FC2ブログ

David the smart ass

心のダイエット!~時には辛口メッセージを~

観劇:「天国までの百マイル」~劇団文化座公演

2008-01-20-Sun
観劇の市民サークルに入っています。今回の公演は文化座の「天国までの百マイル」でした。
tengoku.jpg

 → 劇団文化座のページ

最初、舞台の中央には椅子とベッドがあって、ベッドの上で老婆が「真っ暗だわ、もう死ぬのかしら」などと言います。椅子の上の若者は「トンネルに入っただけさ、大丈夫。出口のないトンネルはない」と言っています。それがお芝居にはよくある作りで、ワゴン車を運転する息子と、その後部座席をベッドのように改造し、その上に重病の老母が寝ているのだということが理解されるのに、しばらく時間がかかります。それがわかるまで、観客は我慢をして、また、観察力と洞察力をはたらかせて、登場人物の関係や境遇、そして舞台設定や時代的背景をさぐらねばなりません。もちろん、このときの洞察が違っていたりすることもあるのですが、ま、それはそれでおもしろいのです。

息子の安男はバブル経済華やかなりし頃は、経営する不動産会社は順調でしたが、バブルの崩壊とともに自己破産し、会社も金も家族(妻子)までも失うことになるのです。

何もかも失い挫折の人生を送る安男は、母親が重度の心臓病で入院したことを知ります。安男には人生の成功者とも言える兄が二人と同じく成功して順調か家庭生活を営んでいる姉の3人の兄弟がいます。しかし、いざ、母の病気が難しい状態にあるというと、理屈や金の尊徳、時間的手間などのことばかり言って、母親の心から向かい合おうとしません。

そんな兄たちの姿に怒りさえ抱く安男は、天才的な心臓外科医がいるといわれるサンマルコ病院への転院をめざし、約160キロ(約百マイル)もの道を、自ら病人が乗りやすいように改造したオンボロのワゴン車で搬送することになるのです。

冒頭の場面は、そうした老母を搬送中の安男がハンドルを握っているシーンなのですね。母と安男の口からは、回想的さまざまなできごとが語られ、舞台の上ではその回想シーンがたくみに展開されます。安男が現在、羽振りのよかった頃に通っていたキャバレーの女マリ(佐々木愛)に世話になっていることだとか、母の入院に際して兄や姉たちが口先ばかりで、なかなか親身にならなかった姿だとか、主治医がどんなに丁寧で誠実であっただとか……。そうして二人は次第に相手への思いを確かにするとともに、困難に打ち勝つ勇気を持つようになっていくのです。

一言で言うと、そうした「愛と勇気と再生の話」で、しみじみとした情感が伝わっるいいお芝居でした。大竹しのぶ主演で映画かされ好評だったようですので、今度機会があったらぜひ見てみたいと思います
天国までの百マイル
天国までの百マイル
posted with amazlet on 08.01.20
日活 (2001/04/27)
売り上げランキング: 34374
おすすめ度の平均: 4.0
5 おすすめです!
4 心が軽くなりました。
4 大竹しのぶの演技を鑑賞する映画


原作は浅田次郎です。いいですよね。



ブログランキング・にほんブログ村へ
スポンサーサイト



観劇:「遠い花」~劇団文化座公演

2005-11-30-Wed
観劇してきました。劇団文化座「遠い花」です。
toihana

▲ポスターをモブログ

いい作品でしたよ。内容は劇団のページなどにあるのですが、少し触れておくと、20世紀前半の、英国貴族軍人アーサーと日本の女性小川まきの愛の物語です。二人は反対を押し切って国際結婚したものの、そのほとんどを別々の国で過ごし、まきは日本でアーサーの子を育て、アーサーは戦争に傷つき、まきや我が子と会うことなくイギリスに生きる。二人の子どもはやがて成長し、日本が第二次大戦に向かう直前、ヨーロッパに留学することなるわけです。そして……。

劇団のページによると、この話は実話を元にしています。昭和62年夏NHKラジオは、特別番組「日本人になりたかった男」を放送しました。それは、ある英国軍人から日本人女性に送った千通にも及ぶ日本語の手紙を元にして作られた番組のようです。そして「ピーチ・ブロッサムへ」というタイトルで出版されたようです。
ピーチ・ブロッサムへ―英国貴族軍人が変体仮名で綴る千の恋文
葉月 奈津 若林 尚司
藤原書店 (1998/07)
売り上げランキング: 302,041
おすすめ度の平均: 4.5
5 凝縮された愛
4 国籍を超えた愛


「ピ-チ・ブロッサム」とは、英国の貴族軍人のアーサーが、ある日桃の花をみつめる、日本人の一人の女性小川まきを見初めて時の言葉です。二人は間もなく結婚しますが、戦争のためアーサーは戦地に赴かねばならなくなり、やげて大けがをしてしまいます。一方まきは日本に残り、アーサーの子つまり混血の子清を必死に育てていきます。

この話は男女の愛の話であるとともに、母と子と離れて暮らす父との、家族の話でもあります。前半はそうでもなかったのですが、後半の遠く暮らす父と息子の話、アーサーと子ども、アーサーと妻の話になってくると、会場のあちこちからすすり泣きが聞こえてきます。特にお涙ちょうだいという感じでもないのですが、かく言うわたしも、目から熱いものがこみ上げてきました。「純愛」の話です。とってもいい。芝居でこんなふうに涙がこみ上げてくるは、いつ以来でしょうか。すごくよかったです。

男女の純愛と母子、父子の愛。非常に感動できる作品です。

演劇全般 - 演劇

HOME