David the smart ass心のダイエット!~時には辛口メッセージを~ |
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- 10/01 映画:「モンスター」~DVDで - シアター
- 05/04 映画:「私は「うつ依存症」の女」~DVDで - シアター
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映画:「モンスター」~DVDで
2006-10-01-Sun
女優、ヒロインは美しい方がいいと、ま、相場が決まっているのですが、評判の美人女優が役作りのために、体重を10キロ以上も増やし、持ち前の美貌をむしろ感じさせないようにメイクをして、殺人犯を演じたら……、そんな作品が実際あって、女優は2003年度アカデミー賞主演女優賞とゴールデングローブ賞主演女優賞を受賞してしまうんですね。それが「モンスター」です。
女優魂を感じました!!
トラウマになる。
涙が止まりませんでした・・・
タイトルのモンスターというのは比喩というか、ある女性(映画の主人公)に与えられたニックネームです。アメリカ初の女性連続殺人鬼アイリーン・ウォーノス。その残虐性ゆえに「モンスター」と呼ばれたのですね。そのアイリーンの役をシャーリーズ・セロンが演じるにあたって、できるだけ彼女に似せようというので、前述のようなことになるわけです。
アイリーンは10代の頃から売春婦として生き、兄弟達に経済的な援助をして来ます。恵まれない家庭環境に生まれ、充分な教育を受けず、生きていくためのスキルを身につけることができなかった彼女には、違法だろうとなんだろうと客をとる以外にまとまった収入を得る方法はありませんでした。そういう現実があります。愛するものと出会い、なんとか今のしごとから脚を洗おうとしてもそれができません。むしろ、売春婦に金を払いながらレイプするような男に出くわし、殺してしまいます。トラウマは恐怖を呼び、憎悪を増幅させます。さらに殺人を繰り返し、1年間で殺された「客」の男は7人。それは金のためのようであり、愛のためのようであり、男に対する憎悪のためのようであり、また、内なる恐怖のためのようでもあります。それは追い詰められ、苦悩し、また、愛を求め、愛してくれるもののために必死に生きているようでもあります。
彼女のしていることは、売春であり、殺人であり、強盗でもあります。「やらせる」と言ってやらせずに殺しちゃうんだから、詐欺もあるか……。とにかく、そのことだけをとらえたら許されません。法的にも、人道的にも。しかしながら、一方的に彼女を責めるだけでは終われない、というか、解決しない問題がそこにあることもまた確かなのです。
遠いアメリカの銃社会の呼んだ悲劇……とも言えるのでしょう。銃社会でなければここまでいかなかったかもしれません。しかし、それでは弱者は弱者のままだったかもしれません。
また、日本の現実もこの一歩手前まで来ていると思います。進む家庭崩壊や親による幼児虐待。そして格差社会。愛よりもむしろ憎悪と恐怖の中に育ち、貧しいために充分な教育を受けられずに成長していく子どもたちが増えつつあるのではないかと心配します。
そしてそうした子どもたちが親になったとき、かろうじて銃社会でこそありませんが、安易な金稼ぎから売春をしたり、犯罪をしたりすることは想像に難くありません。いや、すでにそういう日本になりつつあるかもしれません。
自分を愛してくれるものを求める魂と、その者のために自らを犠牲にするかのように犯罪の道に走る、そして内からの憎悪とも恐怖とも自暴自棄ともいえる衝動……、モンスターと呼ばれたアイリーンが示した愛と犯罪にはそうした苦悩が感じられ、涙が流れます。
ほかには、クリスティーナ・リッチが、なんとも不思議な魅力を醸し出しています。また、関連作品として、こんなドキュメンタリーもあるのですね。わたしは未見ですけど。
傑作ドキュメンタリー
命の重さと軽さを考えさせられる
リアルドキュメンタリー


モンスター プレミアム・エディション
posted with amazlet on 06.10.01
松竹 (2005/05/28)
売り上げランキング: 15,148
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おすすめ度の平均: 




タイトルのモンスターというのは比喩というか、ある女性(映画の主人公)に与えられたニックネームです。アメリカ初の女性連続殺人鬼アイリーン・ウォーノス。その残虐性ゆえに「モンスター」と呼ばれたのですね。そのアイリーンの役をシャーリーズ・セロンが演じるにあたって、できるだけ彼女に似せようというので、前述のようなことになるわけです。
アイリーンは10代の頃から売春婦として生き、兄弟達に経済的な援助をして来ます。恵まれない家庭環境に生まれ、充分な教育を受けず、生きていくためのスキルを身につけることができなかった彼女には、違法だろうとなんだろうと客をとる以外にまとまった収入を得る方法はありませんでした。そういう現実があります。愛するものと出会い、なんとか今のしごとから脚を洗おうとしてもそれができません。むしろ、売春婦に金を払いながらレイプするような男に出くわし、殺してしまいます。トラウマは恐怖を呼び、憎悪を増幅させます。さらに殺人を繰り返し、1年間で殺された「客」の男は7人。それは金のためのようであり、愛のためのようであり、男に対する憎悪のためのようであり、また、内なる恐怖のためのようでもあります。それは追い詰められ、苦悩し、また、愛を求め、愛してくれるもののために必死に生きているようでもあります。
彼女のしていることは、売春であり、殺人であり、強盗でもあります。「やらせる」と言ってやらせずに殺しちゃうんだから、詐欺もあるか……。とにかく、そのことだけをとらえたら許されません。法的にも、人道的にも。しかしながら、一方的に彼女を責めるだけでは終われない、というか、解決しない問題がそこにあることもまた確かなのです。
遠いアメリカの銃社会の呼んだ悲劇……とも言えるのでしょう。銃社会でなければここまでいかなかったかもしれません。しかし、それでは弱者は弱者のままだったかもしれません。
また、日本の現実もこの一歩手前まで来ていると思います。進む家庭崩壊や親による幼児虐待。そして格差社会。愛よりもむしろ憎悪と恐怖の中に育ち、貧しいために充分な教育を受けられずに成長していく子どもたちが増えつつあるのではないかと心配します。
そしてそうした子どもたちが親になったとき、かろうじて銃社会でこそありませんが、安易な金稼ぎから売春をしたり、犯罪をしたりすることは想像に難くありません。いや、すでにそういう日本になりつつあるかもしれません。
自分を愛してくれるものを求める魂と、その者のために自らを犠牲にするかのように犯罪の道に走る、そして内からの憎悪とも恐怖とも自暴自棄ともいえる衝動……、モンスターと呼ばれたアイリーンが示した愛と犯罪にはそうした苦悩が感じられ、涙が流れます。
ほかには、クリスティーナ・リッチが、なんとも不思議な魅力を醸し出しています。また、関連作品として、こんなドキュメンタリーもあるのですね。わたしは未見ですけど。
アイリーン 「モンスター」と呼ばれた女
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キングレコード (2004/11/03)
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映画:「私は「うつ依存症」の女」~DVDで
2005-05-04-Wed
DVD返しに行くと、ついつい手ぶらで帰るのが惜しくなり、1本借りてきちゃいました。『私は「うつ依存症」の女』ってタイトルです。
「うつ依存症」ってのが、なんとなく妙なタイトルだったんですが、ここまで極端ではなくても、わたしもこういうところありますね。いくらでも(笑)
なんというか、
自分が不器用で人を傷つける
思い入れが強すぎて人を傷つける
人を傷つけたことで自分を責める
人に裏切られるのが恐くてしかたがない
過度に相手の期待に応えようとする
そして応えられず落ち込む
正直な自分の気持ちが語れない、また、語る相手がいない
猜疑心が強い
そのくせ見栄っ張りである
孤独で寂しがり屋
……などなど。おもしろいというか胸躍るような楽しい作品ではなかったけれど、何か、自分が隠れているような気がして見ていました。犯人探しをしてもどうにもならないわけですが、「原因は母親だ」などと指摘して悦に入っている自分が(……この作品で……笑)、なんともイヤなものであります。
さて、「うつ依存症」ってタイトルですが、妙ですよね。最初はなんだろうと思ったのですが、見終わって、「やたらに「うつ病」としたがる現代米国社会によって病気と扱われた女」とか「私は「うつ病」のせいにして薬に依存する社会の被害者」くらいの意味でなのだということに気づきました。作品の最後に明かなメッセージがあります。
そもそもこの作品の原題は「prozac nation」です。「prozac」ってのは、これですね。
このサイトを読むと、この原題の「プロザック国家」ってのがよくわかります。気軽に、ヤクみたいな薬に依存しすぎだよ……ってなことなんですね。
そういう、社会批判が込められているわけなんですが、なんか、それに気づくまでは、極端で、自意識過剰で、わがままで、自己中で、気の毒な、そして、いくらか自分とよく似た女が描かれている作品だと思っていたのです。むしろ、わたしにとってはそういう視点で解決してくれた方がよかったのかもしれませんけれど……。
→ 公式サイト
ああ、この牧瀬里穂に似た女優は、「スリーピー・ホロー」の子役だった子なんだ……。
クリスティーナ綺麗です
クリスティーナ・リッチのファンなら必見
「うつ依存症」ってのが、なんとなく妙なタイトルだったんですが、ここまで極端ではなくても、わたしもこういうところありますね。いくらでも(笑)
なんというか、
自分が不器用で人を傷つける
思い入れが強すぎて人を傷つける
人を傷つけたことで自分を責める
人に裏切られるのが恐くてしかたがない
過度に相手の期待に応えようとする
そして応えられず落ち込む
正直な自分の気持ちが語れない、また、語る相手がいない
猜疑心が強い
そのくせ見栄っ張りである
孤独で寂しがり屋
……などなど。おもしろいというか胸躍るような楽しい作品ではなかったけれど、何か、自分が隠れているような気がして見ていました。犯人探しをしてもどうにもならないわけですが、「原因は母親だ」などと指摘して悦に入っている自分が(……この作品で……笑)、なんともイヤなものであります。
さて、「うつ依存症」ってタイトルですが、妙ですよね。最初はなんだろうと思ったのですが、見終わって、「やたらに「うつ病」としたがる現代米国社会によって病気と扱われた女」とか「私は「うつ病」のせいにして薬に依存する社会の被害者」くらいの意味でなのだということに気づきました。作品の最後に明かなメッセージがあります。
そもそもこの作品の原題は「prozac nation」です。「prozac」ってのは、これですね。
このサイトを読むと、この原題の「プロザック国家」ってのがよくわかります。気軽に、ヤクみたいな薬に依存しすぎだよ……ってなことなんですね。
そういう、社会批判が込められているわけなんですが、なんか、それに気づくまでは、極端で、自意識過剰で、わがままで、自己中で、気の毒な、そして、いくらか自分とよく似た女が描かれている作品だと思っていたのです。むしろ、わたしにとってはそういう視点で解決してくれた方がよかったのかもしれませんけれど……。
→ 公式サイト
ああ、この牧瀬里穂に似た女優は、「スリーピー・ホロー」の子役だった子なんだ……。
私は「うつ依存症」の女
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ハピネット・ピクチャーズ (2005/07/16)
おすすめ度の平均: 



