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David the smart ass

心のダイエット!~時には辛口メッセージを~

映画:「ニューオーリンズ・トライアル」~DVDで

2006-10-13-Fri
とってもおもしろい法廷ものです。

日本で裁判員制度が始まります。「裁判員の参加する刑事裁判に関する法律」というので制定され、2009年(平成21年)5月までに開始されることになっているようです。最長でもあと2年半くらいで始まりますからね。メリットもあるのでしょうが、デメリット、不安な点もいくつか指摘されていて、Wikipediaにもまとめられています。
 → Wikipedia:「裁判員制度」

アメリカの陪審制は、ま、よく似た制度なわけで、この「ニューオリンズトライアル」はその裏というか、一つの深刻な問題点を描き出していると思います。こういうことがわが国の陪審員制度に起きない保障はないと思うのですが、その点どうなんでしょうか?

陪審員制度のアメリカの裁判は、陪審員の選考の段階から勝負が始まります。この映画では民事裁判(日本の裁判員は民事裁判は担当しません)なんですが、双方の弁護士とも自分たちに理解あるあるいは有利な、もしくは懐柔できそうな陪審員を選ぶことになるわけです。その段階から勝負が始まります。法廷の場だけではなくて、「裏」つまり、買収や強迫などの手まで使って、自分の側の評決を得ようとするわけですね。それでも裁判に勝てば、勝訴は勝訴。公式に認められたことになります。

「多数派工作」という言葉は政治の中のことばだと思っていました。もちろん、そればかりでなくビジネスの中にもあるかもしれませんけれど。ま、日本の裁判員制度は民事裁判を扱わないので、この映画のようなことまではないにしろに、裁判の中でも使われる言葉になるかもしれません。

実際、アメリカでは陪審コンサルタントというビジネスまで登場しているんです。正式なビジネスなんでしょうが、この映画を見ると必要悪というか、陪審員制度の暗部という感じです。ま、映画ですから、誇張して描くんでしょうけれど。

法廷の内外で、豪腕弁護士や陪審コンサルタントが、陪審員一人一人をターゲットに票を獲得していこうと必死になっていきます。それを逆手にとって、陪審員の中に身内を潜入させることにより、陪審員の票をとりまとめて、評決そのものを売ろうという者が登場するわけです。そいういう映画です。それが、この映画の主人公の一人マーリー(レイチェル・ワイズ)です。

銃乱射事件の被害者が銃の製造会社を訴えた民事裁判で、マーリーは原告側の被告側の双方に「評決を買わないか?」と働きかけるのです。果たして陪審員の評決を売るそんなことが可能なのか? 神聖なる法廷はそうした闇の取引によって歪んだ評決を出すことになってしまうのか……。ま、そんなところです。

ジーン・ハックマンが豪腕の陪審コンサルタントを、ダスティン・ホフマンが倫理派弁護士を、そしてジョン・キューザックが陪審員の一人を演じます。おもしろいです!


日本の裁判員制度ではこういう「工作」は起きないんでしょうか。あるとしたら、ちょっとというか、そうとう嫌ですね。心配です。

ニューオーリンズ・トライアル/陪審評決 プレミアム・エディション
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おすすめ度の平均: 4.1
5 法廷ものとして見応え十分
3 法廷モノは好きなんだけど
5 一見の価値あり!


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映画:「ナイロビの蜂」~コロナで

2006-05-16-Tue
すごくいいです。先日「デュエリスト」みたのですが、どちらを勧める? と聞かれたら、もちろん人によりますが、本作「ナイロビの蜂」を勧めます。

映画のチラシには「雄大なアフリカの大地を舞台に、喪失感の只中に満ちてくる愛の奇跡--。本年度アカデミー賞4部門ノミネート! 世界が絶賛し涙した、壮大なラブストーリー。」「ラブストーリー」が売りになっているのですが、う~む、実際はけっこう重厚な社会派ミステリーですね。しかも国際モノで、アフリカが舞台です。ちょっと偏見といわれてしまうかもしれませんが、日本人が国際問題を考えるとき、対米国、対近隣アジアについてはよく考えても、あんまり対アフリカの問題って、一般的には考えないんじゃないでしょうか。おそらく、国政選挙でもそんなことを訴えても票に繋がらないというか。

そういう点から言って、「アフリカの援助を扱った社会派ミステリー」なんて、もう、そういう設定だけで、いくらいい作品であっても人気が出そうにないです。ちょっと違うけど、民族差別の問題を扱い、同時にテロの問題を扱った「ミュンヘン」の方が、同じ社会派で国際ものにしても、まだ、客が入りそうです。

この両者の匂いは、そういう点では似たものがあるのですが、そして、俳優は「ミュンヘン」の方がおそらく有名だとわたしは思うのですが、作品としては「ナイロビの蜂」の方がよくできていると思います。この両者のどっちを勧めるかと聞かれても、やはり、わたしは「ナイロビの蜂」です(もちろん、テロとか、ミュンヘンオリンピックの事件に特別に興味がある人には別です)。

つまり、わたしは、確かにこの設定だと日本ではウケないんで、ラブストーリーを全面に出した方が売れると判断したのではないかと思います。確かに愛の話であり、それも、夫婦間の深い愛の話です。夫婦がお互いを守るとはどういうことか?というこもと突きつけられますし、守られているという自覚ができているか?ということも問われます。同時に、一方的にどちらかが相手を守っていれば、果たして守られていいる側はそれでいいのか?ということにも関わってくると思います。

そういう意味では、深い愛の話です。そして、同時に、国際社会派ミステリーなのです。

おそらく、多くの日本人は、アフリカの貧困や苦悩に対する無知と無関心から、前半はつまらない映画だと思うかもしれません。ラブ・ストーリーなんて聞いてるとよけいに。ヒロインのテッサ(レイチェル・ワイズ)が、エキセントリックな女性に描かれていて、なんというか、愛と言っても特別な愛のような気がしてくるんです。ま、また、これ以上書くとネタバラシですんで、下のをドラッグして読んでください。

実際のところ妻テッサはややエキセントリックなところのある、手を焼く女なんですが、決して考えが浅いわけでも、スタンドプレーの好きな目立ちたがり屋でもなく、あるいはマザーテレサに匹敵するような、正義と博愛の人であり、信念の人だったわけです。そして、アフリカの弱い人たちを助けたいのと同じくらい、いや、それ以上に夫ジャスティンを深く愛し、大切にしていたことを、ジャスティンはテッサを亡くしてから知るわけです。そのまさしく命がけの愛に応えるために、ジャスティンは行動しなければならなかったのですね。だから、ラブ・ストーリーと言ってもけっして間違いではありません。いや、むしろ正しい!※

一押しです。ぜひ、ご覧下さい。

→ 公式ページ(アフリカの民族音楽風のBGMが鳴ります。映画のあらゆるところに出てくるイメージソングです。哀愁が漂います。いい曲です)
「ナイロビの蜂」オリジナル・サウンドトラック
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東芝EMI (2006/04/28)


原作はこちら
ナイロビの蜂〈上〉
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4 評価は難しいが・・・
2 ル・カレらしくない作品
5 ル・カレって確か


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