David the smart ass心のダイエット!~時には辛口メッセージを~ |
Title List
- 07/31 身延山への旅(2)~久遠寺から身延山ロープウェイへ - ラクガキノオト
- 07/30 身延山への旅(1)~下部温泉で砂金採りを楽しむ - ラクガキノオト
- 03/18 横溝正史館1周年記念講演会があるそうです~山梨 - ラクガキノオト
- 02/11 映画:「棚の隅」~DVD - シアター
古い記事へ | 全記事一覧 |
身延山への旅(2)~久遠寺から身延山ロープウェイへ
下部温泉郷に一泊してた翌日「甲斐黄金村・湯之奥金山博物館」で砂金採り体験をし、なかなか楽しい気分になって、身延山に向かいました。
→ 初日の記事へ。
身延山ですが、わたしには漠然とした知識しかありません。生前の父が「行ってきた」と話していた記憶があって、わたしの心に反応するものがありました。父は妙に信仰深く、……とはいうものの、ちとけちをつけるようですが、信仰深いというよりは、集まると酒が飲めるのがいいと思っていた節がありますが、バスなどで村の人たちとよくあちこち出かけて行ったようですが、先日、仲間だった方のご子息と話をする機会がありまして、こんなことを言われました。
「こう言ってはなんだけれど、「酒乞食(さけこんじい)」みたいなところがあって、酒が飲めるってんで、お寺の役についたり、お宮の役についたり、出かけて行ったりするんだよ。信仰というよりも、集まれば只で呑めるので、寺の世話人だとか、宮総代とかやる人がいるんだよ。あんたの親父さんも、うちのじいさん(お父さんのこと)もそうだった……」
その通りです。この方のお父さんは存じ上げないのでわかりませんが、父の場合は、信仰の方もそれなりにあったと思います。性格上、それなりに職務には忠実だったろうと思います。しかし、お酒をいただけないのにその係りをやったかどうかは、はなはだ疑問です(だからと言って、いい加減に勤めていたとは思いませんけれど)。
閑話休題。
身延山ロープウェイは身延山からの展望を楽しめる観光施設のようですが、身延山の成り立ちから言うと、身延山の麓に大伽藍を持つ身延山久遠寺と、山頂にあるその奥の院(奥之院思親閣)とを結ぶ交通手段でもあります。
→ 「身延山久遠寺オフィシャルページ」
身延山久遠寺は日蓮宗の総本山で、まさにこれぞ大伽藍と呼ぶにふさわしく本堂や五重塔をはじめさまざまな建物が壮大に配されています。本道の加山又造による天井画(そういえばこないだたまたま行った天龍寺(京都)の「雲龍図」も加山又造だったな)も、金箔を贅沢に張った本尊や仏具、柱なども見事というほかはありませんでした。
奈良や京都の寺はこう言う言い方は語弊がありますが、信者の力というよりも、歴史の力や観光の力を感じるのですが、逆に、久遠寺は信者の力を感じさせるのでした。
久遠寺で宝物殿を見学した後で、身延山ロープウェイで奥之院に向かいました。
今回は、このロープウェイをリニューアルしたから優待乗車券を送るのでリポートしてというのが、Ripreの依頼なのですね。


ロープウェイはこんなふうに急角度の山肌を、およそ7分間登ります。時々、パラパラと小雨がふって、ぜんたいにぼんやりと雲が垂れている感じでした。もっとくっきりと晴れていたら、さわやかで気持ちがよかったろうろやや残念でしたが、緑はきれいで、しかも瑞々しい感じがして、深遠な感じさえしてそれは良かったと思います。
ロープウェイの売りは、今回はリニューアルなんですけど、本当はこのロープウェイからの景観や山頂からの展望であると思います。前の記事に書きましたように、この日は新潟や福島地方では豪雨でして、山梨も雨模様でした。ときおり、気まぐれに日も差さないこともありませんが、どの山の頂もほとんど雲に隠されているという感じで、雲が低く垂れ込めているのです。
眺望という意味ではいま一つだったのですが、そもそもは久遠寺の奥の院でもあるわけですから、すごいものがあります。日蓮聖人お手植えの杉です。見上げるほどの巨木が二本、参道をはさむようにして、あたかも仁王のように立っています。

そしてその奥の山門をくぐり、寺務所を横に奥まで進むと、黄金の大仏というにはちと小さい、しかし軒まで届こうというような釈迦坐像があります。ま新しい現代的な匂いのする仏像でして、前半にも書きましたが、現在進行形で、こういう形での寄進がなされているいう、まさに信者の力を感じさせる一体です。

帰ってから、記事を書くためにホームページを見ていたら、見事な仁王があったようなんですけど、見逃して残念です。
→ 身延山久遠寺奥之院のページ
麓の久遠寺も静かで厳かな感じがしたのですけれど、奥之院はさらに自然の匂いと吸い込まれるような静けさをもった、閑静な空間でした。
身延山への旅(1)~下部温泉で砂金採りを楽しむ
その日しかスケジュールが合わず予定してあったのですが、結果的に、当日は新潟や東北地方では、39万人もの被害勧告が出るというほどの天候不順でした。しかし、山梨は時折パラパラと降る程度で、さほど暑くもなく、むしろすごし易かったと言えるでしょう。甲府は盆地で暑いらしいですから。
今回は愛知から東名高速を東に走り、静岡方面から北上する形で、天気がよければ富士山を拝めるし、白糸の滝に立ち寄って、本栖湖を回って身延山へというプランを立てました。
実際は、富士山は雲の帽子をかぶったような感じにしか見えずに残念でしたけれど、新潟の豪雨情報がカーラジオから流れるなか、降らなくてよかったというのが正直なところでした。
白糸の滝は、音止の滝と白糸の滝の二つの大きなポイントがあるのですが、音止の滝を見るための展望台は、豪雨の影響か、はたまた3月の地震影響か危険地域となっていました。一方、うっすらと霧のかかったような白糸の滝に幻想的な気分になりました。



また、駐車場では「日本一周中」というステッカーを貼ってるマーチが駐まってました。運転手の方はお見かけしませんでしたが、荷物から見ると一人旅のようでした。がんばってください~。もし、この記事読んだらコメントしてください。
そして、本栖湖では妙な遊覧船を見つけました。

これは「潜水艦型遊覧船 もぐらん」と言って、形はイエローサブマリンだが、潜らない遊覧船というわけです。おもしろいアイディアだと思いましたが、むふふ、乗る気にはなれませんでした。
→ 「潜水艦型遊覧船 もぐらん」のページ
「乗る気になりませんでした」と書いてありますが、Webページによると7月中は平日は乗れないようです~。残念でもなんでもないけどさ。
朝霧高原 → 白糸の滝 → 本栖湖 と見て、本栖みちを抜けて、下部温泉へ宿泊です。
横溝正史館1周年記念講演会があるそうです~山梨
→「竹中英太郎記念館(甲府市)を訪ねて」
→「横溝正史館(山梨市)も訪ねて」
→「ほうとうを食べる/山梨」
ところが、お正月には竹中英太郎記念館の館長さんから素敵な賀状をいただきました。また、先日POSTをのぞいたら、「横溝正史館1周年記念講演会」の案内ハガキが入っていました。
え、横溝正史のご長男が父を語るのかぁ、行きたいなぁと思いながらも、予定表をみるまでもなく無理だということがわかります。横溝正史館1周年記念講演会
横溝正史館オープン1周年を記念して講演会を行います。
日 時 平成20年3月25日(火)
会 場 フルーツセンター研修室(笛吹川フルーツ公園内)
内 容 講演会「父・横溝正史を語る」
講師 横溝 亮一氏(故横溝正史 長男)
ビデオ上映「内容は未定」
※時間等詳細は、決定次第お知らせします。
→参考ページ
ちょっと、ここでニュース記事の引用。
とあります。そして、その記事の中に、「「犬神家の一族」生原稿など2600点 横溝正史の資料みつかる」(msnニュース)(07/11/20)
作家、横溝正史の旧宅から「犬神家の一族」「八つ墓村」の生原稿や下書き約5000枚など計約2600点の所蔵品が見つかり、収蔵先の二松学舎大(東京)が20日、報道関係者に公開した。
未発表の短編「霧の夜の出来事」のほか、映画化、ドラマ化した際の脚本、執筆の際に“種本”とした洋書、洋雑誌なども含まれている。
(以下略)
なんてことが書かれています。長男の亮一さん(76)によると、晩年まで使った東京都世田谷区の書斎を山梨県山梨市に寄贈後、裏の物置で昨年6月、見つけたという。亮一さんは「段ボール箱からいくつも出てきて仰天した」と振り返った。
この講演会で、横溝正史の思い出はもちろんのこと、記念館の移転や原稿発見のくだりも、きっと楽しくうかがえるだろうと思いますね。あるいは、もっていらっしゃるかもしれませんねぇ~。もっと、近かったらいいのになぁ。
ちなみに、未発表短編の「霧の夜の出来事」については、asahi.comが詳しくて、
「霧の夜の出来事」(200字詰め原稿用紙66枚)は、自殺しようと薬局に青酸カリを買いに行った男が、どたばたを経て薬局の薬剤師の女性と結ばれる物語。1枚目に横溝が編集長を務めていた雑誌「新青年」の判が押してあるが、横溝研究者の浜田知明さんによると同誌には掲載されておらず、未発表の原稿と思われるという。ミステリー評論家の新保博久さんは「筋に無理があるなどあまりいい出来ではないと横溝が判断し、自ら掲載を取りやめたのではないか」と推測する。
→ 「横溝正史の生原稿5000枚、旧宅で発見 未発表も」(06/10/11)
なにやら、書斎を記念館として移転後もそうとうドラマチックだったのですね。さすが、ミステリー作家~。
3月25日は行かれませんが、せめて、ブログで紹介させていただいて、わざわざこの愛知までハガキ一枚お送りいただいた労に報いることにしましょう。

映画:「棚の隅」~DVD
コスミック出版 (2007/04)
売り上げランキング: 474061


「大人の映画」なんだそうですが、たしかに、しみじみとしたいい作品です。
街の小さなおもちゃ屋の店主は元気で明るい妻と8才の男の子との三人の平凡だけれど、ま、所謂ささやかな幸福的な生活をしています。しかし、実は、過去にはとんでもないことがあったんですね。産んで間もない頃、元妻が失踪してしまったのです。今の妻は子どもが産めない身体で、もちろんそれを喜ぶ女などはいないでしょうけれど、結果それが幸いして、先妻の子をわが子のように愛し、また、子どもも過去の事件など知らぬまま、すくすくのびのび育っているのです。
ところが、その失踪した元妻は保険の外交員をしていまして、皮肉にもその地域を担当することになってしまった……。そこで、再会しなくてもいいはずの再会をすることになります。そして……。という映画なんですね。おもちゃ屋の主人が元妻のことをどう思い、そういう夫のことを今の妻はどう思ったか。産めないながら育てた女は、子どもを産んで捨てて逃げ出した女のことをどう思ったか。そして、逃げた元妻は、元夫のこと、子どものことをどう思い、今の幸福をどう考えているか……。というような、ま、決別しきれない過去と、今と、未来の幸福というようなことを考えさせてくれる作品ですね。
DVDにおさめられている特典映像で役者や監督が映画を「曇り」とか「ニュートラル」とかいう言葉で紹介していましたが、そういう感じです。ただ、脚本家の浅野が「誰でも心の隅にある忘れかけてものをもう一度見つめて」みたいなことを言っていたのですが、そういうメッセージもあるとは思うのですが(もちろん、脚本家が言うのですからそうなんでしょうけれど)、わたしとしては、忘れようにも忘れられない一抹の雲みたいなものが、必ず誰しも心なり、記憶なりの棚のどこかにあると思うんですね。で、それをどうちゃんと片づけるかってことなんじゃないのかなと思いました。あ、同じこと言ってるのか……。見つめるのあとには、片づける必要があるなら片づける……。でも、その特典映像の浅野の言葉は、ちょっとタイトルに引っ張られて、ちょっと違うなって響いてしまったのです。
いい映画だと思います。原作はこっち。
→ 公式ページ
で、この映画はリトルバードという新しく、若い、そして小さなプロダクションが作ってまして(→参考記事)、次の作品は「休暇」(吉村昭「蛍 (中公文庫)」所収)というのが決定しています。
刑務官、それも死刑執行刑務官の話です。もう、やってる仕事が重いですから、もう重いものに違いありません。どこの世界に、好んでこの仕事に付く人がいるのか……、誰かがやらねばならない仕事にちがいありません。確かに、死刑制度がなくなればこういう思いをする「役人」もいなくなるわけです。読んだことありませんので、どんな作品になるかわかりませんが、見てみたいです。
→ 映画「休暇」公式ページ
どうやら、山梨で撮影し、山梨の俳優をたくさん使って、今月中にも山梨で先行公開らしいです。アイシティさんが喜びそうな感じ~。
→ 山梨で独占先行公開のページ
