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David the smart ass

心のダイエット!~時には辛口メッセージを~

【追悼】実相寺昭雄~「ウルトラマン」を見る

2006-12-25-Mon
先日実相寺昭雄が亡くなった時(→iza:「ウルトラマン、帝都物語…監督の実相寺昭雄氏が死去」)に、「ウルトラマン」のDVDと合わせて何作か実相寺監督作品を借りてきて見たのだけれど、なかなか記事にできなかった。

もちろん「ウルトラマン」の全巻を借りることはなくて、レンタル屋でケースを裏返して「実相寺昭雄」の名前のあるものを借りた。本当はシーボースの出ている『怪獣墓場』の回が借りたかったのだけれど、生憎の「貸し出し中」で、ジャミラの出てくる『故郷は地球』の回にした。

いずれも「怪獣」ものにしては独特の作品で、シーボースは地球人の宇宙開発の一つのアクシデントから、宇宙にある怪獣墓場から、不本意ながら地球に連れてこられた被害者であった。シーボースの主張は「責任を持って故郷の宇宙の怪獣墓場に帰して欲しい」という当たり前のことを言っているに過ぎないわけだ。ところが、そういう主張をしても、人類から見れば、恐ろしい怪獣が地球に来て暴れている。ロケット基地を破壊しているに過ぎないわけだ。

また、ジャミラの設定も当時としては変わっていて、ジャミラは元々地球人の宇宙飛行士なのだ。宇宙での不幸な事故によってある星にたどりつき、いわば突然変異的に怪獣ジャミラに変身してしまった。なんと、それを地球サイドは隠していたのだ。宇宙飛行に失敗はあってはならないということで隠ぺいしていた。ところが、ジャミラが地球に怪獣の姿で帰ってきてしまったので、科特隊には、「真相を公開しないで怪獣として葬れ」という命令が出されてしまうという話なのである。いくら地球を救うのが使命と言っても、同じ仲間が姿を変えてやっとの思いで生還してきたのに殺してしまうなんて……。科特隊は悩みながら命令を遂行するという、ま、そんな設定になっている。

いずれにしても、子供だましの勧善懲悪だけでは割り切れない、そんなストーリーなのだ。そして、その監督が実相寺昭雄だった。ちょっとわかりにくいが、「ウルトラマン」は全編を同じ監督がとっているわけではなくて、回によって監督が変わるのだ。そして、実相寺昭雄独特のアングルと役者などをドアップで撮る手法は、やはり「ウルトラマン」でも生きている。

ウルトラマン コレクターズBOX
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3 げげ、不良品混入
5 余談になりますが
5 今でも見れるウルトラマン

  →「実相寺昭雄監督の仕事」のページ

・実相寺監督のご冥福をお祈りします。

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映画:「乱歩地獄」~DVDで

2006-08-28-Mon
江戸川乱歩ほど、今でもたくさんの読者に読まれ、そして、かくも多くの映画化やTVドラマ化された作家はいないと思います。マンガ化やパロディなどを含めるとその作品は数知れません。

作中人物の怪人二十面相や明智小五郎、小林少年の出てくるパロディも多くあり、また、作者である江戸川乱歩自身が登場するミステリーまであります。

こんな形の人気作家はほかになかなかいないでしょう。名前は知られているがあまり読まれていない作家はたくさんいます。昭和の人気作家で、今では町の書店ではなかなか本が手に入らない作家もたくさんいます。それが、戦前から小説書き、少年ものから大人向け、そうアダルトっぽい作品まで書きながら、その双方がともに読まれているし、全集を出しても売れるしなんていう、魔法のような作家ってほかにいませんよ。夏目漱石だってこうはいかない。すごい作家です。

さて、『乱歩地獄』です。
乱歩地獄 デラックス版
ジェネオン エンタテインメント (2006/05/25)

江戸川乱歩の短編小説『火星の運河』『鏡地獄』『芋虫』『蟲』を映像化しました。竹内スグル、実相寺昭雄、佐藤寿保、カネコアツシの4人の監督が、それぞれの乱歩への思いで作った作品集です。オムニバスですね。

なんというか、心象風景というか、妄想というか、そういったものを映像化するって、人それぞれ解釈やイメージが違いますしね、なんとなく細部まで描ききれない部分の効果というか、そうしたものの扱いに困りそうですね。闇を映像化するのが難しいように、なんか、恐怖というか、思いみたいなものを映像化するって難しいんですよね。そいういう意味で、どれも難しいのでしょう。文字と幻想だからよくて、映像化されてしまうとひどく陳腐でたあいのないものになりかねません。

同時に過去に映像化されたてきた作家で、そういうイメージもあるわけでして、逆に、今からオリジナルな感覚を付加して映像化するという困難さもあるのですね。結果、「乱歩地獄」は制作者の乱歩への思い入れやイマジネーションが強すぎるかなぁってなできばえになってしまったと思うんです。

今回はどっちかというと映像化の難しい作品が並んだと言う感じで、それだけに過度の情熱というか、力が入っちゃったんですかね。もっと原作のイメージで作ってよってな感想が残ってしまいました。もっとも、中途半端な作りをすると、乱歩にも対しても、ファンに対しても申し訳ないという、そういう制作サイドの気持ちもわからないではありません。けっきょく、どう撮るかはそれぞれですが、誰もが、「力入れすぎ」「もっと作品に忠実に撮って」と言われるような撮り方しか、もはやできないのかもしれません。

ま、そういう一種の宿命みたいのを背負いながら、それでも、いつかは乱歩映画をとってみたいと思っている人は少なくないに違いありません。わたしはその気持ちとてもわかります。撮ってはみたいが、いざ撮ろうと思うと、もう、どう撮ったらいいものか、相手が大きすぎて、周りからの注目が大きすぎて、もうどうしたらいいものか、プレッシャーに迷い、自分の監督としての限界を思い知らされる……果たして四人の監督の誰かがそうだったのかどうかはわかりませんが、なんとなく、そんなところが、タイトルの「乱歩地獄」の一つの寓意なのかと思わなくもありません。だって、記事書くのもしんどいですから~(笑)

じゃ、あとはおまけみたいなもんで~。「乱歩地獄」にも監督の一人として加わっている実相寺昭雄は、以前『屋根裏の散歩者』をとっています。ストーリーはほぼ原作どおりで、探偵明智小五郎に嶋田久作を起用したR-18指定作品です。
屋根裏の散歩者〈完全版〉
ジェネオン エンタテインメント (2005/02/25)
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おすすめ度の平均: 4
4 骨格部分はほぼ原作通り


ちょっと前ですが、もっくんの「双生児」がけっこう話題になりました。原作よりももっとおどろおどろしく、また、悲しく怖い感じがしましたね。
双生児~GEMINI~ 特別版
ワーナー・ホーム・ビデオ (2000/05/12)
売り上げランキング: 10,802
おすすめ度の平均: 4
1 塚本晋也監督失敗作代表!
5 美しい
2 いい映画なのかもしれない。でも、怖いよぉ~


ビートたけしがテレビで怪人二十面相をやったこともあります。ちょっと変な感じがしましたが、これも同じで、なにかそういう味付けをしないと陳腐になってしまうんですね。
明智小五郎 対 怪人二十面相
キングレコード (2002/12/25)
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おすすめ度の平均: 3.25
2 ロンブーに苦笑。変身シーンで「おおっ!」。
4 小林君がジャニーズ系だったら……ねぇ……
3 田村氏の明智はいいのだが……


藤井隆が明智小五郎の孫かなにかをしたTVシリーズもありました。「乱歩R」です。(→ アマゾン:乱歩R DVD-BOX

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