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David the smart ass

心のダイエット!~時には辛口メッセージを~

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「ごまんとある」

2006-01-12-Thu
読売新聞には「日本語日めくり」というコラムがあって、コラムと言っても200字前後のミニコラムなのですけれども、身近な言葉、死語、新語、ごまんとある言葉の中から興味深い一語をとりあげては、それなりの蘊蓄を語りながら、200字前後の文章にまとめているわけです。この文字数でまとめるのはさぞ大変だろうと思いながら楽しみに拝読しています。

中公新書からまとめたものが出版され、すでに第3集。人気を博しているようです。
日本語「日めくり」一日一語
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5 雑学辞典


さて、本日(12日付け)のタイトルは「ごまんと~掃いて捨てるほど」で、「ごまんとある」の「ごまんと」が取り上げられていました。

「ごまんとある」を「五万とある」と書くのは誤用だというのです。

はずかしながらわたしは「ごまんとある」は「五万とある」だと思っていました。言われてみて、今ATOKで変換しても「ごまんと」だと「五万と」と変換するが、「ごまんとある」だと「五万とある」とは変換しません(辞書に学習させてしまうともちろん変換してしまいますよ)。あらためてそうなのかと思い知らされた感じです。

「五万とある」が誤用だとする根拠として「白髪三千丈」「千代に八千代に」などのように「三」や「八」は数が多いことを意味するのによく使われるが、「五」は使われないということをあげています。

なるほど……。たしかに「五臓六腑」「五体満足」などは、誇張というより実際の五つのものを思いつきますので違うにしても、誇張的な用法では「五里霧中」ってのありますよね。この「五里」は実測だったのでしょうか? 違いますよね。

また、コラムによると、9社20種類の辞典で「五万とある」という表記を載せているそうです。となると、けっこう支持されてる意見ってことですよね。

筆者は「五万」が誤用の根拠として、数が多いことを「五万」というのは「数が少なすぎる感じがする」とも書いています。これもおかしいでしょう。「五万」を少なすぎるといったら、「三千丈」だって「千代に八千代に」だって、数としては少なすぎますよ。五万の方が何倍も多いくらいです。ま、こういうのは数の絶対量が問題ではなくて「髪」とか、「代」とか主体がなにかによってかわってくるわけですよね。

だから「富はごまんとある」の「ごまん」を「五万円」だと考えたりすれば、そりゃ金額的には少なすぎますよ。でも、1円玉が五万とあったら、やっぱり多いと思いますよね。だって両手に持ちきれない(笑) 「富がごまんと」は「富が五万円」ってことじゃないんです。「札束が五万」「財宝が五万」「蔵が五万」ならものすごいんです。「敵は五万といる」だったら、戦うには充分過ぎませんか。意気地なしのわたくしなぞ「男子家をいずれは七人の敵あり」なんて脅されたら、引きこもりたくなっちゃいます(笑)。

9社20種類の辞書の編者を敵にまわして、「五万」は少なすぎるから誤用と主張するのは、ちと根拠が苦しいかも知れません。

なにより「五万」でないならどう書くべきかいう方もまた固まっていません。当コラムによると新潮現代国語辞典では「『巨万と』の転か」としているようです。小学館現代国語例解辞典では「近世語の『まんと』からか」としているんですね。

さて、困りました。どうもこのコラムを読んで、そうですかと「五万」を否定するには根拠が弱いです。とりあえずは、ひらがなで「ごまんと」と書くのが無難……なんて言ってもいいんですが、「ひらがなでごまんとと書く」というのでは、結果「五万とある」説否定派に与していることになるような気もしますしね……。

楽しみなコーナーですが、時折こんなふうに、いちゃもんつけられることもあるわけで、言葉がたくさんあるとはいいながら、実際、おもしろく、また、スマートにまとめるのは大変だと思います。だんだん続けるのが難しくなっていくだろうなと、想像します。こんなところからではありますが、担当の方々にエールを送りたいと思います。

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