを楽しんでいたのではないかとそんな気がするんですね。
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歌舞伎っていうとちょっと身構えてしまうんですが、どうでしょう、宝塚歌劇を全然知らない人が、宝塚を特別なものだと感じていても、おそらくその舞台を見ると、好きとか嫌いとか、知ってるとか知らないとかにかかわらず、その美しさ、楽しさに魅了されると思うんです。

落語もそうで、噺家を知っているとか知らないとか、寄席にいったことがあるとかないとか、そんなこと関係なく、寄席に行き客席に座っていて、目の前で落語が始まると、そりゃおもしろいと思って聞くと思うんですね。

この歌舞伎もそうです。話を知らないとか、歌舞伎は特別な知識がいるとか、役者を知ってるだとか、知らないだとか、そりゃ、宝塚や落語も同じで知らないより知ってる方が何倍も楽しいと思うのですが、そういう専門的知識や周辺知識がなくても、楽しめます。

この「三人吉三巴白浪」もとてもおもしろかったです。おもしろいだけでなく、クライマックスの大立ち回りや紙吹雪舞う中での色鮮やかな舞台は「様式美」とはこういうものだというのをよくわからせてくれます。「こいつぁ春から縁起がいいわぇ~」って一節を耳にしたことがある方は、その出典はこの作品ですよ。
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なかなか歌舞伎を見に行くきっかけって、地方に住んでると得難いと思うのですが、お近くの市民ホールか公会堂に歌舞伎がいらしたら、ぜひ一度その楽しさを味わいに、出かけてみてはいかがかと思います。

参考ページ:徳島市民劇場「三人吉三巴白波」のページ

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