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David the smart ass

心のダイエット!~時には辛口メッセージを~

厚生省「インフルエンザ脳症」のガイドラインを改定!~「エビデンス」

2009-09-29-Tue
不本意ながら、新型インフルエンザ関連の記事が続きます。

うちのブログは、決して保健や医療関連のブログではないのですが。

先日、「「インフルエンザ脳症」って~新型インフルエンザグラフ(16)」という記事を書きましたら、さっそくこんな記事がありました。

インフル脳症ガイドラインを改訂―厚労省研究班
2009年9月28日(月)12:30

厚生労働省のインフルエンザ脳症研究班(主任研究者=森島恒雄・岡山大大学院小児医科学教授)はこのほど、インフルエンザ脳症ガイドラインを4年ぶりに改訂した。2005年に初版を出してから、新たに得られたエビデンスなどを反映した。厚労省がホームページで公表している。

主な変更点は、▽けいれん重積型インフルエンザ脳症の病像が明らかになったことなどから定義を変更▽全身状態を保つ「支持療法」を、インフルエンザ脳症と診断される前から積極的に行うことの重要性をさらに強調▽抗ウイルス薬の投与などの「特異的療法」について、可能な限りエビデンスを追加▽リハビリテーションとグリーフケアの項に、脳症家族の会「小さないのち」の意見を広く反映―の4点。

わたしたち素人が見てもよくわかりませんが、「インフルエンザ脳症」に関して、研究が進み指針がさらに明確になったということではあるようです。(よく読んでいませんが、このページです。→厚生省:「インフルエンザ脳症ガイドライン」【改訂版の概要】 [PDFファイル/1.71MB]

ちなみに、この記事に出てくる「エビデンス」とは「科学的根拠」ということのようです(→はてなキーワード)。ちなみに、特に医学的な方面で使われる場合は「ある治療法がある病気・怪我・症状に効果があることを示す証拠、検証結果」「医療行為において、治療法を選択する際の根拠」のことを言うそうで(→Wikipedia)、さまざまな治療診断の実例や研究などから、科学的に根拠となりうる項目を追加したということなんでしょう。 記事はこんなふうに続きます。

主任研究者の森島教授は、「今回示した治療法の中には、まだ十分なエビデンスが確立していないものも含まれる。この点に留意して、家族の十分な理解のもと、治療を選択していただければ幸いだ」としている。また、現在流行している新型インフルエンザについては、「基本的な病態は季節性インフルエンザ脳症と大きな違いはないと考えられる」としている。

つまり、まだまだ十分に根拠が確立していない治療法もあるし、当然ですが、新型インフルエンザについては、従来のもの(季節型)と同じように考える以外現段階では考えようがないということですね。

前の記事で書いた、アメリカの「新型の方が季節型より、インフル脳症になりにくい」ということも、エビデンスが乏しいということなのでありましょう。

「インフルエンザ脳症」って~新型インフルエンザグラフ(16)

2009-09-27-Sun
前の記事(→「なんと500人の集団感染も~新型インフルエンザグラフ(15)」)のコメントで、インフルエンザ脳症がこわいから、もし親なら、少なくともワクチンを打つまでは登校させたくないという趣旨のものがありました。

インフルエンザ脳症になったら、5割以上が死ぬか後遺症が残ります。
そんなハイリスクな人を一箇所に集めるなんて、正気の沙汰ではありません。
みんなで集まって、インフルにかかって、だれが脳症になるか、命をかけたゲームをしているとしか思えない。

ちょっと大袈裟じゃないのと思ったのですが、自分のまわりには老人はいるが、子どもがいるわけではないので深刻に考えなかったのですが、特に5歳前の子どもにとっては、かなりおそろしいもののようですね。

少し古いもの(最終更新2006年1月)ですが、平成10年厚生労働省人口動態統計より人口10万人における1~4歳の死亡原因では、第6位であったそうです。
第1位不慮の事故9.3人 第5位心疾患1.8人
第2位先天性奇形など5.4人 第6位インフルエンザ0.9人
第3位悪性新生物2.6人 第7位他殺0.8人
第4位肺炎2.4人 第8位乳幼児突然死症候群0.8人


わたしが子どもの頃にはこんな言葉知らなかったのですが、「インフルエンザ脳症」とは、主に6歳以下の子どもがインフルエンザにかかったときに発病する重い合併症で、毎年のインフルエンザの流行の季節に、全国で100~300人の子どもさんが発病してるそうで、当然、現在流行している新型インフルエンザの感染によっても発病するおそれがあるわけです。
 → 参考ページ:熊本県の新型インフルエンザ情報ホームページ

さらに上記のページでは、インフルエンザの症状(発熱等)に加え、

1. 「呼びかけに答えない」など意識レベルの低下がみられる
2. けいれん発作が30分以上持続する、けいれん発作を繰り返し30分以上意識が完全に回復しない、またはけいれん発作の後、意識障がいが続く
3. 意味不明の言動がみられる

などの状況が見られたら、医療機関で診察を受けるよう勧めています。インフルエンザ脳症の特徴として、インフルエンザの流行の規模が大きいほど多発するということですので、今回のパンデミックで、最も恐れなければならないことの一つは、これかもしれません。「死亡率は約30%であり、後遺症も25%の子どもにみられる」そうです。

今まで死亡者数グラフなどを作ってきました。死亡記事を拾っていて見えてくるのは、重症化する人の多くは高齢者で、深刻なのは高齢者や基礎疾患がある場合くらいでした。それ以外は心配ないと思ってましたが、どうやら、それも偏っていたと反省しています。お年寄りが罹って亡くなるのも辛いでしょうけれど、幼い子どもが罹って命を落としたり、そうでなくても後遺症に苦しむこともあるようなのです。これはまたこれで、いっそう辛いものですね。

はっさくさんのおっしゃるような、自己防衛のために学校を休ませるというのも、最初はちょっと大袈裟かと思いましたが、そうでもないかもしれないと思うようになりました。

とことで、以前ブックマークしておいた記事にこんなのがありました。アメリカのことです。

子の死亡、5歳以上に集中 新型インフルで米保健当局
2009年9月4日(金)10:25
 【ワシントン共同】新型インフルエンザで死亡した子どもは、5歳以上の年齢層やぜんそくなどの基礎疾患を持ったケースに集中していることが米疾病対策センター(CDC)のまとめで3日、分かった。5歳未満の死亡が多い、通常の季節性インフルエンザとは異なる傾向という。CDCによると、8月上旬までに米国では477人が新型インフルエンザで死亡。このうち36人が18歳未満だった。

こういう記事を読んでいたので、5歳未満は安心みたいな誤解を持っていたのですね。

一応、日本でも死亡したケースに関しては、現在までの最年少は7歳男児(滋賀)です。「インフルエンザ脳症」に関しても、季節型インフルエンザとは違う特徴があるということが、あるいは後々わかってくるのかもしれませんが、こうしたものは、安全に考えて、慎重に対処したほうがいいように思います。ちなみに、「我が国で多発し、欧米での報告は非常に少ない。」(→先のページ)というような傾向もあるようですので、海外の報告がそのまんま日本に通用するとは限らないということも、よきにつけ、あしきにつけ頭の片隅にとどめておいた方がよさそうです。

また、やはり熊本県のページですが、PDFにこんなことが載っています。

■解熱剤の使用には注意が必要です
強い解熱剤(例:ボルタレン、ポンタールおよびこれらと同様の成分の入っているもの)は、インフルエンザ脳症を悪化させることがわかっています。
インフルエンザの発熱には、医師が処方した、適切な解熱剤を使用してください。
お手元に解熱剤があっても、インフルエンザへの使用について医師に確認していないものは、使わないでください。


予防、見極め、受診等、くれぐれもご注意ください。

では、死者数のグラフです。
infu090927.png

なんと500人の集団感染も~新型インフルエンザグラフ(15)

2009-09-16-Wed
ほとんどの学校が2学期をスタートして2週間、始業式の日に感染した人たちが次々と発症して着実に増加しているということなんでしょうか。通常感染より2日くらいで発症するそうですが、長い場合は10日後に発症することもあるようで、最長2週間はウィルスを排出する(感染させる)可能性があるようです。(→ Wikipedia)つまり、始業式に感染した子が、ようやくウィルスを撒き散らすのをやめたのってことでして、まだまだ教室にはウィルスがいるってことになりますね。

ちょっと衝撃的だったのは、近大付属和歌山中学と高校の500人というニューズですね。

新型インフル 500人集団感染 近大付和歌山中高(2009年9月16日(水)08:05)
 近畿大学付属和歌山中学・高校(和歌山市善明寺、中学511人、高校1193人)で、中学生202人、高校生287人の計489人が新型インフルエンザに感染した疑いがあることが15日、和歌山県保健所が県に行った報告で分かった。同校は16日から18日までの学校閉鎖を決め、休校中は生徒たちには外出の自粛を求めた。これまでに重症の生徒は出ていないという

救いは重症の生徒は出ていないということで、それが、今回の新型インフルエンザのいいところなんですけど、それにしても全校の約三分の一、500人が感染してしまうのは、驚きという以外はありません。この学校の場合は、記事によると大阪から4割の生徒が通学しているそうです。通学電車がウィルスを培養しつつ輸送する装置となり、学校がそれをさらに培養し拡散する施設としてはたらいてしまっているという感じです。

全国でも増えています。

 厚生労働省は15日、先週(9月6~12日)1週間にインフルエンザが原因で休校や学年・学級閉鎖の措置を取った保育所や幼稚園、小中高校などが前週からほぼ倍増し、少なくとも2158施設に上ったと発表した。
 → YOMIURI OLINE:インフル休校など1週間で倍増、2158施設

和歌山の学校と同じような事情のところも、都市部やその周辺には当然あると思いますね。

その一方で、重症化する人は少なく、基礎疾患がなければそんなに心配はないということが言われています。たぶん、学校関係者もそう思っているのではないでしょうか。大騒ぎしてはいけない、基礎疾患がなければだいじょうぶなのだからと。ま、確かに、ご本人はそうかもしれません。中学生にしろ、高校生にしろ、持病のある人も中にはいるでしょうけれどそれは本人が自覚してことさらに気をつければいいのであって、健康体であれば、ま、万一うつっても普通のインフルエンザと同じだから、あえて、大騒ぎしなくてもと。

しかし、自分ではなくて、家族に妊娠してるだとか、家族に身体の弱い高齢者がいるだとか、家族に持病のある人がいるだとか、そういう中学生、高校生はいっぱいいるはずです。そして、従来の季節方インフルエンザでは、予防ワクチンが用意されていて、たとえば高齢者には接種が推奨されていたりする事情があるわけですね。今回の新型インフルには、まだそれがありません。

学校を媒体に拡散したウィルスが、不幸にしてその家族に広がり、中には高齢者や持病のある人が苦しむようなケースだってあるわけですね。妊娠中のお母さんが、看護に当たらねばならないというケースだってきっとあるのです。

ことさらパニックになって大騒ぎすることはいけませんが、うがい、手洗いを励行して、感染しないように学校や社会全体で取り組むことが必要でしょう。少なくとも、この間までは、日本人はそういうことは得意だったはずだと思うのですけどね。

もう一つ。沖縄で、基礎疾患のない24歳女性が死亡しました。

 沖縄県は15日、新型インフルエンザに感染した県内の女性(24)が同日死亡したと発表した。女性に持病はなかった。直接の死因はくも膜下出血。厚生労働省によると、持病のない感染者の死亡は大阪府の男性(45)に続いて2人目。20代では初の死者となった。
 新型インフルエンザは、頻度は低いものの健康な若年層も重症化するリスクがあるとされ、厚労省は注意を呼び掛けている。
 新型に感染したか感染の疑いのある人の死亡は国内で14人目。
 → 時事ドットコム:「新型インフルの24歳女性死亡=持病ない若年層で初-沖縄県

基礎疾患がない若者でも、重症化することもあるということですね。

ところで、時事通信は「14人目」と書いているんですけど、産経は「13人目」としています。


 厚生労働省は15日、沖縄県で新型インフルに感染した基礎疾患のない女性(24)が死亡したと発表した。女性は肺炎で入院後に意識不明となり、死因はくも膜下出血だった。国内の死者では最も若く13人目。
 → 【新型インフル】沖縄の24歳女性が死亡 国内最年少、基礎疾患なし

う~む。疑い例の扱いが違うのか、読む側は混乱しますね。

一応、わたしのグラフでは14人目だと思いますが?

infu090915.png

今回は棒グラフにしてみました。

基礎疾患のない40代男性が死亡~新型インフルエンザグラフ(14)

2009-09-10-Thu
9日国内12人目の死者がでました。大阪の45歳の男性ですが、基礎疾患(持病)がありませんでした。

 大阪府は9日、新型インフルエンザに感染した四條畷市の男性会社員(45)が死亡したと発表した。感染者の死亡は疑い例も含めて国内12人目で、大阪では初。府によると男性に基礎疾患(持病)はなく、基礎疾患のない感染者が死亡したケースは国内では確認されていないという。
 → 産経ニュース:「【新型インフル】大阪で男性が死亡 国内12人目

「基礎疾患がなかった」と言われていますが、どんな栄養状態だったのか、勤務状態や疲労はどうだったのか、などはわかりません。今後の調査で判明してくることもあるでしょう。日本人はそれほど馬鹿ではないし、パニックのこわさを知っているとは思いますが、健康志向、安全志向、そして、不況とは言え金があるところにはあるので、どういうふうに出るのかわかりません。冷静な判断をするためには、正確な情報が必要です。ぜひ、お願いしたいところです。

では、死者数グラフをあげておきます。
infu_090909.png
これ、折れ線グラフじゃないほうがいいですよね。次回から考えます。

ところで、ふっと思うのですが、今回の豚由来の新型インフルエンザが国内で流行する前に、週刊誌が騒いでいたのは、鳥由来の新型インフルエンザでしたよね。豚由来の新型インフルエンザは感染率は高いものの弱毒性で、基礎疾患がなければ早期治療で大丈夫というような話でした。そういうことが判明する前の、ゴールデンウィーク頃には、たとえば中学の修学旅行が中止になるなど過剰とも言える動きを見せていたのですが、秋の行楽シーズンを控えそういう動きはあまり伝えられていません。実際、夏の甲子園大会後の選手や応援団の感染状況の報道を見ると、観戦するということを考えるとあれだけれど、軽いんだからやっちゃってもいいみたいな印象を受けるので、ま、このままいくのかなぁと思ったりもしています。企業も特に対策をとってるところは少ないようですし。わたしも、その点はそう思います。ただ、妊婦とか高齢者、わたしのようにメタボな人は重症化する惧れもありますので、油断をしてはいけません。手洗い、うがい、早めの受診を心がけたいところです。それはパニックとは違います。

さて、同じようにパニックをおこさないようにしなければいけないと思いますが、エジプトでは、致死率30パーセントを超える鳥由来の新型インフルエンザが発生しているのも、事実です。「新型インフルエンザ」=「豚由来」=「弱毒性でたいしたことがない」なんてイメージになってしまっているのですが、こういう固定観念を持つのは危険だと思います。マスコミといっても、週刊誌の守備範囲かなと思うのですが、このたびの豚由来の新型インフルエンザが発生する以前には、「ひょっとしたら人類を滅亡させるような新型インフルエンザ」みたいに書いてましたよね。その結果が、弱毒性で、なんとなく狼少年みたいなムードになっちゃってるかもしれないし、逆に、このタイミングで書くのは不安を煽るみたいなところがあるのであまりとりあげないかもしれないとも思うのですが、「鳥由来の新型インフルエンザ」もあるということは忘れてならないと思います。

鳥インフルエンザ-エジプトにおける状況-更新22
      2009年8月31日 WHO(原文)

 エジプト厚労省は2人の新たな鳥インフルエンザA(H5N1)患者が確認されたと報告した。

 一例はメノフィアに住む2歳女児で8月23日に発症、26日入院しオセルタミビルの治療が開始され、状態は安定しており、もう一例はダミッタに住む14歳女性で8月21日発症、23日に入院しオセルタミビルの治療が開始され、状態は安定している。

 どちらも死んだあるいは病気の家禽との接触があった。

 診断はエジプト中央公衆衛生研究所での検査で確定した。

 エジプトでは85例の確定例のうち、27例が死亡している(訳者注:致死率31.8%)。

                              (2009/9/1 IDSC 更新)


 → 国立感染症研究所>感染症情報センター.>疾患別情報 >高病原性鳥インフルエンザ

こういう言い方をすると、被害に遭われた方や、あるいは亡くなった方には気の毒な言い方になりますが、ちょうど8月11日に発生した静岡の大地震。多くの人は、いよいよ予想されていた東海大地震かと感じたと思います。それで怠っていた防災対策を見直した人も少なからずいたと。なんとく、豚由来のインフルエンザもそういう要素があるかもしれないと思います。

今、学ばねばならないのは、新型インフルエンザをなめることでなくて、感染症というものに対する正しい知識と、手洗い、うがいなどの生活習慣なんでしょう。

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