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David the smart ass

心のダイエット!~時には辛口メッセージを~

映画:「阿修羅城の瞳」~DVDで

2006-10-15-Sun
2005年の映画「阿修羅城の瞳」です。
阿修羅城の瞳
阿修羅城の瞳
posted with amazlet on 06.10.15
松竹 (2005/10/29)
売り上げランキング: 2,080
おすすめ度の平均: 3.62
4 まるで昨今のTVゲームのような映画
4 舞台とは、又、ひと味違ったケレン味が味わえます。
5 破滅の美学に彩られる、狂おしいほどに愛らしい宮沢りえ

時は江戸の世、鬼が跋扈(ばっこ)しています。鬼というのは比喩ではなくてほんとうの鬼です。その鬼を退治するのが、泣く子も黙る鬼御門(おにみかど)。ちょっと新撰組を思わせるのですが、闇奉行などという言葉も出ているので、ボランティアな組織というよりも、政府(というか幕府)の公式機関のような感じもします。江戸の町に人に成りすまして棲息している鬼を探し出して、切り殺すってのが仕事なんです。

その鬼御門の副長が病葉出門(わくらばいずも)というものすごく腕の立つ侍です(出門なんて音読みはデーモンだし……)。これが、5年前のある事件がきっかけで鬼御門を辞めて、今では中村座という歌舞伎の看板役者の一人になっているんですね。

一方、江戸の町を女盗賊団「闇のつばき」一味が荒らしています。といって、盗みはすれども非道はせず、忍者のように身軽で月を背景に江戸の町の屋根から屋根にアクロバティックに飛び回ります。もちろん、凡人集団の町方にはそんな彼女たちをとらえることはできません。

また一人、出門の後任として鬼御門の副長となった邪空(じゃくう)がいます。彼は任務柄阿修羅の意味と、火焔太鼓ような形の痣を持つ女が阿修羅復活の鍵となるということを知るのです。その痣を持つ女こそつばき(宮沢りえ)なんですね。邪空はつばきを追い、つばきは出門のいる中村座に逃げ込み、出門はつばきを守るって展開でそれぞれに顔を合わせることになります。

そして阿修羅復活の問題。阿修羅とは鬼の王というか、鬼にとっての救世主ということです。魔王ですね。阿修羅が復活することによって人の中で遠慮しながら生きていなければならなかった鬼たちが、堂々と生きていけるということなのでしょう。阿修羅が復活するためには、つばきの身体にある痣がとても大切なのです。その痣はなんなのか? どうして育つのか? これがただの妖怪ものがたりでなく、恋の物語であるということがあるのですね。

見どころは満載です。

「舞台稽古がいきなり実戦立ち回り」とか、「阿修羅城での目の回るような立体的な立ち回り」とか「『デュエリスト』を思わせる愛の交歓立ち回り」とか(この点は「デュエリスト」の方がきれいです)もいい。

宮沢りえはとてもかわいくて、きれいで色っぽいし。出門の血を白い肌が吸っちゃうところなんて素敵です。

もともと劇場演劇のヒットが映画につながった作品だけあって、台詞が含みがあるというか、艶っぽいというか~。コラボのDVDもあります。
阿修羅城の瞳 映画版(2005) & 舞台版(2003) ツインパック
松竹 (2005/10/29)
売り上げランキング: 3,331
おすすめ度の平均: 4.5
5 演劇と映画。全く異なる文法を、一度に味わえる妙を愉しもう。
4 一つで二つ、お得だな!


ただ、一点最後は「爆発」ですか~?(笑) そいつはちょっといただけねぇ。というか、こういう滅びの美学みたいのはもう十分、というか、なにかあれ。

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映画:「ナイロビの蜂」~コロナで

2006-05-16-Tue
すごくいいです。先日「デュエリスト」みたのですが、どちらを勧める? と聞かれたら、もちろん人によりますが、本作「ナイロビの蜂」を勧めます。

映画のチラシには「雄大なアフリカの大地を舞台に、喪失感の只中に満ちてくる愛の奇跡--。本年度アカデミー賞4部門ノミネート! 世界が絶賛し涙した、壮大なラブストーリー。」「ラブストーリー」が売りになっているのですが、う~む、実際はけっこう重厚な社会派ミステリーですね。しかも国際モノで、アフリカが舞台です。ちょっと偏見といわれてしまうかもしれませんが、日本人が国際問題を考えるとき、対米国、対近隣アジアについてはよく考えても、あんまり対アフリカの問題って、一般的には考えないんじゃないでしょうか。おそらく、国政選挙でもそんなことを訴えても票に繋がらないというか。

そういう点から言って、「アフリカの援助を扱った社会派ミステリー」なんて、もう、そういう設定だけで、いくらいい作品であっても人気が出そうにないです。ちょっと違うけど、民族差別の問題を扱い、同時にテロの問題を扱った「ミュンヘン」の方が、同じ社会派で国際ものにしても、まだ、客が入りそうです。

この両者の匂いは、そういう点では似たものがあるのですが、そして、俳優は「ミュンヘン」の方がおそらく有名だとわたしは思うのですが、作品としては「ナイロビの蜂」の方がよくできていると思います。この両者のどっちを勧めるかと聞かれても、やはり、わたしは「ナイロビの蜂」です(もちろん、テロとか、ミュンヘンオリンピックの事件に特別に興味がある人には別です)。

つまり、わたしは、確かにこの設定だと日本ではウケないんで、ラブストーリーを全面に出した方が売れると判断したのではないかと思います。確かに愛の話であり、それも、夫婦間の深い愛の話です。夫婦がお互いを守るとはどういうことか?というこもと突きつけられますし、守られているという自覚ができているか?ということも問われます。同時に、一方的にどちらかが相手を守っていれば、果たして守られていいる側はそれでいいのか?ということにも関わってくると思います。

そういう意味では、深い愛の話です。そして、同時に、国際社会派ミステリーなのです。

おそらく、多くの日本人は、アフリカの貧困や苦悩に対する無知と無関心から、前半はつまらない映画だと思うかもしれません。ラブ・ストーリーなんて聞いてるとよけいに。ヒロインのテッサ(レイチェル・ワイズ)が、エキセントリックな女性に描かれていて、なんというか、愛と言っても特別な愛のような気がしてくるんです。ま、また、これ以上書くとネタバラシですんで、下のをドラッグして読んでください。

実際のところ妻テッサはややエキセントリックなところのある、手を焼く女なんですが、決して考えが浅いわけでも、スタンドプレーの好きな目立ちたがり屋でもなく、あるいはマザーテレサに匹敵するような、正義と博愛の人であり、信念の人だったわけです。そして、アフリカの弱い人たちを助けたいのと同じくらい、いや、それ以上に夫ジャスティンを深く愛し、大切にしていたことを、ジャスティンはテッサを亡くしてから知るわけです。そのまさしく命がけの愛に応えるために、ジャスティンは行動しなければならなかったのですね。だから、ラブ・ストーリーと言ってもけっして間違いではありません。いや、むしろ正しい!※

一押しです。ぜひ、ご覧下さい。

→ 公式ページ(アフリカの民族音楽風のBGMが鳴ります。映画のあらゆるところに出てくるイメージソングです。哀愁が漂います。いい曲です)
「ナイロビの蜂」オリジナル・サウンドトラック
サントラ ロンドン・セッション・オーケストラ アユブ・オガダ
東芝EMI (2006/04/28)


原作はこちら
ナイロビの蜂〈上〉
ナイロビの蜂〈上〉
posted with amazlet on 06.05.16
ジョン ル・カレ John Le Carr´e 加賀山 卓朗
集英社 (2003/12)
売り上げランキング: 52,873
おすすめ度の平均: 4
4 評価は難しいが・・・
2 ル・カレらしくない作品
5 ル・カレって確か


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