David the smart ass心のダイエット!~時には辛口メッセージを~ |
Title List
- 08/25 「江古田ちゃん」(5)を買ってサザエさんを知る……。 - ラクガキノオト
- 03/18 横溝正史館1周年記念講演会があるそうです~山梨 - ラクガキノオト
- 01/02 映画:「犬神家の一族」(2006年版)~DVD - シアター
- 07/18 横溝正史館(山梨市)も訪ねて - ラクガキノオト
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「江古田ちゃん」(5)を買ってサザエさんを知る……。
最近、以前にも増して不規則で、トリッキーな生活サイクルとなっているわたしは、日にちと曜日をヅれて記憶していて、「23日日曜日」と思い込んでいたので混乱し、22日の日曜日に、まだ並んでいない「江古田の5巻」を求めて、コミックスの新刊コーナーを散策していたりしたのです。猛暑の折、麦茶だの、ゼロコーラーだの、カテキン多いめのお茶などを飲んでいたので、途中トイレを借りたくなり、「スタッフに断ってから使ってください」との貼り紙があったので、店員のお嬢さんに、「ちょっと~」とドアを指差してにこやかに快諾を得て、いい気分で用を足したのですが、その手前、まだ「江古田の5巻が置いてない」ということがわかった段階で、何も買わないで店を出るのがちと気がとがめたのでした。
最近読んでいる内田樹の本
う~む。これは……。
横溝正史館1周年記念講演会があるそうです~山梨
→「竹中英太郎記念館(甲府市)を訪ねて」
→「横溝正史館(山梨市)も訪ねて」
→「ほうとうを食べる/山梨」
ところが、お正月には竹中英太郎記念館の館長さんから素敵な賀状をいただきました。また、先日POSTをのぞいたら、「横溝正史館1周年記念講演会」の案内ハガキが入っていました。
え、横溝正史のご長男が父を語るのかぁ、行きたいなぁと思いながらも、予定表をみるまでもなく無理だということがわかります。横溝正史館1周年記念講演会
横溝正史館オープン1周年を記念して講演会を行います。
日 時 平成20年3月25日(火)
会 場 フルーツセンター研修室(笛吹川フルーツ公園内)
内 容 講演会「父・横溝正史を語る」
講師 横溝 亮一氏(故横溝正史 長男)
ビデオ上映「内容は未定」
※時間等詳細は、決定次第お知らせします。
→参考ページ
ちょっと、ここでニュース記事の引用。
とあります。そして、その記事の中に、「「犬神家の一族」生原稿など2600点 横溝正史の資料みつかる」(msnニュース)(07/11/20)
作家、横溝正史の旧宅から「犬神家の一族」「八つ墓村」の生原稿や下書き約5000枚など計約2600点の所蔵品が見つかり、収蔵先の二松学舎大(東京)が20日、報道関係者に公開した。
未発表の短編「霧の夜の出来事」のほか、映画化、ドラマ化した際の脚本、執筆の際に“種本”とした洋書、洋雑誌なども含まれている。
(以下略)
なんてことが書かれています。長男の亮一さん(76)によると、晩年まで使った東京都世田谷区の書斎を山梨県山梨市に寄贈後、裏の物置で昨年6月、見つけたという。亮一さんは「段ボール箱からいくつも出てきて仰天した」と振り返った。
この講演会で、横溝正史の思い出はもちろんのこと、記念館の移転や原稿発見のくだりも、きっと楽しくうかがえるだろうと思いますね。あるいは、もっていらっしゃるかもしれませんねぇ~。もっと、近かったらいいのになぁ。
ちなみに、未発表短編の「霧の夜の出来事」については、asahi.comが詳しくて、
「霧の夜の出来事」(200字詰め原稿用紙66枚)は、自殺しようと薬局に青酸カリを買いに行った男が、どたばたを経て薬局の薬剤師の女性と結ばれる物語。1枚目に横溝が編集長を務めていた雑誌「新青年」の判が押してあるが、横溝研究者の浜田知明さんによると同誌には掲載されておらず、未発表の原稿と思われるという。ミステリー評論家の新保博久さんは「筋に無理があるなどあまりいい出来ではないと横溝が判断し、自ら掲載を取りやめたのではないか」と推測する。
→ 「横溝正史の生原稿5000枚、旧宅で発見 未発表も」(06/10/11)
なにやら、書斎を記念館として移転後もそうとうドラマチックだったのですね。さすが、ミステリー作家~。
3月25日は行かれませんが、せめて、ブログで紹介させていただいて、わざわざこの愛知までハガキ一枚お送りいただいた労に報いることにしましょう。

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実は、年末にレンタル店で「エロチック乱歩」の2作品(「人間椅子」「屋根裏の散歩者」)とともに借りてきたのですが、なかなか見るチャンスがなくて、明後日には返却しないとならないということで、ま、元日早々、そのうちの一枚を見ることとなったのです。よりによって、犬神家を見ることはなかったかと思っていたのですけど……。
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30年前の横溝正史ブームの時に映画化同じ監督により、角川映画第一号として制作されたものを、探偵役金田一耕助に同じ石坂浩二で作ったのです。ちょうど一年前の正月映画として公開されていましたので、ま、「よりによって正月に犬神家……云々」という前言は撤回せねばならないかもしれません(別に知ってて時期を合わせたわけではありませんけれど……)。
30年前オリジナル作品(珠世が島田陽子)は、たしかビデオレンタルでも見たし、テレビでやってたのもたびたび見て、覚えているのですが、今回のリメイク作品(珠世が松島菜々子)と本当によく似ています。別に新味があるでなく、なんでまた、同じ監督が、同じ解釈で同じ作品を撮ったのだろうと、ま、そんな気がしています。見比べて楽しみべきものなのか、どうであるのかわかりませんが。
で、一つ思ったのは、もう少し犬神佐兵衛と三人の娘(松子、竹子、梅子)の関係を詳しく描いてみてはどうなのだろうということくらいです。ま、ネタバラシになるといけないのですが、映画の途中で金田一がたびたび「※佐兵衛翁がやらせている※」みたいなことを言うわけですね。そういう佐兵衛の怨念みたいなものがもっと描けているといいかなって思ったんですけど、ま、そっちがいいとは限らないんですが、せっかく作り直すなら、同じってのもあれだし、佐兵衛のことをもうちょっと描くというのも、ま、映画としてはありかなと思いました。

横溝正史館(山梨市)も訪ねて

ただ、横溝正史といったら、江戸川乱歩と並んで日本のミステリーの巨人でありますから、そういう観点で、興味や思い入れのおありになる方は見ておいてもいいかと思います。ま、わたしもその口です。そういえば、平成16年に乱歩邸が公開されたときに行ったのですが、それに比べたら、今回の横溝邸はほんとうに小さなものです。乱歩直筆の書がありましたし、乱歩が横溝正史に書き送った手紙とかもあって、ま、ふ~んという感じで見ることができます。ま、お二人ともわたしの「青春の作家」なんで、もう少し若い日に訪れることができたら、感動もちょっと違ったかもと思います。

横溝正史館の中にガイドの方がいらして、ちょと、なるみに似たおねいさんでした。そうですね、もう少し大柄な感じなんで、なるみとしずちゃんを混ぜたみたいな人でしょうか。とっても親しみが持てました。
山梨と横溝正史との関わりについて、ひじょうに苦しそうに説明して下さいました。横溝正史は電車が嫌いというか、乗り物嫌いだったんだそうです。軽井沢などによく出かけられたのですが、電車で旅行するときも、しょっちゅういろんな駅で途中下車したんだそうです。ずっと電車に乗っていられなくて。で、散歩した。そこで、山梨駅でも途中下車して笛吹川河畔を散策したそうなんです~って(笑)。
あ~、そんなの、ちょっと詐欺っぽいわ。全く関係がないに等しいんじゃないですか、「途中下車して散歩した」って。それもわざわざじゃなくて、たまたまでしょう。いくつか途中下車したうちのひとつなんて。ま、「散歩しながら小説のアイデアを練った」と言わなかっただけ、ま、よしとしましょうか(笑)。
展示品には、直筆原稿とか置いてありました。横溝は200字詰めが多かった。原稿用紙というのは普通400字でしょう。横溝は200字でしたって、おねいさんが説明してくれました。ま、学校の宿題とかでは、確かに400字の作文用紙が多かったのですが、実は200字のもちゃんと市販されてますよって教えてあげようかと思いましたがやめました。せっかく気分よくお話しされてるのに~。
そのとき思ったのは、これはこうした記念館の定番かも。でも、今の作家たちだと、「使ってたPC」とか「愛用のワープロソフト」とかが展示されるかもしれませんよね~。「この作家の使ってたATOKの登録辞書」なんてのは、研究者はおもしろがるかもしれませんが(念のために書きますが、こげなものは横溝館にはありません)、物見遊山的な発想にはどうかという感じですね。
ポスターも数枚展示されてました。有名な「犬神家の一族」とか、「八墓村」とか。ほとんどが映画のです。その中で、これ珍しいんですよって教えてくれたのが、国鉄(今のJR)が出した「一枚の切符から」ってシリーズのポスターでした。どうして、こんなに丁寧にガイドがついてもらえたかというと、ほかにお客がいなかったので、マンツーマンで案内してもらえたんです。言い方でしたよ~(笑)
実は竹中英太郎館を見てきたんだと言ったら、休館の事情をご存じで「今、ご病気で休館なさってるはずなのですが、開いてたのですか?」と聞かれました。電話して代理の方に開けてもらったことをつげました。けっこう連携してやっていこうということのようです。うまくいくといいと思いますけどね、時代的には同時代なのだから。

ええと、こんなふうにメインにはならない、展示物はたいしたことはないと書いて来ると、ほんとうにつまらないような印象なんですが、そもそもこのこの建物が重要なんですよ。横溝正史が晩年執筆していた書斎なんですね。これも、おねいさんから聞いたのですが、成城(東京都世田谷区)にあった横溝邸が取り壊されることになると聞き、ある古書店主がどうにももったいないと思われたのです。よくわかります! よくぞ、そう思って下さいました。ファンはここに感謝せねばなりません。その努力を振り返ることなく、展示がお粗末、もの足りないなどと言っていてはバチが当たるというものです。
そこに横溝が座って、金田一耕助を書いていたはずなんです! そうではあるが、もう一つなにか感じがしないのはなぜなんでしょう。一つは、妙に明るいとういことがあると思います。本当にこんな明るいところで、横溝はあの陰惨な殺人事件を発想していたのか。その当たりがどうにもしっくりこないのですね。江戸川乱歩は土蔵の鎧戸を閉め、燭台を立てて執筆しているというような噂が立ったようですが、そこまでとはいいませんが、正直そこに横溝が座って書いていたって姿が、ちょっと想像できないくらい、明るく人の気配のしない建物になってました。成城というのは高級住宅街らしいんで、どんなところか知りませんが、もう少し建物の周囲をそれに近い雰囲気をだしてもらえるといいんじゃないかと思いました。

学生時代石山寺にいったときに、確か紫式部が源氏を書いたということで蝋人形が置いてあったんじゃないかと思います。今でもあるかどうかはしりませんけど。そこまではいかなくても、せめて原寸大パネルとか、肖像画(乱歩邸にはあった)くらいを展示して、そこに横溝がいたって気配を感じさせてくれたらなぁと思いました。
