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David the smart ass

心のダイエット!~時には辛口メッセージを~

映画:「12人の怒れる男」(ロシアリメイク版)~DVDで

2009-04-23-Thu
今日、職場に行くと、昨日の和歌山の毒入りカレー殺人事件の最高裁判決について、議論好きな人たちがどーのこーのと言っていました。「疑わしきは罰せず」という考え方から言って疑問だとか、冤罪の可能性もあるとか、動機があいまいで証拠も決定的なものがないだとか、これって裁判員制度が堪えられるのかとか……。いちいち、ごもっともだと思いました。
 → Wikipedia:「和歌山毒物カレー事件

確かに、報道の感じや、証拠のなさなどから、なんとなく、「三浦事件(→ Wikipedia:「ロス疑惑」)」と同じような心配がないわけでもないのですけれど、ただ、捜査のプロが捜査して、裁判のプロが審理したわけですから、ま、ただ、テレビのワイドショーや報道などでしかしらないわたしが、「無罪だ」と判断できる立場にはないので、微妙だなと思いながらも、安易に裁判が間違っているというような発言は避けたいと思います。

ただ、この手の事件を裁判員にまかされても、相当困るだろうな……というのは理解できます。林被告が認めていない上に、客観的な物証に乏しく、逆に状況証拠の積み重ねと論理の構築が目立つわけで、素人(裁判員)がそれをきちんと理解でき、判断できるかは、やはり微妙なところがあるし、あれだけニュースやワイドショーで大騒ぎした経緯があるわけで、いわばさんざん刷り込みがなされたあとで、素人(裁判員)がそれらに影響なく、客観的に判断するのはかなり難しいということも言えそうです。実際、裁判員制度導入延期を目指す議員連盟ができたようです。

裁判員制度の見直しを検討している超党派の議員連盟は21日、死刑判決が出た毒物カレー事件のような重大な事件の審理を、一般の人が行うのは負担が重すぎるとして、当分の間、制度の導入を延期するための法案の提出を目指すことを確認しました。
 → NHKニュース:「裁判員制度 導入延期を目指す



う~む、難しい問題です。政治家は簡単に延期だとかなんだとか言うのですが、こんな直前になって~と思いますよ。タウンミーティングがおかしいとかなんだとかいろいろ言われましたけれど(→「裁判員、タウンミーティング」でググる)、パンフレットやDVDなどを含めてさんざん予算使ってきたじゃないですか。裁判所を改装したところもあるし……。なんだか、土地を買収するだけしておいて、「不要な道路は作らない方針ですから」となんとか言い出して、高速道路の工事を延期もしくは中止してしまう……。行くも地獄、戻るも地獄みたいなところもあるわけですが、どうぞよく考えてもらいたいです。医療崩壊もそうですし、ゆとり教育の見直しだとか、法科大学院の件もそうだし、郵政民営化もあいかわらずガタガタしてるし、教員免許更新制も不合格者が出ているし--そう言えば、こないだ(といっても3月ですが)、高校で教師をしている知り合いの男が、この不景気に非常勤講師が見つけにくいらしいと言ってました。免許更新制の導入などで教員免許を取る人が減ってるのも一因ではないか、医師不足の次は教師不足になるんじゃないかなどと言っていました。そんなことはないだろうと笑っておきましたが、ちょっと予言っぽくておもしろい(なったら大変ですけど)ので書いておきます--、世の中上手くいってないといえばそれまでなんですけど、小泉以下たらいまわし政権がやったことって相当ひどいと思いますね! こんなことで大丈夫なんでしょうか!! と、自分自身が怒れる男のようですが、「12人の怒れる男」を見ました。

12人の怒れる男 [DVD]
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おすすめ度の平均: 3.5
1 論理性のない議論
5 他の方も書いてるように
3 情に訴えるロシア人
3 最後の陪審員の行動に驚かされました
5 飛び交う演技合戦


法廷ものというか、陪審員ものの「十二人の怒れる男」のロシアでのリメイクなんですね。結論(判決)はともかくも、裁判員であれ陪審員であれ、誠実かつよく考えて判断してもらいたいという、当たり前の結論に達するのです。ともすると大岡裁きというか、「温かい判決」、「弱者を理解した判決」が歓迎されるような気もするのですけれど、やっぱり、「法の下の平等」と「疑わしきは罰せず」(10人の犯人を捕り逃そうとも1人の冤罪者を出すまいというような理念だと聞きました)という理念をよく守って欲しいと思いました。

そいういう意味では、偏見と独断に満ちた、片付け仕事とも言えるような陪審員たちの対応が、一人の陪審員の発言から、真剣に考えようという人が増えて行き、それにしたがって無罪を主張する人が増えていくという、言ってみればそんな話です。そういう法廷裏のせめぎ合いを楽しむ映画といえなくもないですが、それぞれが自分の人生や価値観を語りながら犯人の少年を見つめ、真実にに近づこうとしている姿は、まさにドラマチックでおもしろく、同時に社会主義が崩壊後のロシアやチェチェンの現実のヒトコマを見ることができて、それもまた興味深いです。

和歌山毒入りカレー事件もなるほど大変微妙な事件だと思いますが、この映画に描かれている少年による義母殺しも、証拠も証人も揃っているので判決の大方の予想がつくような事件であっても、映画の場合はとっても大変でした。いったい裁判員(陪審員)が何を見つめ、何を見極め、どう考えなければならないか……、そういう根本的な裁判みたいなものを持つことが本当は大切なんだろうと思います。問題は、今の二本の裁判員のどのくらいそれが期待できるかということです。

わたしの周りの人を見ていると、ある程度は誠実に、そしてまともにそういうことを考えてもらえそうだと期待していますが、しかし同時に、多忙で、考えることについて根気がなく、また、訓練ができていないと思います。そういう意味で、とっても心配です。裁判員制度……。

裁判員制度について、ちょっと考える材料にもなる映画だと思います(ロシアの俳優って上手いと思います)。



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映画:「エミリー・ローズ」~DVDで

2007-02-08-Thu
これは実話を元にした映画で、「ホラー映画ではなく実話だ」とホームページにも載っています。

エミリーの死体が発見され、警察が呼ばれるところから映画はスタートします。検死官は「これは自然死とは言えない」と判定します。エミリーは調子が悪いということで以前から治療を受けていました。薬を飲んでいたのです。しかし状況は改善しません。そこで悪魔祓いを実施しました。病気ではなく悪魔が憑いたと思われたのです。

こういうことって、ここまで極端でなくても日本でもあることです。お祓いとか、あるいはお清めとか。非科学的で悪い、迷信だとことさらに否定された時期もあったようですが、伝統として、信仰として残っているという見方もできるわけです。

エミリーの身に起こったことは、単なる病気というのではなくて、部屋にあるものが勝手に動いたり、何かがのしかかってくるというようなものでした。エミリーはそれに苦しみ医者に相談します。幻覚と痙攣が主訴でした。専門医は最初「ドラッグによる幻覚」と疑い薬物反応がないので、「脳の異常な発作」というような見方から薬を処方しました。

しかし、薬では解決せず、苦しんだエミリーと家族は教会の力を借りることになるのです。神父は「悪魔が憑いている」と判断し、投薬を止めて悪魔祓いをすることになります。

--そして、エミリーは死んでしまいます。投薬を止めたことが結果的に死に繋がったとする検察と、あくまで悪魔にとり憑かれていたとする被告、いわば、科学と「悪魔」(信仰)との対決が法廷で展開されることになります。

神父(被告)の弁護を担当することになったのは、野心の強い女性弁護士です。彼女はなんとしても勝ちたかった。弁護士にとって悪魔が実在しようがしまいが関係なく、弁護に勝つために、悪魔がいるという仮定で弁護を進めるとうい感じです。

映画のほとんどは法廷が舞台で、検事や弁護士が証人とやりとりする中でエミリーに起きたことを再現する形で進みます。そして、弁護士の日常にも影響が……。と、ま、そんな感じです。途中からどんどんおもしろくなっていきます。そして、意外にも感動的な結末が待っています。

判決が妥当かどうかと思わないでもありませんが、陪審員制度というのはこういうこともあり得るのだと。

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おすすめ度の平均: 3.5
4 悪魔はどこにいったのだろうか
5 予想とは違って感動的でした。
5 真実とは?信仰とは?


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映画:「ニューオーリンズ・トライアル」~DVDで

2006-10-13-Fri
とってもおもしろい法廷ものです。

日本で裁判員制度が始まります。「裁判員の参加する刑事裁判に関する法律」というので制定され、2009年(平成21年)5月までに開始されることになっているようです。最長でもあと2年半くらいで始まりますからね。メリットもあるのでしょうが、デメリット、不安な点もいくつか指摘されていて、Wikipediaにもまとめられています。
 → Wikipedia:「裁判員制度」

アメリカの陪審制は、ま、よく似た制度なわけで、この「ニューオリンズトライアル」はその裏というか、一つの深刻な問題点を描き出していると思います。こういうことがわが国の陪審員制度に起きない保障はないと思うのですが、その点どうなんでしょうか?

陪審員制度のアメリカの裁判は、陪審員の選考の段階から勝負が始まります。この映画では民事裁判(日本の裁判員は民事裁判は担当しません)なんですが、双方の弁護士とも自分たちに理解あるあるいは有利な、もしくは懐柔できそうな陪審員を選ぶことになるわけです。その段階から勝負が始まります。法廷の場だけではなくて、「裏」つまり、買収や強迫などの手まで使って、自分の側の評決を得ようとするわけですね。それでも裁判に勝てば、勝訴は勝訴。公式に認められたことになります。

「多数派工作」という言葉は政治の中のことばだと思っていました。もちろん、そればかりでなくビジネスの中にもあるかもしれませんけれど。ま、日本の裁判員制度は民事裁判を扱わないので、この映画のようなことまではないにしろに、裁判の中でも使われる言葉になるかもしれません。

実際、アメリカでは陪審コンサルタントというビジネスまで登場しているんです。正式なビジネスなんでしょうが、この映画を見ると必要悪というか、陪審員制度の暗部という感じです。ま、映画ですから、誇張して描くんでしょうけれど。

法廷の内外で、豪腕弁護士や陪審コンサルタントが、陪審員一人一人をターゲットに票を獲得していこうと必死になっていきます。それを逆手にとって、陪審員の中に身内を潜入させることにより、陪審員の票をとりまとめて、評決そのものを売ろうという者が登場するわけです。そいういう映画です。それが、この映画の主人公の一人マーリー(レイチェル・ワイズ)です。

銃乱射事件の被害者が銃の製造会社を訴えた民事裁判で、マーリーは原告側の被告側の双方に「評決を買わないか?」と働きかけるのです。果たして陪審員の評決を売るそんなことが可能なのか? 神聖なる法廷はそうした闇の取引によって歪んだ評決を出すことになってしまうのか……。ま、そんなところです。

ジーン・ハックマンが豪腕の陪審コンサルタントを、ダスティン・ホフマンが倫理派弁護士を、そしてジョン・キューザックが陪審員の一人を演じます。おもしろいです!


日本の裁判員制度ではこういう「工作」は起きないんでしょうか。あるとしたら、ちょっとというか、そうとう嫌ですね。心配です。

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おすすめ度の平均: 4.1
5 法廷ものとして見応え十分
3 法廷モノは好きなんだけど
5 一見の価値あり!


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