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David the smart ass

心のダイエット!~時には辛口メッセージを~

俺はダメなのかよ、常用漢字。~新常用漢字案の案

2008-05-14-Wed
わたしたちが子供の頃は「当用漢字」という言い方をしていたのですが、1981年頃から「常用漢字」というものに、いわばバージョンアップしました。

「当用」という言葉ですが、わかりにく人もいらっしゃるかもしれませんが、「当面はそれでいい」「当分はないだろう」に使われている「当」でありまして、「さし当たり」くらいの意味なんですね。だから「さし当たり用いるように定めた」というところなんでしょう。これができたのは1946年(昭和21年)、敗戦直後のことですね。

それが「当用」から、「常用」にバージョンアップしたわけです。今さら言うまでもないでしょうが「常用」とは、「ふだん使う」「日常的に使う」「常に使う」ということです。46年に設定したものを81年にバージョンアップして、ぼちぼち30年になろうというので、見直そうということで、趣旨としてはわからなくはありません。2010年に新常用漢字を正式スタートさせたいようなのです。

そのための検討案が先日(12日)に公開されて、新聞やネットなどに載っていました。

この案は、06年までの3年間に、新聞や出版物をあたって漢字の使用状況などを分析し、出現頻度別に分類し、その中から常用漢字に加える必要性が高いと判断した220字を示したのですね。※追記に一覧表を転載

このうち、Sランクの42字については、「基本的に(新漢字表に)加える方向」で当確(「藤」「岡」「誰」「阪」「奈」「鹿」「熊」「韓」「脇」「鶴」など)、さらに、残りの字について、「基本的に加えるが、不要なものは落とす」150字(「鷹」「鍵」「翔」「鍋」「梨」など)をAランク、逆に「特に必要な漢字だけを拾う」27字(「串」「媛」など)をBランクとして、今後検討して絞り込んでいくようです(Cランクの「綬」1字はこうしてあげられているところをみると、頻度が低いがぜひ入れたいということなのでしょう)。

逆に、現在常用漢字に指定されている1945字のうちで、今回の調査で出現頻度が低かったものについては、Aランクと同じ視点で、外すべきかを検討するということもするようです(別に外す必要はないと思いますが。ちなみに俎上に上ってるのは「銑(せん)」「錘(すい)」「勺(しゃく)」「斤(きん)」「匁(もんめ)」「脹(ちょう)」の6字だそうですけど……)。

で、揉めてるというか、意見が分かれたのが、Sランクの「俺」なんです。これについて「公の場で使わない表現であり、あえて入れる必要はない」などの意見が出たんだそうです。

う~ん。それってどうなの……。確かに、「俺」の使用される場面は限定されています。たぶん現代の日本ではほとんど男性の一人称でしか使わないし、熟語も「俺的」とか「俺流」みたいな、ちょっと俗語っぽい、しかも荒っぽいニュアンスもあって、広辞苑などには、

(1)(二人称) 相手を卑しめて呼ぶ語。おのれ。(2) (一人称) 男女ともに、また目上にも目下にも用いたが、現代では主として男が同輩以下の者に対して用いる、荒っぽい言い方

というように出ています(ちなみに広辞苑では「俺」ではなくて「己」をあてています)。

そんなふうにしか使わなくなった漢字を、あえて「常用漢字」に入れなくてもいいと言うのでしょう。ま、個人的にはどっちでもいいですよ。常用漢字に入れられよう入れられなかろうが、使いやすい字を使いますから。

ただ、「公の場で使わない表現であり、あえて入れる必要はない」というような観点で常用漢字を定めるのはちょっと違うんじゃないかと思うんですね。そもそも今回の調査は、常用漢字が設定されて四半世紀がたって、その中で流通している書籍などを元にデータをとったのですね。つまり、常用漢字から外されるという一種の迫害にあいながら、それでもない生き延びてきた字ということなんです。なぜ、それでも使われたのかというのは明確で、必要だから使ったのですよ。たしかに、公の場で使われない言葉なのだけれど、それ以上に必要な字の代表が、まさに「俺」なわけでしょう。別に、常用漢字に入れられたから、公式の場で「オレ」と言っていいと認知されたと思う人はないと思いますしね。

わたしは、常用漢字にあろうがなかろうが使いますけれど、そんな理由で外してしまったら、常用漢字表があまり支持されないものになってしまわないのだろうかと心配します。

参考記事:msn産経ニュース:「常用漢字の追加候補220字を公表 文化審小委が公表

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