FC2ブログ

David the smart ass

心のダイエット!~時には辛口メッセージを~

観劇:「初雷」~文学座公演

2009-03-28-Sat
演劇の市民サークルに入っています。今回は文学座公演の「初雷」でした。
haturai.jpg
 → 文学座の公式ページ
 → 「初雷」公式ページ

タイトルの「初雷」。わたしは「はつらい」と読んでいるのですが、辞書などでは「はつがみなり」という読みも紹介してます。「 はつ‐らい【初雷】」の項に「「はつがみなり」に同じ」とあることから、そもそもは「はつがみなり」なのかもしれません。ただ、俳句の春の季語になっておりまして、音数が勝負ですので「はつがみなり」よりも「はつらい」の方が、俳句としては有効で、ま、「はつらい」で定着しているものと、考えています。
 → ヤフー辞書:「初雷

意味は「立春後、初めて鳴るかみなり」。「ささやかな春の嵐」みたいなニュアンスがあるのですが、どこかロマンティックです。平穏な日々に突然に訪れる衝撃みたいな響きはもつものの、所詮春には春って感じで、そこには厳しい冬みたいな、大きな闇みたいイメージはありませんね。

それは、このストーリーの主人公、50歳の主婦理子(みちこ)と、その家族に訪れた転機をさしています。35歳の時に兄嫁が幼子二人を残して他界、それまでキャリアウーマンとして仕事に燃えてきた理子は退職仕事を辞め、残された二人の子供を育てながら、兄と四人の生活を、まさに「主婦」に専念してきたのです。

自分を実の母のように思ってくれる子どもの成長は、理子にとっては満ち足りていて後悔のないものだったのですが、下の子が成人を迎えるのをきっかけに、再び自分の道を選択したいと思うようになります。これが「初雷」なんですね。かつてのキャリアウーマンも、50歳となり15年のブランク。再就職の道は厳しいわけです。実際、平和な家庭を築いてきたものの、兄と兄嫁の子どもであり、理子自身の恋愛も結婚もどこかに置き去りにしているようなものでもあります。

自分の選択と、自分の人生に後悔しているわけではないのだけれど、さて、今後どうしたらいいのかというとなかなかそこは答えが得られない……というわけですね。

「初雷」のWebページには「女性の自立と家族の絆」というテーマと書いてありますが、男である私は女に限ったことではないだろうと思います。仕事にやりがいを感じて突き進んできたとしても、仕事の側ではそれほど自分を評価してくれていない現実や、次々と新しい技術や知識が求められる世の中で、熟練の腕や長年の勘所などが否定されるということも少なくありません。表現がいいかどうかわからないけれど、「仕事と自立」というか、「仕事と家庭」もしくは「仕事と個人と家族」というのもあるのではないかと思います。ありますよね、ずっと。

芝居の感想としては、理子の元同僚桂子が出てきたあたりからはテンポもよく、おもしろくなったと思います。

ブログランキング・にほんブログ村へ
スポンサーサイト



観劇:「アラビアン・ナイト」~文学座公演

2006-07-02-Sun
観劇の市民サークルに入っています。今回の例会は文学座公演「アラビアン・ナイト」でした。家族の問題をつきつけられるよりも、こういうファンタジックな話の方が、気楽に楽しめ、わたしは歓迎です。

「アラビアン・ナイト」は英語では"The Arabian Nights"でありまして、複数形を正確にあらわして「アラビアン・ナイツ」としてもらった方が、いくぶん誤解が減っただろうと思うんですね。別の邦題として「千夜一夜物語」「千一夜物語」などというのがありますが、これが原題の適切な訳のようです。(→wikipedia「千夜一夜物語」

「アリバナと40人の盗賊」「船乗りシンドバットの冒険」「アラジンと魔法のランプ」あたりは有名なんですが、こういう話がただ集められているというわけではありません。そもそも、そうした話が集められ、語られる必然性があったのです。

それは、ある国の王が、美しい妻を愛しており、また妻にも愛されていると信じていたのですが、ある日狩りに出ている間に、なんと妻が若い男を部屋に入れが不貞を働いていたのです。

それを知り怒った王は妃を殺し、以後、新しい妻をもらっては、初夜の翌朝処刑するということを繰り返すことになります。信じた妻の裏切りに対するトラウマから、逆にすべての女性を恨むようになっていたのです。

親たちは年ごろの娘を建物の奥に隠し、王の妻になろうという若い娘っちはいなくなってしまいました。そのとき、王の腹心である大臣にも二人の年頃の娘がいました。長女シャハラザードは、若い女たちを救うため、国民を救うため、王を救うため、自ら王の妃に立候補したのです。

そして、初夜の後、明け方近くになると、シャハラザードは妹を王との寝室に呼び、それはおもしろい話をして、途中で終えたのです。今まで初夜の翌朝妻を殺して来た、王は、その続きを聞いて処刑すると言って、初めて例外的に一日処刑を延ばしたのでした。

そして、次の夜も、また次の夜も、明け方近くにシャハラザードはとてもおもしろい話をして、シャハラザードは処刑をされないのです。シャハラザードは自らの命と、若い娘たちの命を救うために、毎晩おもしろい話を続け、それが1001話になったのですね。それが「千一夜物語=アラビアン・ナイト(「ナイツ」の方がよさそうだというのはそういうことです)」なんですね。

1002夜めはどうなったかというと、王がシャハラザードとの話を聞きながら、気持ちも癒されたこと、二人の間に子どもができたことなども関係があったのでしょうが、シャハラザードに諭されて、改心したということになっています。


さて、舞台では、こうした設定が全部語られます。さすがに全部の話を舞台にするわけにはいきませんので、「アリバナ」や「シンドバット」のほかには「ある乞食の物語」「アブ・ハサンが屁をした話」「ものを食べない奥さんの話」「妹をねたんだ二人の姉の話」などが、劇中劇のような形で演じられます。生演奏もあり、音楽劇仕立ての話もあり、とてもおもしろいです。また見てもいいと思いました。

 → 文学座「アラビアン・ナイト」

演劇のものじゃないですけど、DVDもありますね。
アラビアン・ナイト
アラビアン・ナイト
posted with amazlet on 06.07.02
日活 (2005/07/08)
売り上げランキング: 12,097
おすすめ度の平均: 5
5 神秘な物語に満喫!


ブログランキング・にほんブログ村へ
HOME