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David the smart ass

心のダイエット!~時には辛口メッセージを~

太宰治生誕百年に知る、「興ざめ」。~今日は桜桃忌

2009-06-19-Fri
今日6月19日は桜桃忌です。作家太宰治の誕生日にして、愛人と入水自殺した太宰治の遺体の発見された日です(実際亡くなった13日のようです)。ま、人気作家太宰治のまさに伝説的エピソードですね。いくらなんでも、自分の誕生日が遺体発見日になるように入水は不可能だったでしょうから。

NHKニュースは、桜桃忌に合わせて、「太宰治の最古の直筆原稿発見」を報じています。16歳の頃に書かれたものだそうです。

原稿は、両親が太宰治と親交があったという陶芸家、阿部和唐さんの自宅で先月見つかりました。詩や戯曲、エッセーなど4編が28枚の原稿用紙に書かれており、筆跡や日付などから、太宰治の直筆原稿としては最も古い、旧制中学時代の16歳のときに書かれたものとみられています。 
 → NHKニュース:「太宰治の最古の直筆原稿発見

「試合と不平」(詩)という今まで知られていなかった作品もあって、貴重な発見だそうです。

また、同じく16歳の頃の太宰の未公開写真も先日発表されていました。

作家太宰治を青森中学時代に撮影した未公開写真が見つかり、15日、五所川原市教育委員会が公表した。撮影場所は不明だが、太宰が青森中学3年の時のものとみられ、1年に入学した実弟礼治とともに北郡出身者の集まり「青森中学北郷会」の面々と記念写真に納まっている
 → 東奥日報:「太宰治16歳 青中時代の写真発見

人気作家とは言え、100年前(16歳なら計算上は84年前ですけど)なんですから、残っていて、よくぞこのタイミングで出てきたものだと思います。

映画化の話も続々と4作品。昨今の邦画ブームをしのばせます。嬉しいですね。

・5月公開「斜陽」(秋原正俊監督、佐藤江梨子主演)。
  → 公式ページ

・10月公開予定「ヴィヨンの妻 桜桃とタンポポ」(根岸吉太郎監督、松たか子、浅野忠信主演)
  → 公式ページ

・今秋公開予定「パンドラの匣」(冨永昌敬監督、染谷将太、川上未映子主演)
  → 公式ページ

・製作発表したばかりの「人間失格

  太宰が自殺した1948年に発表され、太宰作品でも最高傑作と称される「人間失格」。出版累計1000万部の青春文学の名作だが、映画化もドラマ化もされてこなかった。
 → 太宰治「人間失格」生田斗真で初の映画化

どれも見てみたいですが、ま、キャストで選べば、松たか子でしょう~。

ついでと言っていいかどうかわかりませんが、銅像が立つそうです。鹿児島で作られた銅像の除幕式、今日、青森でされるようですね。

……で、わたしは生誕百年などと知らずに、先日からこんなのを読みはじめています。

直筆は旧字旧かなである上に、推敲のあとが残っていて汚い感じもします。ストーリーを追う上では活字本で読めばいいわけですが、ま、逆に、完成途上の苦労はこういう原稿にこそ残っているわけで、原稿をワープロで書く時代になった今、いっそう特別な意味をもってくるようにも感じられます。

「興ざめ」の話は追記で。



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映画:「ピカレスク-人間失格-」~DVDで

2006-11-22-Wed
猪瀬直樹といえば、最近では道路公団民営化の立役者の一人ですが、彼はもともとはノンフィクション作家なのです。さまざまな優れた著作があります。
 → 猪瀬直樹のオフィシャルサイト

ピカレスク―太宰治伝
猪瀬 直樹
小学館
売り上げランキング: 132510
おすすめ度の平均: 4.5
4 時代に選ばれなかったマイナーな作家たちよ
4 重ねられた真実
5 誰も書かなかった真実の太宰

その猪瀬直樹が人気作家太宰治の著作と死の謎に迫った評伝ミステリーが「ピカレスク-太宰治伝」であり、本DVDはその映画化(2002年作品)です
 → 映画「ピカレスク-人間失格-」の紹介ページ(CinemaTopicsOnline)

太宰治と言えば、近代の小説家たちがの作品がしだいに読まれなくなりつつある現代においても、今なお人気作家の一人といっていいでありましょう。「走れメロス」は太宰らしくない美談の傑作だが、そういう作品は珍しく、むしろ退廃的で、異端の作家として知られるだろう。

太宰は第1回の芥川賞の候補にあがり、また、その後も流行作家になるほどの作家としての実力を持っていた。しかしながら、その生活は退廃的であり、近代の自堕落な文士の一つの典型と行っても生活態度であった。酒と女におぼれる。女を次々と変え、それをヒントに小説を書く。時に心中をする。病気の治療からパピナールというクスリの中毒になる。現代であったら、とっくに文壇から干されていたであろう。作家も文化人であり、常識の人でなければならないから。

しかし、別格で許されていたということもなかったのだろうが、芸術家や作家、詩人には、なんとうか自己破滅的な無頼というか、危険なダンディズムというか、一種の豪放磊落な破天荒な生活も、ま、一種の芸術家らしさとして、あるいは「変人ぶり」として、伝説的にとらえられているのかもしれない。心中未遂で相手の人妻を死に至らしめ自分だけが生き残ったり、自身が自殺未遂をして破滅の縁に立ったとしても、太宰はやり直すチャンスを得た。

結局最期は人妻との情死に終わるのだが、それを含めると、心中未遂、自殺未遂を三度繰り返し、都合二人の女性を死に追いやった太宰治。果たして彼は、本当に死ぬ気だったのか? あるいは、そもそも自分は生きるつもりで、つまり、自殺や心中は狂言ではなかったのか? つまり、太宰自身はちゃっかり生き残るつもりで、未遂を繰り返していたのではないのか? それが、猪瀬直樹がした太宰治の著作活動と死の解釈である。

それをさまざまな「証拠」からまとめたものが、「ピカレスク-太宰治伝」であり、その映画化が「ピカレスク-人間失格-」であった。

太宰治をミュージシャン河村隆一好演、太宰をとりまく5人の女性に朱門みず穂、さとう珠緒、裕木奈江、緒川たまき、とよた真帆が、そして太宰の恩人であり師である作家・井伏鱒二を佐野史朗が演じる。また、中原中也や壇一雄など、太宰と交流のあった作家たちも登場するのでおもしろい。

あくまで、猪瀬直樹の解釈による太宰治伝だが、当然事実を踏まえているので、戦前戦後の時代的な背景などもわかって興味深いです。

※DVDのレンタルで見たのですが、現在AmazonではこのDVDは購入できないのか、検索しても出てきません。

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